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平成の虚無僧一路の日記

「現代音楽」の終焉 

2012年07月12日 外部ブログ記事
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昭和39年、東京オリンピックの年は、「日本音楽集団」や
「尺八三本会」が結成され、NHK・FMラジオで「現代の
日本音楽」の放送が開始された年でもありました。
「現代音楽」の幕開けを飾ったのが、「堀井小二朗」と
「山川直春」の共作による『竹の響き』でした。
それから10年。過激化する「安保闘争」で、世の中騒然。
「現代音楽」も殺伐とした無味乾燥な曲。やたら高音や
ムラ息のような雑音、12音階が使われたりして、ノー
メロデイ、ノーリズムの“自己満足的”な曲ばかりに
なっていき、飽きられるは早かったです。

「尺八を滅ぼすのは尺八家自身。音程もリズムもいい加減な
尺八家があまりにも多すぎる。これでは尺八は嫌われる
だけだ」と、昭和20年代に苦言を呈していた堀井小二朗師も
「現代音楽」には批判的でした。

「音程もリズムも正確に吹ける尺八家が出てこないと、
尺八はすたれる、と私は30年も前から言い続けてきたん
ですよ。そしたら、ようやく出てきたんですよね。その
コンピューター尺八というのが。ところが、彼らは確かに
正確に吹くが、ちっとも面白くない。心に響くものがない。
コンピュータには“心”というものが無かったんですよね」
と。

テクニックとパワーを誇示する若手第一線の尺八家の台頭に、
堀井小二朗師は皮肉っぽく、冷ややかな視線を投げかけて
いました。それは、年寄りのひがみとも受取られなくも
なかった。堀井小二朗師は、還暦を過ぎて胸を患い、入退院を
繰り返していました。

安保闘争も沈静化した昭和47年2月。もはや過去の人と
なりつつあった「堀井小二朗」のもとに、NHKから
久々に出演依頼が来ました。そこで、堀井師は、尺八二重奏曲
『断層』を作曲します。尺八家がもっとも苦手とする12音階と
ダブルタンギングを駆使した難解な曲で、二重奏の相手は
「宮田耕八朗」氏でした。

この録音で、堀井師は「まだまだ若いもんに負けない」と
いう気概を示しました。ダブルタンギングで半音ずつの移行、
3オクターブ、フラッター、ムラ息など、とても歳を感じ
させない超絶技巧で「堀井小二朗いまだ健在なり」の気概を
示したのでした。

だが、この年の三月をもってNHKの「現代の日本音楽」と
いう番組は終了となったのです。まさに堀井小二朗の
『竹の響き』で開幕した「現代日本音楽」は、氏の『断層』
をもって終焉したのです。

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