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人生日々挑戦
「日中韓」
2013年09月28日
テーマ:人生
向こう三軒両隣という言葉がある。
向こう三軒とは、道路を挟んで自分の家の向かい側にある3軒という意味である。自分の家と左右の隣、計3軒は、向こう三軒と道路を挟んで向かい合っている。向こう三軒両隣は、お互いが日常的に仲良く交際する近くの家同士というわけだ。
だから、引越しをしてきたときは、向こう三軒両隣にその旨の挨拶をする。今は、昔と違って、近隣関係が希薄になっている世の中だから、引越しの挨拶をしない人もいるが、普通は、挨拶をする。それが通常であり、常識というものだ。
日本では、昨年、2012年の12月26日に、衆議院議員選挙の結果を受けて、第2次安倍内閣が発足した。
我が国と海を挟んで向こう三軒の関係にある中国でも、最近、新たな政治体制がスタートした。
まず、2012年11月16日、中国共産党は、胡錦濤国家主席の後継者となる新総書記に習近平国家副主席を選出し、新たな指導部体制となった。
次いで、今年の3月17日、中国の全国人民代表大会が開催され、習近平中国共産党総書記が国家主席に就任し、名実共に「習近平体制」が発足した。
海を挟んで向こう三軒の関係にあるもう一つは、韓国だ。韓国では、今年の2月25日、保守系与党のセヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)氏が韓国の第18代大統領に就任した。東アジアで初の女性大統領であり、父親の故朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領に続く初の親子二代の大統領の誕生として、大きな注目を集めた。
わずか3月足らずの間に、向こう三軒両隣同士の日本、中国及び韓国でそれぞれ政治体制が変わり、新しい首脳が就任したことになる。
これは、向こう三軒両隣のメンバーが変わり、新しい人が次々と引越しをしてきたようなものだ。
引越しをしてきたときは、向こう三軒両隣にその旨の挨拶をするのが通常であり、常識なのだが、今の日中、日韓の関係は、異常であり、非常識極まりない。向こうから日本の方には、挨拶に来ようとしないし、日本から挨拶に行こうとすれば、来ないでくれと言う。
私は、いろいろな議論はあるにしても、韓国は、儒教精神に基づき、礼節を重んじる国であり、儒教の本家である中国も、今は、儒教精神に基づきとは言い難いようではあるが、礼節は重んじる国であると理解してきた。中国については、故周恩来首相の日本に対する接し方を振り返れば、礼節を重んじる国であることに、くどくどとした説明は要らないはずだ。
しかし、最近の両国の態度にかんがみれば、中国も韓国も、国そのものや人そのものが変わってしまったかのように思えてならない。
日中韓の外交関係は、今、戦後最悪の状況にあると言わざるを得ない。いわゆる引越しの挨拶を交し合うでもなく、まだ一回も首脳会談が開かれていない。大変、残念で、不幸な状況である。
経済の面だけ見ても、国民総生産は、世界の中で、中国が2位、日本が3位、韓国が15位であり、この三か国の国民総生産総額は、世界187か国の国民総生産合計の21.4%を占めるほどに大きい。
日中韓の外交関係が戦後最悪の状況にあることの悪影響は、三か国にとって大きいのはもちろん、三か国だけにとどまらず、世界経済全体に及ぶことになる。
首脳会談については、中国は、沖縄県の尖閣諸島をめぐる日中間の領有権争いの存在を日本が認めない限り、首脳会談には応じないとの立場であり、韓国は韓国で、歴史問題などで日本側の前向きな対応が必要であるとしている。
首脳会談を一回もしたことがない一方の当事者である中国と韓国が、相手方である日本から色よい返事をもらわない限り、首脳会談には応じないというのだ。しかし、それはないだろうだ。
一回もあって話をしたことがない場合は、前提要件をつけずに、まずは会って話し合ってみよう、が通常であり、常識というものだ。それを、相手が譲歩しない限り、会わないなんてのは、おかしい。
こんなことじゃ、首脳会談は永久に開けなくなってしまう。
中国と韓国は、もはや礼節を重んじるどころか、異常で、非常識ということなのか。
こうなれば、事態打開の手立ては一つしかない。
在日の中国人と韓国人は、日本及び日本人の常識を理解してくれるから、在日の中国人と韓国人の有力者に、それぞれ本国である中国と韓国を説諭してもらうのだ。
在日の中国人の有力者は、横浜、神戸、長崎の中華街にいる。
在日の韓国人の有力者は、在日の韓国人や朝鮮人が多く住む東京の新大久保や大阪の鶴橋にいる。新大久保や鶴橋は、最近、韓国人や朝鮮人を差別するヘイトスピーチ(憎悪表現)デモが頻繁に行われている地域で、韓国料理店が多い所である。
在日の中国人や韓国人は、日本に来て中華料理店や韓国料理店を経営したり、そこで働いて稼ぎ、故国を助けるために莫大な送金をしてきた。
中国において華僑の力は絶大である。韓国において華僑に相当する韓国語があるのかどうか分からないが、事情は似たようなものだろう。彼らには、太いパイプと強い影響力があるのだ。
常識をわきまえた在日の中国人や韓国人の有力者は、それぞれ故国を諭す。中国人は中国人同士、韓国人は韓国人同士、互いを慮らないわけにはいかない。
彼らにとって、日中韓が仲良くなれば、それに越したことはない。そこまでいかなくても、戦後最悪の状況から脱却し、引越し時の挨拶はきちんとし合い、前提要件はつけずに、定期的に首脳会談はするということになれば、彼らの大いなるメリットになるはずだ。
この手が成功しなければ、日中韓は、永遠に、近くて遠い国同士になってしまう。
こんなことが分からないような日中韓の為政者であれば、歴史上、これほど残念で、不幸なことはない。
しかし、そんなことはないだろう。
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