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孤愁〈サウダーデ〉  新田次郎・藤原正彦著 

2012年12月24日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



孤愁〈サウダーデ〉クリエーター情報なし文藝春秋

図書館の新刊コーナーで発見。
2012年11月30日第1刷発行
新田次郎氏は亡くなって何年にもならないか?
奥付きを読んで納得。
次男の藤原正彦が父親の絶筆を書き継がれた作品だという。

明治から昭和初期まで日本に住んで日本で死んでいったポルトガル人モラエスの半生記。
日本の良さを愛し、日本女性を愛し、
公職を退いた後は、
鴨長明の方丈記を真似て、亡くなった妻の故郷、徳島の日本家屋で過ごした。
眉山がたびたび出てきた。
11月に徳島に行ってきたばかりで、阿波踊りの美しさの記述など、
ほうぉ〜と思うところがあった。

今は廃れていく一方ではないかと思う日本の美風のようなものを感じた。
また当時は常識であったろう蛮習や貧しさも描かれて、時代を知るよすがともなった。

モラリスは朝ウォークを日課として、人力車より歩くことを好んだ。
また動物好きで、晩年は猫を飼っていた。
病弱な妻およねを伴って、人力車で峠を超える時、
人間ひとりの力では無理と犬にも曳かせ、もっと力を出せと鞭打つ場面では、
ついに人力車を降り、

 「犬は人間の友人」

と、犬には意味も分からぬ酷な事を強いることに怒りを露わにする。
私と同じ匂いを感じ、ちょっと嬉しかった。

女性遍歴というか、
次から次に愛するというのは、真実味に欠ける気がしないでもなかったが、
当時の男性にとっては洋の東西を問わず当たり前だったのかもしれない。
『かわいそう』→『かわいい』とういうのも、なんだかなぁ〜な感じを受けた。

晩年の孤独についての感じ方には唸らせるものがあった。
独りぼっちだと、情緒の矛先が広がらないために研ぎ澄まされ、
普通の人が気付かないちょっとした自然の移ろいに敏感になると言う。
そして、日本人は自然のあらゆるものに美を見出す感性を持っていると。

夕方、山頭火をTVやっていたが
なにやらモラリスに通じるものを感じた。

親子2代の作家が現地取材までして史実に基づいた大作だ。
汚さないように図書館に返そう。
早く、次の人に読んでもらおう。

読後、散歩で思わず目に止まった。 

およねが日露戦争の出征兵士に千人針をするシーンが思い浮かんだ。
身近にもこんな碑が残っているのだ。
読まなければスルーしていたかもしれない。





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