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心 どまり
新茶の香り
2013年06月24日
テーマ:回想
昨日実家に、母の顔を見に行きました。
玄関のドアを開けた途端、新茶の香ばしい香りが漂って来て、驚くと同時に子供の頃の思い出が呼び覚まされ、とても懐かしい気持ちになりました。
リビングに行きますと、続き間のキッチンで母がホットプレートの上で蒸した茶葉を、素手で一生懸命揉んでいたのです。
聞いてみると、先日テレビを見ていて、ホットプレートで『お茶』を作る方法を知り、庭に数本あるお茶の木から茶葉を摘み、蒸し器で蒸して、『手揉み』をしていたのです。母曰く、
「仁ちゃん(父)の作ってくれたお茶が懐かしくなってね、
作ってみようと思ったの!」
父が亡くなり38年の年月が経過しましたが、母は今でも父の事を『仁ちゃん』と呼びます。
当時としては珍しく、大恋愛の末一緒に成ったそうです。
仲良し夫婦で、二人が喧嘩をしている姿を一度も目にした事が有りません。
「私が、惚れたのよ!」
っと、よく母は可愛く粋に言っておりましたが、本当の所は父の方が積極的だったようです。
『40年前のフィルム一眼が!』や『シノブ(忍)』にも記しましたが、父と祖父は新し物好きで多趣味でした。
それも『広く浅く』では無く『広く深く』でした。
子供の頃実家では、屋敷の周りや中の通路の生垣に、お茶の木が植えられ、『お茶』も自家製でした。
我が家は農家では有りませんでしたが、八十八夜が過ぎ、田植えも終わり農作業が一段落した、梅雨に入る前の時期に茶摘みをしていました。
何故なら『茶摘み歌』に出て来る様な『茜襷に菅の傘〜♪』ならぬ『大島のあんこさん』のような、いで立ち(姉さん被りにもんぺ姿)の近所のおばちゃん達が『茶摘み』のお手伝いに来てくれていたからです。
因みに、『茶摘み』をする時に何故『茜襷』かと言いますと、『茶摘み』は繊細な作業の為、素手で茶葉を摘み取ります。その為『茜襷』で、指先の怪我をした時など、止血作用が有る『茜』成分を傷にすりこみながら作業をしたそうです。
『茶摘み」は早朝から行われ、お茶の時間(10時頃)には終わります。摘み終えた茶葉は、祖父が一人分毎に計量し、摘んだ量に応じて手間賃を払っておりました。
「ご苦労様! 来年もお願いしますよ!」
の言葉を添えて・・・。
その日の楽しみの一つは『お茶菓子』でした。
祖母は前日から『金時豆』を甘辛く煮込み、お茶うけに出しておりましたし、近所のおばちゃん達も自慢の『お茶うけ』を持ち寄り、お茶の時間はさながら『宴会』の様でした。
摘んだ茶葉を蒸す作業は母の担当でしたので、10時のお茶の用意をする祖母のお手伝いをしながら、おばちゃん達と一緒に、私と妹も御相伴にあずかっておりました。
おばちゃん達の『お茶うけ』は、おばちゃん達の『味』が有り、とても美味しく珍しい物も・・・
蒸しあがった『茶葉』は、祖父と父が交代で『焙炉(ほいろ)』の上で『手揉み』をします。
『焙炉』とは、茶葉を揉む為の台で、土台を土で作り炭を焚いた上に、揉む台を乗せた和風バーベキュースタンド(?)の様な物です。
その『焙炉』まで、何処で習って来たのでしょう!
二人の手作りでした。
茶葉が揉み上がる迄に、優に5時間以上掛かる重労働ですので、和室中に新聞紙を敷きその上に和紙を重ね、出来上がった『お茶』を広げ熱が取れる頃には、深夜になっていました。
翌日 和紙袋に小分けされた『新茶』は、お手伝いをしてくれたおばちゃん達や親戚・お得意さんなどに届けられ、自家消費分は、ブログ「♪茶〜壺 茶壺♪」に掲載した『烏瓜の茶壺』に終い置かれたのです。
暫くの間、家の中には新茶のいい香りが漂って・・・
母お手製の『新茶』の味はとても優しく、懐かしい香りに包まれ、とても和まれた一日でした。
☆ 掲載した1枚目のフォトは、『手揉み茶』サイトからお借りし合成したものです。
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新茶
私は静岡に生まれ両親ともお酒飲まない人でお茶が好きで父のお友達から
新茶のころ1年分買っていました
冷凍保存していました それで私達も大好きで心休まります
今でも色々試飲してから買います
2013/06/25 05:50:28