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人生日々挑戦
福島県浪江町、ガンバレ!
2013年09月19日
テーマ:人生
去る9月7日、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催の国際オリンピック委員会(IOC)総会で、2020年オリンピックの開催都市決定のため、最終プレゼンテーションが行われた。翌8日の早朝、東京がマドリードとイスタンブールを破って開催都市に決定し、日本中が歓喜に包まれた。
2020年オリンピック東京が掲げる基本概念は、東日本大震災を踏まえた「 復興の加速と世界への感謝」であり、「復興五輪」が開催理念である。
この先、オリンピック東京に向けたあらゆる局面で、「復興五輪」がキーワードになっていく。
オリンピック東京の開催により、東日本大震災の被災地を聖火リレーが回る。その際に全世界に喜んでもらえるよう、東日本大震災からの復興を完全に実現させていなければならない。
ブエノスアイレスでIOC総会というビッグイベントが開催されている9月7日、8日の両日、青森県でもビッグイベントが開催された。2013北海道・東北B-1グランプリin十和田がそれだ。
B-1グランプリ(ビーワン・グランプリ)は、地域活性化を目的とするまちおこしのためのイベントであり、B級ご当地グルメなどを用いた「まちおこし活動」を競うイベントである。
2013北海道・東北B-1グランプリin十和田は、青森県の十和田市で官庁街通り周辺を会場として開かれた。
参加団体は、北海道と東北地方等からの21団体である。その道県別内訳は、北海道が3、青森、岩手、秋田の3県が各4、宮城、山形の2県が各2、福島県と山梨県が各1となっている。
これらのうち、福島原子力発電所の原発事故を抱えているだけに、福島県からの参加団体が気になる。福島県から遠路はるばる、しかも大変難儀している中で、参加ご苦労様と声をかけたくなる。いったい、どんな団体なのだろう。
その団体は、福島県浪江町からの浪江焼麺太国とある。
浪江町、東日本大震災の発生後の各種報道で、大分耳にした町の名だ。
浪江町は、今、どうなっているんだろう。
ネットで検索したら、「浪江町ストリートビュー」がヒットした。
ストリートビューとは、Google マップの機能であり、そこにいるかのように周りの風景を360°のパノラマ写真で見ることができるとのこと。
「浪江町ストリートビュー」を見てみた。
浪江町の馬場町長のコメントで始まる。そこには、次のように記述されている。
? 浪江町は、日本の太平洋に面する福島県の浜通りにある。
? 海、山を有し、「海と緑にふれあう」美しい町である。
? それが2011年3月11日に発生の東日本大震災とそれに伴う原発事故により、21,000人の全町民が今も全国に避難している。
? 震災から2年以上が経過した今でも、浪江町には自由に立ち入ることができない。
まず、人っ子一人もいない町並みの写真が見える。
「ここは、浪江町のメインストリートで、町の様々なイベントの会場となる。町一番のイベントである秋の十日市祭は、この600mの通りに300以上の露店が並び、21,000人の町へ3日間で10万人以上が訪れる近隣町村、最大の祭りである」旨の説明がついている。
ところどころに、地震により倒壊したり、痛んだ建物がそのままの状態で映し出されている。
続いて、太平洋から1キロメートルほどの地域の写真だ。左側の奥に小学校が見える。
この地区は、浪江町の中でも津波被害が甚大な地域だが、警戒区域のために道路脇にガレキを集めることしかできていないとの説明書きが付され、茫漠とした更地が続いている。
太平洋沿岸の浪江町の状況は、東日本大震災発生の2011年3月11日から時が止まったままだ。
原子力災害のために、2年以上が経過しても、何もできないでいるのだ。
そして、「浪江町ストリートビュー」が次に掲げる趣旨の記述で締めくくられているのがせめてもの救いだ。
「私たち大人は、先人たちから受け継いできたふるさとを子どもたちへ渡していかなければならない。私たちは、約束する。原子力災害からの復興には、長い年月と多くの人々の協力が必要だが、私たちは、ふるさとを取り戻すことを決して諦めない」
2013北海道・東北B-1グランプリin十和田は、観光地で名高い十和田湖を抱える十和田市での開催であることもあり、2日間で18万人もの来場者を集めた。
そして、参加21団体のうち投票対象の18団体の中から来場者の投票により選ばれた上位5団体が表彰された。
下の方から掲げる。
第5位は、北海道北見市はオホーツク北見塩焼きそば推進協議会の「オホーツク北見塩やきそば」。
第4位は、山形県河北町はかほく冷たい肉そば研究会の「冷たい汁そば」。
次からは、メダル獲得の3団体だ。
銅メダルのブロンズグランプリは、岩手県久慈市は久慈まめぶ部屋の「久慈まめぶ汁」。
銀メダルのシルバーグランプリは、秋田県横手市は横手焼きそばサンライ'Sの「横手やきそば」。
そして、いよいよ栄えある金メダルの発表だ。会場に詰めかけた10万人を越える来場者が固唾を呑んだ。
「金メダルの発表です」 司会者が一瞬の間をおく。「金メダルは」 どこなの、早くしゃべろ。
金メダルのゴールドグランプリは、福島県浪江町は浪江焼麺太国の「なみえ焼そば」。
その瞬間、どよめきが起き、万雷の拍手が続く。浪江町の浪江焼麺太国の面々は、万歳をしながら、泣きじゃくっている。
7年後、東京オリンピックの聖火リレーが東日本大震災の被災地を回る。
太平洋沿岸の浪江町。そのメインストリートを聖火ランナーの一団が走る。
地震により倒壊したり、痛んだ建物は、撤去され、修復されている。道路脇のガレキは片付けられ、綺麗なものだ。
内陸部には真新しい災害公営住宅が立ち並び、海岸沿いには、津波からの防御壁が整備済みだ。
原子力災害による放射能汚染の除染は、とっくに完全に終わり、21,000人の町民のほとんどが喜び勇んで浪江町に戻ってきている。
その町民全員が、日の丸の小旗を振りながら、聖火ランナーの一団に声援を送っているのだ。
そして、東京オリンピック・パラリンピックが終われば、5日間にわたって、東京オリンピック開催協賛・復興記念と銘打って、オールジャパンの「ご当地グルメでまちおこしの祭典!B-1グランプリin浪江」が開催される。
参加団体は、150を越え、来場見込み者数は、300万人を越えるそうだ。
そして、「ご当地グルメでまちおこしの祭典!B-1グランプリin浪江」の様子は、テレビ放送で、日本全国のみならず、全世界に実況中継されるという。
驚くことに、国連が全面的にバックアップするのだそうだ。理由は、「B-1グランプリin浪江」は復興の祭典で、平和の祭典であると評価したのだという。
万歳、東京オリンピック万歳、東日本大震災からの復興万歳。
自分の万歳の声で、目が覚めた。夢か。
しかし、夢か、ではなく、正夢にしなければならない。
繰り返して言う。7年後、東京オリンピックの聖火リレーが東日本大震災の被災地を回る。
その際に全世界に喜んでもらえるよう、東日本大震災からの復興を完全に実現させていなければならない。
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