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人生日々挑戦
津軽っ子たち
2013年08月12日
テーマ:人生
三度目の正直ということわざがある。
勝負事で、一度目や二度目は当てにならないが、三度目は確実であるということ。転じて、物事は、三度目には期待どおりの結果になるということの意味である。
しかし、世の中には、五度目の正直ということがあるものだ。
8月10日、世界陸上競技選手権大会がロシアのモスクワで始まった。いきなりのこの日、我が津軽のひまわり娘、福士加代ちゃんが、とうとう世界陸上というオリンピックと並ぶ大舞台で銅メダルをとってくれた。
加代ちゃんにとって、世界陸上は、5度目のマラソンレースであった。それまでの加代ちゃんが走った4度のマラソンレースの成績は、惨敗が2回で、残りの2回も成功とは言えない。
だから、世界陸上のマラソンでの銅メダル獲得は、五度目の正直だ。
加代ちゃんは、失敗しても、そこで諦めないで、また挑み、失敗しても、そこで諦めないで、また挑み、を繰り返しつつ、結局成功する。
津軽っ子、福士加代ちゃんは、良い意味での津軽のじょっぱり精神の申し子でもあるのだ。
その8月10日には、世界陸上のテレビ中継で、マラソンのスタートからゴールするまではもちろん、インタビューも含めて、テレビで観ることができた。
で、そのことをブログに綴りながら、なおも世界陸上のテレビ中継を観ていたら、夜中にマラソンの表彰式が入った。
表彰台に一番先に上った福士加代ちゃん。テレビカメラに向かって「やりました」と小さく叫んだ。満面の笑みだ。
続いて、銀メダルのイタリア選手、金メダルのケニア選手が台に上る。
やがて、ケニア国歌が流れる中、3本の国旗が上がる。
ケニア国歌が終わり、3選手が健闘を称え合い、肩を抱き合う。
その時だ。終始満面の笑顔だった加代ちゃんの目尻に、うっすらとした一筋の涙が。
その夜、モスクワまで応援に行っていた福士加代ちゃんのご両親が加代ちゃんの宿所を
訪ねた。
3人して銅メダル獲得を喜び合った。加代ちゃんは、親孝行娘だし、ご両親は、子孝行親だ。
3人は大いに語り合った。津軽の五所川原工業高校を卒業し、京都のワコール女子陸上競技部入り後の栄光や挫折について。山あり谷ありの競技人生について。
会話は、当然津軽弁でだ。
青森市のねぶたや弘前市のねぷた、もちろん五所川原市の立佞武多(たちねぶた)にも話が及んだ。
その時だ。野球好きの福士父さんが高校野球の話を始めた。その辺りの会話を以下に記してみる。会話は、津軽弁で行われたが、標準語で表現することにする。
福士父さん「加代子、高校野球甲子園大会の青森県代表は、弘前の聖愛高校だよ」
加代ちゃん「エーッ、聖愛高校って女子高だよ」
福士母さん「それが、14年前に男女共学になって、その翌年に野球部ができたんだよ」
加代ちゃん「父さんは高校野球好きだからね。応援に行けばいいよ」
福士父さん「それが、聖愛高校の試合は明日なんだよ」
そこで、目が覚めた。私は夢を見ていたのだ。
聖愛高校は、青森県大会で、準々決勝で光星学院高校に2-1、準決勝で青森山田高校に4-2、と甲子園出場常連の強豪2校を撃破した。決勝では弘前高校に4-3で勝ち、甲子園大会出場を決めている。春夏を通じて初の甲子園出場であり、創部13年目での快挙である。
津軽は弘前市にある聖愛高校は、県外からの選手はとらないのが方針である。聖愛高校の関係者は、津軽のじょっぱり精神が旺盛なのだ。
だから、今回甲子園に行くのは、すべて津軽の子どもたちだ。
そして、今日、8月11日の第三試合。聖愛高校の相手は、岡山県代表の玉野光南高校だ。
玉野光南高校は、甲子園出場は、春が2回、夏が今回で3回目だそうだ。そして、過去4回の甲子園では、いずれも初戦を勝っているのだ。なかなかできることではない。これは、強い相手だ。
こっちの聖愛高校は、なにせ春夏を通じて初の甲子園出場だ。
当然、応援に熱が入る。暑い夏が一段と熱くなる。
聖愛高校がリードして、試合が進む。聖愛高校球児の熱が上がる。応援するこちらの熱も上がる。両者の違いは、向こうが酷暑の炎天下、こっちはエアコン下。まあ、高校生とシニアの違いだから、許して貰おう。
結果は、嬉しいものだった。
聖愛高校が6-0の快勝だ。サイドスローの小野投手が被安打4の完封勝ちで、投球数は95。
打っては、1本塁打を含む10安打。しかも、失策0である。
聖愛高校のブラスバンドチームがここぞという場面で演奏していた曲がある。それは、映画「青い山脈」の主題歌「青い山脈」だ。軽快に明るくメロディが続く。いい歌だ。
昨日、8月10日は、津軽のひまわり娘、福士加代ちゃんが歴史を作った。それは、日本の陸上競技長距離の第一人者がマラソンでオリンピック、世界選手権を通じて初のメダル獲得という歴史だ。
そして、今日、聖愛高校が歴史を作った。それは、津軽の子どもたちだけの聖愛高校が春夏を通じて初の甲子園出場で完封勝利という歴史だ。
両者に共通することがある。それは、失敗しても、そこで諦めないで、また挑み、失敗しても、そこで諦めないで、また挑み、を繰り返しつつ、結局成功するということだ。
成功するのは簡単にはできない。しかし、成功するまで頑張って挑戦し続けるという努力をする人、そういう努力をする才能を手にした人には、成功が待っていてくれる。
津軽平野のど真ん中に岩木山がある。津軽の富士の山だ。
映画「青い山脈」の原作者の石坂洋次郎は、津軽の若者たちを思い描いて小説「青い山脈」を書いた。岩木山は、その石坂洋次郎がこよなく愛したお山だ。
津軽の富士のお山は、津軽の若者たちを、津軽の人たちをいつも見守っていて下さる。
そして、昨日、今日と、福士加代ちゃん、聖愛高校の野球選手、という津軽っ子たちが相次いで快挙を成し遂げてくれたことを、驚き、喜び、嬉しい悲鳴を上げていらっしゃることだろう。
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こんばんは
岩木山のことは、文通友達だった方から、どれ程美しい山かと言うのを四季の絵はがきを通じて、何度も書かれていました。津軽の方の岩木山への思いを、wasaoさんのブログを読んで改めて知る思いです。
2013/08/12 20:58:07