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作品名 アカンタレの話(48) 評価 評価(1)
タイトル アカンタレの話(48)
投稿者 比呂よし 投稿日 2014/02/12 10:33:39

+++ついでの事に、社長のなり方も教えた。「大人
のメルヘン」は、これでお仕舞いである。しかしな
がら、女が絡んだ多少の蛇足があるーーー。

48.バツイチ子持昆布

 日頃から親しくしている「清く・正しく・美しい」
タカラヅカ生まれの女友達がいる。もてないからでは
ない、近年はやりのバツイチだから、そんな事情で止
む無く三十八で独身なのである。中二の女の子が一人
いるから、「三十八バツイチ子持ちコンブ」という長
いあだ名を付けてやった。本人には言わない。

 地区のママさんバレーのキャプテンで、立ち姿はス
ラリと高く、黒いシマシマのタイツをはいている。お
尻も丸みがあって適切に出ているから、見るとワクワ
クする。触ったら、触られた本人よりも触った方がド
ッキーンとなる位に立派。けれども、何処かのシマウ
マみたいに、それ位の事で私を後足で蹴ったりはし
ない。

 さて、先の長い話を「子持ちコンブ」へした。した
場所はベッドか喫茶店かなどは、本題から外れるから
詮索しないで貰いたい。
「貴方は人生の謎が全部解けた風に言うけれど、未だ
半分しか判ってないよ」と言って、彼女はこんなロマ
ンチックな物語を私へ付け加えてくれた:

「小学ニ年のその同級生だけれど、女の子は一年生の
時から山道を歩いていたのねーーー」
「一年生での山道は、怖かったろうなーーー」
「一人っ子だったと言ったかしらーーー?」
「ああ、あの喫茶室のお婆さんが、そう教えてく
れた」

「学校から帰っても兄弟は居ないし、外で遊ぶにして
も友達も居ないわ」
「独りで、山のどんぐりでも拾ったんだろうよ。猿は
いなかったと思う」
「二年生の時に学校の帰り道に男の子に話し掛けられ
てーーー、山道を同道してくれるなんて初めての経験
だったのよ。友達が居なかった女の子にしてみれば、
嬉しかったと思うわ。それだけの理由で、男の子を好
きになったーーー」
「うむーーー、でも無口な子だったよ」

「好きになるのに、それ以上の理由は要らなかった
わ。その証拠に、女の子の家まで回り道して帰ると男
の子が言った時に、彼女は嫌と断わらなかった」
「なるほど確かにーーー。好きになった立派な証拠
だな」
「女が、男を受け入れたのよーーー」
「ヘンにませた言い方だねえーーー、君は時々そんな
言い方をする。彼女は小ニなんだぜ」
「そんなのじゃないわ。彼女の家には、茶店だから、
玄関なんて元々無いのよ」
「ーーーー?」
「彼女は、男の子を家で、つまり店で歓待する積もり
だったのよ、初めっから。玄関先で追っ払うのではな
くて」 
「ーーーー」

(つづく)

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