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「食品偽装・高島屋」 

2013年11月07日 ナビトモブログ記事
テーマ:暮らし

 羊頭狗肉(ようとうくにく)という言葉がある。羊頭は羊の頭、狗肉は犬の肉である。羊頭狗肉は、「羊頭を掲げて狗肉を売る」を略したもので、店の看板には「羊頭(羊の頭)」を掲げ、実際には「狗肉(犬の肉)」を売る意味である。
 転じて、見かけや表面と実際・実質とが一致しないこと、つまりごまかしの例えとして、羊頭狗肉は使われるようになった。宣伝上は立派な品を売るように見せかけて、実際には粗悪な品を売るのが典型的な例だ。
 中国は宋時代の禅書『無関門(むかんもん)』に「羊頭を懸けて狗肉を売る」とあるのに基づく。
 
 羊頭狗肉という言葉が中国の禅書から出てきただけあって、中国は、羊頭狗肉の本家である。いまだに、羊肉として狗肉が売られているどころか、キツネやネズミの肉を羊肉として販売した業者が多数摘発されているという。そのほかのことも含め、食品偽装は中国の専売特許のような感がある。

 羊頭狗肉の本家・中国での食品偽装の事例は、それが起こる度、日本でも大々的にニュースとして流され、日本国民の日常会話で話題となり、中国食品には気をつけよう、となる。
 中国は、羊頭狗肉の本家と揶揄され、場合によっては、非難されることになる。


 去る11月5日、日本を代表する百貨店、高島屋の食品偽装が発覚し、日本中に衝撃が走った。「高島屋、お前もか!」だ。

 ネットの配信ニュースは、次のように伝える。

 高島屋は5日、表示と異なる材料を使った食品計62品目を提供していたと明らかにした。食材偽装が発覚したのは日本橋(東京)、横浜の各店と岡山高島屋(岡山)、新宿高島屋レストランズパーク(東京)、タカシマヤフードメゾン新横浜店(横浜)、子会社が運営する柏高島屋ステーションモール(千葉)。
 期間は2004年4月から13年11月1日までで、主に「車海老のテリーヌ」の材料にブラックタイガー、「ステーキ」と表示する肉に牛脂を注入した加工肉を使った例があったという。中でもタカシマヤフードメゾン新横浜店の「銀泉亭」では、「牛ステーキとフォアグラのスタミナ重」で牛脂加工肉を使い、岡山店の「ファミリーローズ」では「サーロインステーキ」として加工肉を出していた。

これを見ると、高島屋の食品偽装は、6店舗で、過去9年間にわたり、食品計62品目に及ぶ。この店舗範囲の規模、年数、品目数に照らせば、もはや表示を誤った、間違った、担当者がうかつだった、というレベルではない。6店舗も。過去9年間も。食品計62品目も。

 なんのことはない。高島屋が組織ぐるみで長期間にわたりお客を騙してきたということだ。

 配信ニュースによれば、高島屋の増山裕常務は東京都内で会見し、「恣意的ではないが、従業員の意識が低かった」と説明。「お客様に大変なご迷惑をお掛けし、心からおわびする」と謝罪した。

 しかし、この会見内容からは、一片の誠意すら感じられない。白々しいことを言うな。

 (私どもは儲けるために、組織を挙げてお客を騙し、9年間いや実はそれ以上、まんまと騙し抜けてきたが、他のホテルなんかの馬鹿どもが食品偽装がバレるようなヒマをしてしまった。その結果、仕方なく私どもも食品偽装を発表せざるを得なくなってしまった。ああ残念。もっともっとお客を騙して儲けれたのに) 腹のうちはそんなところだろう。

 配信ニュースによれば、販売していたのは約3億円分で、レシートやクレジットカードの明細などを持参した購入者に代金を返すのだという。

 これもふざけた話だ。レシートやクレジットカードの明細を何か月分も何年分も保管している人はいない。
結局、大部分が返金されることなく終わってしまう。高島屋の不当利得はそのままだ。こんなボロい商売はない。

 高島屋は、他のホテルの食品偽装が世の中を騒がし始めたことから、それに便乗して自分とこの食品偽装も明らかにしてしまえ、となったのだろう。

 しかし、高島屋の対応は手回しが良すぎる。それによって、墓穴を掘る格好になっている。

 最近の相次ぐ食品偽装発覚の発端は、阪急阪神ホテルズであり、その系列8ホテルのレストランなど23店舗で行われていた食品偽装が発覚したのは、去る10月22日。
 高島屋の食品偽装発覚は、11月5日であり、この間、たった14日である。たった14日の間に、なぜ、「高島屋の食品偽装は、6店舗で、過去9年間にわたり、食品計62品目に及ぶ」ことが分かるのだろう。

  
 なぜ分かるか。それは、前々からそうしたデータがあるから分かる。例えば、「車海老のテリーヌ」の材料にブラックタイガーを使った事例の場合、材料はブラックタイガーで、食品表示は車海老とするというデータが「車海老のテリーヌ」を出し始めた当初の10年近く前からあるはずだ。
 だから、いとも簡単に分かるのだ。

 高島屋に頭の切れる者がいれば、やりかねないシナリオの例を掲げる。
? 阪急阪神ホテルズの食品偽装発覚を受け、私どもとして、念のためということで、調査してみた。
? その結果、6店舗で、「車海老のテリーヌ」の材料にブラックタイガーを使っていたことが判明した。
? 「車海老のテリーヌ」の材料にブラックタイガーを使い始めたのは、今年の7月からである。6月までは、「車海老のテリーヌ」の材料に九州産の養殖車海老を使っていた。
? 養殖車海老には配合飼料を与えるが、配合飼料は輸入物であり、アベノミクス効果による円安で配合飼料が高騰し、結果的に養殖車海老の価格も高騰している。そこで、お客様に人気のある「車海老のテリーヌ」の値上げを回避すべく、やむを得ずブラックタイガーで代用することにした。
? 食品表示の切り替えが遅れたのは申し訳ない。

 しかし、実態は、そうではない。「高島屋の食品偽装は、6店舗で、過去9年間にわたり、食品計62品目に及ぶ」こと自体、高島屋が組織ぐるみで長期間にわたりお客を騙してきた証左である。


 もう、日本は、中国を羊頭狗肉の本家と揶揄したりすることはできない。有名ホテルや名門百貨店など、連日のように、次々と明らかになる食品偽装発覚の連鎖。これじゃ、食品偽装の本家・日本と揶揄されるのを甘んじて受けるしかない。

 食材を大事にし、食べ物を粗末にせず、日本食に誇りすら感じる日本人。そうした日本人は、食品偽装などしない、誇り高き日本人であるはずなのに、一体どうなってしまったのだろう。

 そんなに儲けたいのだろうか。組織ぐるみで10年間ほどにもわたりお客を騙して、そんなことまでして儲けたいのだろうか。

 誇りというものがないのか。

 平気でお客を騙して、発覚すれば、頭を下げるだけ。

 こんなことが許されていいのか。



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