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「型なし鯛焼き」 

2013年09月15日 ナビトモブログ記事
テーマ:暮らし

 皆さんは、金型というものをご存知だろうか。

 金型とは、例えて言うならば、和菓子づくり用の菓子木型とか、鯛焼き用の焼き型のようなものだ。

 和菓子づくりに欠かせない菓子木型とは、和菓子を成形する際に用いる木型のことで、木の板に花や魚などの図柄を何種類ものノミや彫刻刀で、左右凸凹を逆に彫って作る。

 完成した木型を2枚重ね、粉、砂糖や餡(あん)などの材料を入れて、抜き出すと様々な形の和菓子ができあがる。

 江戸時代に発祥の菓子木型による桜、梅、椿、菊、薔薇、鯛、鶴などの和菓子は、可愛く、綺麗だ。
 
 一方、鯛焼きも負けてはいない。鯛焼きは、鯛の焼き型に、小麦粉と餡(あん)を入れて焼いて作る。菓子木型による和菓子よりは遅れて、明治時代から食べられている菓子の一つだ。

 金型とは、製品を量産するために作られる金属製の型の総称である。

 金型には、いろいろな種類がある。
? プレス金型は、金属材料を打ち抜いたり、曲げたりするためのもの。
? 鍛造型は、圧力を加えて材料を変形させるためのもの。
? 鋳造型は、高温で溶かした鉄やプラスチックを流し込んで、冷やして固めて成形するためのもの。

 例えば、自動車のボディーは、金属板をプレス金型によって成形加工することででき上がる。金属板という材料を金型にあてて、打ち抜いたり、曲げたりして、自動車のボディーという成形品ができる。

 電話機などの樹脂製品は、プラスチック材料を金型によって射出成形することででき上がる。プラスチック材料を金型にはめて、射出成形することで、電話機などの樹脂製品という成形品ができる。

 これらに共通する概念は、材料を型にはめて、あるいは材料に型をあてて、成形加工することにより、成形品を造り出すことである。

 金型は、製造業における製品の外観の優劣はもちろん、品質や性能あるいは生産性を左右する重要な要素であり、金型なくして世界の製造業は成り立たないといっても過言でない。


 しかし、近年、型を使わずに成形加工する技術が実用化されてきている。

 例えて言うならば、「型なし鯛焼き」である。本来、 鯛焼きは、鯛の焼き型に、小麦粉と餡(あん)を入れて焼いて作る。それに対して、鯛の焼き型なしに、鯛焼きを作るようなものだ。

 そうした、型を使わずに成形加工する技術は、何か。それは、3Dプリンターと呼ばれるものだ。3Dとは、3次元、つまり立体という意味である。

 3Dプリンターの要点を以下に記す。
 
? 3Dプリンターの持つ3Dプリント技術は、コンピュータで3次元のデータを取り込むことにより立体物を造り出す技術である。

? 立体物の材質は、石膏ベースの粉末であり、紙ではなく、粉末を固めて立体物を造り出す。

? 材質である粉末にインクと接着剤が吹き付けられ、

1回目の印刷で、平面ベースで1層目の印刷物ができ、
2回目の印刷で、平面ベースで2層目の印刷物ができ、接着剤によって1層目の上に2層目が重なり、
3回目の印刷で、平面ベースで3層目の印刷物ができ、接着剤によって2層目の上に3層目が重なり、   
という具合に、立体物が完成するまで、繰り返される。

粉末にインクと接着剤が吹き付けられるという印刷を繰り返すことによって、層が積み重なっていき、立体の印刷物ができあがるというわけだ。

 3Dプリンターは、コンピュータで本物のメロンの3次元のデータを取り込むことにより、本物のメロンとそっくり同じ立体物を造り出す。形も色も模様も、もちろん
メロンの茎までも、本物のメロンとそっくり同じものだ。

 また、3Dプリンターは、本物の「家の模型」の3Dデータを使って、本物の「家の模型」とそっくり同じ立体物を造り出す。
「家の模型」の屋根部分を取り外すと、外からは見えない家の内部までもが立体で造られている。

 つまり、3Dプリンターは、外から見える部分はもちろん、外からは見えない内部の部分まで、立体物を造り出すことができるのだ。

 鯛の焼き型に、小麦粉と餡(あん)を入れて焼いて作った鯛焼きがあるとする。本物の「鯛焼き」だ。

 3Dプリンターは、本物の「鯛焼き」の3Dデータを使って、本物の「鯛焼き」とそっくり同じ立体物を造り出すことができる。「型なし鯛焼き」の誕生である。
 
 3Dプリンターによって、粉末にインクが吹き付けられて各層ごとに平面ベースで印刷物ができるから、印刷と言えば印刷である。
 各層で平面ベースでできた印刷物が、粉末に吹き付けられた接着剤によって接着しながら、積み重なっていき、立体の印刷物ができあがるのだ。

 立体の印刷物でしょ、
 立体物の印刷でしょ、
 立体印刷でしょ、
 3Dプリンターでしょ、と言われれば、そのとおりだと答えざるを得ない。


 3Dプリンターが持つ3Dプリント技術は、印刷の常識をくつがえす技術である。
単に印刷と言うよりは、造形と塗装を同時に行う技術だ。

 一つの層を造形するのと同時に塗装を行い、次に、その上の層を造形するのと同時に塗装を行い、接着剤で下の層に接着させ、ということを繰り返して、立体物を造り出すと表現することができる。

 メロンを例にとれば、本物のメロンを層ごとに輪切りにしたもの、これに相当するものを造形するのと同時に色付けを行い、次に、その上の層を造形するのと同時に色付けを行い、接着剤で下の層に接着させ、ということを繰り返して、本物のメロンとそっくり同じ立体物を造り出す。

 それは、単に印刷と言うよりは、成形品を造り出すことであり、成形加工と表現する方が適切だ。

 グーグルの翻訳サービスを使って調べてみた。

 「加工する」は、process
 「成形加工する」は、to molding
 「3D成形加工機」は、3D molding machine
 「3D加工機」は、3D machine
 「3D process machine」は、3D加工機
 「3D molding machine」は、3D成形機
 「3D machine」は、3Dマシン

 そこで、提案する。

 呼称は、3Dプリンターではなく、「3D成形加工機」、3D molding machine、略して、3Dマシーンがいい。

 3Dプリンターの呼称よりは、3Dマシーンの呼称の方がよっぽど適切な表現だ。
名は体を現すだ、と自画自賛するものである。


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なるほど

プラチナさん

金型について良く分かりました。
成形のイメージから、3Dプリンターよりも、3Dマシーンの方が、ネーミングがマッチしてますね。

2013/09/16 00:13:37

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