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「復興五輪」だよ東京は 

2013年09月18日 ナビトモブログ記事
テーマ:人生

2011年3月11日に発生した東日本大震災から2年半が経過した。
   
 東日本大震災からの復興は、今、厳しい状況下にある。

 復興庁の最新データによると、全国の避難者の数は、約29万人であり、全国47都道府県の約1,200の市区町村に所在している。
 東日本大震災から2年半も経過しても、まだ膨大な数の避難者が不安で不自由な生活を強いられているのだ。

 全国の避難者のうち、自県外に避難している者の数は、福島県から52,277人、宮城県から7,538人、岩手県から1,540人で、総数で61,355人となっている。

 これらの人々は、様々なつてを頼り、全国に散らばって行った。その苦労は察するに余りある。

そして、とりわけ、福島原子力発電所の原発事故を抱えている福島県からの避難者は、いつ帰れるか、全く見通しが立っていない。

 巨大津波に襲われた各県のうち岩手、宮城、福島の3県の沿岸部には、今も茫漠としたままの更地が広がっている。

 大震災から2年半が経過しても、家を失った被災者向けの災害公営住宅の整備や高台など安全な地域への集団移転は、遅々として進んでいないのが現状だ。

 福島原子力発電所の原発事故により、福島県の漁業は壊滅状態のままだ。

 原発事故の悪影響は、福島県内はもちろん、福島県以外の東北各県の農業や漁業に決定的な風評被害をもたらし、そのダメージは依然として今も続いている。

 東日本大震災からの復興が遅々としてなかなか進まない中で、資材費や人手不足による労賃の高騰という問題が関係自治体を悩ませてもいる。

 
 去る9月8日早朝、2020年オリンピック東京開催決定後の記者会見で、喜びに包まれた猪瀬東京都知事は、「オリンピック東京開催により、東日本大震災の被災地を聖火リレーが回る。少しでも東日本大震災からの復興に役立てるよう東京都としても頑張りたい」旨の見解を述べた。

 これを聞いて、おいおい猪瀬さん、「少しでも」というのはおかしいんじゃないの、とつぶやかざるを得なかった。

 なぜかって。それは、2020年オリンピック東京開催決定までの経緯に照らせば、自明の理だ。

 今回の東京の勝因は、東日本大震災を踏まえ、「 復興の加速と世界への感謝」を基本概念に掲げたことであり、「復興五輪」という開催理念が切り札になったのだ。

 マドリードの「未来を明るくする」やイスタンブールの「東西の懸け橋になる」という開催理念が説得力に欠けるのに対し、東京は、「復興五輪」を強調したことで、優位に立った。

 そして、東京開催決定への流れを決定的なものにしたのは、最終プレゼンテーションでプレゼンターのトップで登壇した佐藤真海さんのスピーチだ。

 19歳の時に骨肉種により片足を失って絶望の淵に沈んだ経験があり、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県は気仙沼市の出身である佐藤真海さん、31歳。
パラリンピック大会で、アテネからロンドンまで3大会連続して女子走り幅跳びの日本代表を務めた。

 その人が「私を救ったのはスポーツの力であり、スポーツの力とは、新たな夢と笑顔を育む力、希望をもたらす力、人々を結びつける力でもある。更にはオリンピックの価値が及ぼすスポーツの力は、被災地の子どもから大人までを奮い立たせ、ひいては東日本大震災からの真の復興を加速させる」と説いたのだ。
 
 オリンピックの価値が及ぼすスポーツの力を絶賛するこれ以上の説得力ある表現は、この世にはない。
 
 このような経緯があって、2020年オリンピックの開催都市の選考は、東京の圧勝に終わったのだ。

 だから、猪瀬東京都知事は、「オリンピック東京の開催により、東日本大震災の被災地を聖火リレーが回る。少しでも東日本大震災からの復興に役立てるように東京都としても頑張りたい」などという、「少しでも」論でなく、東日本大震災からの復興を完全に実現させる旨を断言しなければならないのだ。

 「オリンピック東京の開催により、東日本大震災の被災地を聖火リレーが回る。その際に全世界に喜んでいただけるよう、東日本大震災からの復興を完全に実現させるべく、東京都としても全力で頑張りたい」と言うのが正解だ。

  
 もし、7年後のオリンピック東京の開催時点で、東日本大震災からの復興がろくに実現していないなんてことになったら、どうなるか。

 そうなったら、安倍首相や猪瀬東京都知事をはじめとするオリンピック東京の関係者は、オリンピック東京招致のために東日本大震災やその被災地を利用したということになってしまう。

 それは、東日本大震災の被災地に対する背信行為であると同時に、全世界に対する詐欺行為に等しい。

 なんぼなんでも、オリンピック東京の関係者がそこまで鈍感だとは思えないし、そこまで度胸があるとも思えない。
 

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オリンピック開催について

トパーズさん

国民の70%が賛成していない2020年オリンピックを
何故開催するのか意図が理解できません。
オリンピック招致費用4000億、福島除染費用300億とも
聞いていますが、このバランスっておかしくないですか?
今やらなくてはならないのは、原発の収束と東北の復興
であり、オリンピックではないと思うのですが・・・・・

2013/09/21 09:39:29

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