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陽だまりのねごと
自宅での看取り
2012年01月31日
テーマ:テーマ無し
今晩のクローズアップ現代では自宅での看取りが取り上げられていた。
『あなたの自宅をホスピスに〜地域で支える最期〜』
病院で死ぬということクリエーター情報なし主婦の友社
↑ の著者 山崎章郎医師の取り組みが紹介された。
夫が末期がんと分かった時、私は最期は家でと望んだ。
夫は病状が進んだ時、家では『怖い』と言った。
10年前の事。
医療の接点は訪問看護のナースに電話で相談することだけだった。
最終的に病院を受診して欲しいという答えが返ってきては、
一人で歩行がむつかしい痛みのある夫を病院を連れては往復した。
末期がんに介護保険適応以前のこと。
介護タクシーなどあったかなかったか知りもしなかった頃のこと。
そして一旦帰れた自宅に1ヶ月と居ることなく、最後の入院となった。
家を出る時、夫が振りかえって言った言葉は今も忘れられない。
『もう帰ることができないね。見納めだ。』
こういう地域ケアがあったなら、
あんな思いをしなくて済んだのにと、こんな特集を見る度に思う。
実際にウチの事業所でもターミナルの利用者が増えている。
まずは支える往診可能な医師の確保から始まる。
この辺りから大難産で最終的に病院搬送となる結末が多い。
手さぐりで綱渡りと言うのが正直な現状だ。
H24年度4月介護保険の改正に見なれないサービス名があった。
複合型サービスっていったいなに?
改正について、仕事の合間に読んで目が止まった。
現行の小規模多機能に訪問看護がくっついた、より医療が充実したサービスとして新設されるらしい。
まず医師、それから看護師とスタッフの確保が必須となるが、果してスタッフが集まるだろうかという懸念をもった。
介護事業で必要な看護師の不足は介護スタッフ以上に深刻で、特にデイサービス。
報酬の低さで介護より医療現場を選択されてしまうのだ。
そして、現行の小規模多機能自体が残念ながら、
各中学校区に一つと言う当初のもくろみ通りに普及していないという現状もある。
利潤というところではっきり見えてこないので、開設をためらう傾向が強かった。
小規模多機能とは地域密着型のサービスで
訪問介護+デイサービス+ショートステイとまるごとなんでも使えるまことに便利なサービス形態を持つ。
ちまちまと居宅サービス計画などという一番多い方法よりも
よっぽど良いと思うだけれど知名度も利用も少ない。
ここを紹介するということは居宅ケアマネの手を離れて、小規模多機能にすべておまかせ、
入所と同じ含みになるので、
お客を失うに等しいこの制度を
正直なことろ積極的に我ら居宅ケアマネがPRしない事も普及しない一因と言えなくもない。
クローズアップ現代で映し出された理想の実現に、
この複合型サービスはぴったり充てはまる。
訪問介護+デイサービス+ショートステイに訪問看護に医師の支え。
もう言うことはない安心感がありそうだ。
しかし、実現までのハードルの高さは並みでない気もし、
絵に描いた餅?のおそれも無きにしも非ずではあるけれど、
少しづつ少しづつ理想型が現実のものになってきている兆しが見えると思いたい。
夫の死から10年。
今ならもっと何か出来た?
当時、数少ない緩和ケア病棟での最期はあれはあれであの時、最善の選択だったのだ。
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