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平成の虚無僧一路の日記

40以上もある尺八諸流、諸会派 

2012年07月06日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



「尺八には いくつの流派がありますか?」とよく
聞かれます。
「はい、大きく分けて、琴古(きんこ)、都山(とざん)、
明暗(めいあん・みょうあん)の三つです」と答える
ことが多いですが、実はどっこい、細かく分ければ、
数十もあって、それぞれ吹く曲も、奏法も、譜面の
記譜法も違います。まずは「明暗流」の諸会派から
ご紹介します。

【京都明暗寺系】

?《明暗真法(じんぽう)流》
京都明暗寺の本曲を伝えていた尾崎真龍(しんりょう)、
勝浦正山の系統。

?《竹保流》
幕末明治にかけて大阪で活躍した近藤宗悦の系統。
初代「酒井竹保(竹翁)」、二代「酒井竹保」、三代
「酒井松道」と続く。酒井竹保は勝浦正山や源雲海にも
学ぶ。

【浜松普大寺系】

?《西園(せいえん)流》
浜松の虚無僧寺「普大寺」の最後の住職 玉堂梅山に
学んだ名古屋の兼友西園(かねともせいえん)の系統。
普大寺の遺曲11曲を伝える。5世小原西園が昨年亡くなり、
現在「岩田律園」が6世。岩田律園は、父の岩田祥園から
西園流を学ぶと共に、京都の谷北無竹、浦本浙潮からも
学んでいる。


?《明暗対山流》
西園流の兼友西園の門下の鈴木対山が、京都の樋口家に
養子に行って「樋口対山」と名乗り、明治21年、東福寺
内に「明暗教会」として再興し、35世看首となった。
「樋口対山」は、浜松普大寺系統の「西園流」の他に、
琴古流の「荒木竹翁」、京都明暗寺系の尾崎真龍(真法流)
からも古典本曲を学んでいる。
明暗36世は対山の弟子の「小林紫山」。37世は谷北無竹。
昭和25年、小林紫山や谷北無竹らによって「(宗)普化正宗
明暗寺」が設立された。
(虚無僧の普化宗が政府公認となったのは、実は、戦後の
昭和25年でした。それまでの旧法制下では「尺八を
吹いて托鉢をすること」は違法だったのです)。

昭和36年には、小林紫山、谷北無竹に学んだ38世 小泉止山
(了庵)が「明暗導主会」を設立。39世 福本閑斎(虚庵)、
40世 芳村宗心(普庵)、41世 児島一吹(抱庵)、四国の
明珍宗山らの門下が、古典本曲を伝承しています。

【根笹派錦風流系】

?《根笹派錦風流》
江戸時代、津軽藩士によって吹かれたという本曲を伝える一派。
乳井月影(にゅうい げつえい)、永野旭影(武士方風)、
折登如月(町方風)の系統。「コミ吹き」「チギリ手」という
独特の技法をもつ。

?《布袋軒派》
仙台の布袋軒の系統。最後の看主は13代「長谷川東学」。
小野寺源吉、黒沢照雲、小梨錦水、浦本浙潮(政三郎)ら
東北独自の尺八奏法を築き、その中から民謡の後藤桃水が
出ている。

?《越後明暗寺派》
江戸時代の初め、加賀から越後新発田「村上藩」に移り
住んだ堀田隼人(的翁文仲と号す)を開祖とする越後明暗寺の
系統。最後の住職は15代 堀田侍川(龍志)。その弟子の
「斎川梅翁(本名藤本梅吉)」が「三谷(下田(しただ)三谷、
越後三谷とも)」と「鈴慕(下田鈴慕、越後鈴慕とも)」を
小山峰嘯に伝えていた。また神保政之助の「奥州三谷(別称
神保三谷)」は、浦山義山と引地(ひきち)古山に伝承され
今日でも、よく吹かれる曲である。


?《越中国泰寺派》
富山県高岡市の古刹「国泰寺」は、開山が紀州由良の
興国寺の「法灯派」であったことから、近年? 越中、
越後の古典尺八愛好家が《国泰寺派》を
創り、毎年6月の開山忌に虚無僧姿で集まり献奏する。

(※ニュースなどで「虚無僧寺」として紹介されるが、
 国泰寺はれっきとした“臨済宗”の寺です)。

【九州系】
?《博多一朝軒》
寛永年間に一応(一翁)が開山。明治4年の廃宗の際の
看主は17代「磯魯伯」。その後も18世 伯堂、19世 施行
(磯敬助)と続いたが、財政的な苦境に陥り所在を転々と
した。昭和26年に津野田露月らの尽力で新家屋を購入して
一朝軒が再興され、「施行」の娘の「光代」が20世「磯
一光」となった。現在は光代の夫の「磯譲山」が21世を
継承。

(※「海童道」は「博多一朝軒」の出と称しているが、
「磯一光」は「海童道なんて知りません。あの人は
一朝軒とは関係ありません」と否定しています)。

?《明暗露月派》
樋口対山、勝浦正山、浦山義山に学んだ津野田露月が
熊本に居住した。


?《普化宗・谷派》
勝浦正山(真法流)、樋口対山、長谷川東学にも学んだ
宮川如山の弟子に「谷狂竹」がいる。「谷狂竹」は、
名家の生まれでありながら、生涯を虚無僧で生きた
名物男だった。

?《西村虚空派》
谷狂竹の弟子が、熊本の「西村虚空」で「谷派2世」を
名乗った。この人も三尺六寸管を吹く傑物で、その弟子
たちが九州を中心に「西村虚空派」を名乗って、継承
している。3尺以上の超長管を「尺八に非ず、“虚竹”
である」と称し、今日の“超長管ブーム”の魁となった。


?《千笛会》
宮川如山の門下で、勝浦正山、小林紫山にも学んだ「高橋空山」
は、「谷狂竹」とはまた異質の古典尺八家だった。その弟子の
「藤由越山」(慶応卒)が千笛会を主催し、東京新宿で慶応の
後輩を中心に指導にあたっている。


(以下次に続く)

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