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「元総理がこよなく愛した酒」 

2013年09月27日 ナビトモブログ記事
テーマ:人生

 古来、日本人は、自然のものすべてに神が宿っているとする八百万の神の考え方を信奉してきた。だから、酒の神様に感謝することも忘れない。

 造り酒屋では、いい日本酒を造ることができるよう、酒の神様にご加護をお祈りし、感謝を捧げるために、杉の葉を枝ごと束ねて球状にした「杉玉」を軒下に吊るす風習がある。

 「杉玉」の作り方は、次のような感じだ。

@ 太目の針金で球状の土台を作る。

A それに杉の枝を上下左右から挿し込み、枝と枝を絡ませたり、突き刺したりしていく。四方八方から挿し込みながら重ねていって、針金による球状の土台の3倍から4倍くらいの大きさの杉の葉のボールができる。

B 最後に、杉葉の余分な部分をカットして丸く成形していくと、青々とした杉の葉によるボールになる。

C 杉の葉によるボールと言っても、杉玉は、直径50pくらいの大きさで、8sほどの重さになる。

D 杉玉の上に少し距離を置いてセットする笠の重さは、2sほどだ。合計すると10sもの重さになるから、これに耐えられる軒下に丈夫な紐で吊るすことになる。

 軒下に1年吊るされ、茶色になった「杉玉」は、お役ごめんとなる。青々とした真新しい「杉玉」が取って代わると、その年の新酒ができたというしるしになるのだ。

 「杉玉」は、酒の神様にご加護をお祈りし、感謝を捧げることの象徴であるが、ズバリその名も「杉玉」という日本酒がある。

 青森県は南部地方の上北郡おいらせ町にある桃川酒造の「杉玉」がそれだ。

 世の中には数多くの日本酒があるが、私は、「杉玉」が一番美味しい日本酒だと思う。「杉玉」は、私がこよなく愛する酒だ。
 
 「杉玉」は、吟醸純米酒で、原料米は、五百万石とむつほまれである。アルコール度数は14度以上15度未満、日本酒度は+2、酸度は1.4で、やや辛口・淡麗の味だ。

 「芳醇な香りとまろやかな口当たりの冷でも燗でも楽しめる逸品」というのがキャッチフレーズだが、そのとおりだ。夏は冷で、冬は冷でも燗でも、実に美味しい。

 これまでの日本国内外におけるコンテストでの受賞歴を以下に掲げる。
 第28回全国日本酒コンテスト 吟醸酒部門 第一位受賞酒
 2004年〜2013年 全米日本酒歓評会 吟醸部門 金賞
 International Wine Challenge2010 純米吟醸酒・純米大吟醸部門 銅賞


 私が桃川酒造の「杉玉」を飲み始めるようになってから、随分と長い期間が経つが、「杉玉」の好評判を耳にすると、「杉玉」をこよなく愛する私としては、嬉しい。
 
 先日、ネットで次のような書簡文を目にした。
 
「私は日本酒が大好き、心臓の手術をしてからすっかり弱くなりましたが元々は一升酒のほう、

飲めなくなってから今まで以上に銘柄を選ぶようになりました。今回もいくつか頭に浮かんだ銘柄の中から、最終的に彼らのために選んだのが"杉玉"だったんです。今、絶対自分で飲んで美味しいと思っているものを贈ろう!そんな気持ちで選びました」

 この中にある「彼ら」とは、二人であり、一人はドイツのシュレーダー首相、もう一人はフランスのシラク大統領である。

 この書簡文が出された時期は2004年春らしいが、差出人は「衆議院議員 橋本龍太郎」とある。今は亡き橋本元総理の書簡文の一節だ。

 要するに、今から、9年前の2004年2月に、日本の元総理がドイツの首相とフランスの大統領に「絶対自分で飲んで美味しいと思っている」日本酒として、「杉玉」を贈ったのだ。

 歴代の政治家や首相経験者の中でも酒豪として鳴らした橋本元総理。ドイツの首相とフランスの大統領と言えば、ヨーロッパ連合の二大看板であり、世界政治をリードする両首脳である。当然、彼らは、料理でもアルコールでも世界的な通だ。

 その日独仏の首脳間で「杉玉」が2升ずつの計4升旅をしたのだ。

 「杉玉」がドイツのシュレーダー首相とフランスのシラク大統領から大絶賛されたのは言うまでもない。ドイツ首相は、飲みの場で「杉玉」を離さなかったという。その光景は、あたかも日本人の酒好きを見ているようで、実にいい。

 世の中にある数多くの日本酒の中で、こうした経験をした日本酒は、「杉玉」以外にあるだろうか。私は、「杉玉」以外にはない、とひそかに思っている。

 橋本元総理は、ご自分がこよなく愛した「杉玉」を用いて日独仏外交を良き方向に導いたことになる。そういう分かりやすい方法で手腕を発揮する橋本元総理は、すごい政治家だ。

 
 橋本元総理がなぜ「杉玉」をこよなく愛するようになったのかは分からない。その点については、おいおい調べてみようと思うが、「杉玉」が桃川酒造の酒だからではないか。桃川の「杉玉」。

 橋本元総理は、岡山県の出身だ。岡山県と言えば、「桃太郎」だ。「桃太郎」好きの橋本元総理の目に桃川の「杉玉」が留まった。あり得る話ではないか。

 なお、桃川酒造では、創業当時、百石川(ももいしがわ、別名奥入瀬川))の水を使用していたことから、「百」を「桃」にかえて「桃川(ももかわ)」と名づけられた。現在も百石川の伏流水が酒造りに使用されている。

 橋本元総理は、「杉玉」を用いて日独仏外交を良き方向に導いた、すごい政治家だが、用いられた「杉玉」もすごい日本酒だということになる。「杉玉」は、えらいやっちゃ。

 見方によっては、橋本元総理と「杉玉」がタッグを組んで、日独仏外交を良き方向に導いたとも言えるだろう。

 そして、このことを誰よりも一番喜んで下さったのは、やはり酒の神様である。


 
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