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「感度」 

2013年09月17日 ナビトモブログ記事
テーマ:暮らし

 『およげ! たいやきくん』の歌は、日本国民から広く愛される昭和の名曲だ。
1975年、昭和50年に、フジテレビの子供向け番組『ひらけ!ポンキッキ』のオリジナルソングとして発表された童謡である。
 国民にいかに人気があるか。子門真人が歌う『およげ!たいやきくん』のシングル盤は、売上げ枚数が450万枚を超え、売上げ日本一のシングル盤だそうだ。

 そのたいやきくんのことだ。

 鯛焼きは、本来、鯛の焼き型に、小麦粉と餡(あん)を入れて焼いて作る。

 ここで質問する。
 鯛の焼き型なしに、この本物の「鯛焼き」とそっくり同じ立体物を造ることはできるか。

 答えは、イエスである。
 それができるのが3Dプリント技術であり、その技術を持つのが3Dプリンターである。3Dとは、3次元、つまり立体という意味だ。

 3Dプリンターは、コンピュータで本物の「鯛焼き」の3Dデータを取り込み、これを使って、本物の「鯛焼き」とそっくり同じ立体物を造り出すことができるのだ。

 立体物の材質は、石膏ベースの粉末であり、紙ではなく、粉末を固めて立体物を造り出す。

 その手順は、材質である粉末にインクと接着剤が吹き付けられ、
1回目の印刷で、平面ベースで1層目の印刷物ができ、
2回目の印刷で、平面ベースで2層目の印刷物ができ、接着剤によって1層目の上に2層目が重なり、
3回目の印刷で、平面ベースで3層目の印刷物ができ、接着剤によって2層目の上に3層目が重なり、   
という具合に、順次、立体物が完成するまで、繰り返される。

粉末にインクと接着剤が吹き付けられるという印刷を繰り返すことによって、層が積み重なっていき、立体の印刷物ができあがるというわけだ。

 立体物は、本物の「鯛焼き」に限らない。極論すれば、何でもいい。

 3Dプリンターは、コンピュータで本物のメロンの3次元のデータを取り込むことにより、本物のメロンとそっくり同じ立体物を造り出す。形も色も模様も、もちろんメロンの茎までも、本物のメロンとそっくり同じものだ。

 そのような3Dプリンターが持つ3Dプリント技術は、印刷の常識をくつがえす技術だ。

 それは、単に印刷と言うよりは、成形品を造り出すことであり、成形加工と表現する方が適切だ。

 メロンを例にとれば、本物のメロンを層ごとに輪切りにしたもの、これに相当するものを造形するのと同時に色付けを行い、次に、その上の層を造形するのと同時に色付けを行い、接着剤で下の層に接着させ、ということを繰り返して、本物のメロンとそっくり同じ立体物を造り出す。
これは、まさに成形加工だ。

 世界の製造業の歴史を振り返れば、金型が、製造業における製品の外観の優劣はもちろん、品質や性能あるいは生産性を左右する重要な要素であり、金型なくして世界の製造業は成り立たないといっても過言でない。

 しかし、3Dプリンターは、こうした言わば常識をもくつがえし、金型なしに成形品を造り出すものであり、3Dプリンターは、今後、ものづくりに革命をもたらすであろう。


 アメリカ政府は、3Dプリンターの革新性に気づき、既に、3Dプリンターの研究促進のために6,000万ドル(約60億円)の補助金プログラムを創設している。
 ヨーロッパ連合でも同様のプログラムが計画されているのだという。

 しかし、日本は、感度が悪い。日本はとは、日本政府も、政治家もという意味でだ。

 今、安倍政権がデフレと円高からの脱却や経済成長の達成などを目標に掲げるアベノミクスの成否について、なかんずく成長戦略の実効性について、世界中が注目している。

 その成長戦略では、日本政府は、3Dプリンターについて、3Dプリンターへの投資を後押しする支援措置の検討などをするのだという。

 しかし、これを見ていると、感度が悪いと思ってしまう。3Dプリンターの革新性に気づいていないと言わざるを得ない。
 大事なことになればなるほど、いつも、アメリカやヨーロッパに後れを取ってしまう。

 日本政府は、成長戦略で、3Dプリンターへの投資を後押しする支援措置の検討などといった悠長なことを言っていないで、もっと強力に取り組めと言いたい。100億円の補助金プログラムを創設したっていい。それだけの価値が十分にあるのだ。
 
 ものづくり本家の日本こそが、3Dプリンターそれ自体の技術革新と3Dプリンターの活用技術の革新に、国を挙げて取り組むべきだ。きっと、日本再生のカギになるのだから。


 平成に入ってから直ぐのバブル崩壊、その後の20年間を振り返ると、俗に失われた20年と称される期間における政治の無策ぶりが残念でならない。

 例えば、外国でも、かのフランスで、かつて少子化問題が大きな課題であったが、フランスは、それを克服してきているという。 なぜ、フランスにできて、日本にできないのだろう。

 その結果、国は、没落してしまった。

 そうした残念な結果を招いたのは、志の高い政治家いなくなってしまったからだと、政治の重要性について言及する人もいる。

 今や、政治家は、志が高くないどころか、感度も悪くなってしまった。

 政治家だけでなく、日本は、政府も、感度が悪い。今後、日本再生のために、なんとかならないものだろうか。


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