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2023年09月15日
テーマ：テーマ無し

国立感染症研究所によると，国内では，オミクロン派生株の「EG.5.1(通称エリス)」は，8月14〜20日時点で解析した193検体のうち10.88%だったが、9月11日の週には58%を占めると推計されているという．XBB(通称ケルベロス)を凌駕したようだ．



現在流行っているXBB株やEG.5株に対しては，現在の二価ワクチンが一定の感染抑制効果を示していて．特に重症化予防効果ははっきりしている．したがって，前の接種から半年以上経っている方は、秋から出るXBB用ワクチンによる追加接種をしたほうが良いでしょうとのこと(宮坂昌之名誉教授の9月4日のFBより)．















　　　　　Voyages m?morables avec elle, II...
　　 　 　Leica M+Summilux-M 50mm F1.4 Asph. LHSA














昨年のFBへの元大阪大学の宮坂昌之名誉教授の投稿ですが（2022年6月15日），ワクチン接種による死亡について触れています...



　『未だに反ワクチンの方々は「ワクチン接種で体内に出来るスパイクタンパクは『血管毒』で、心筋炎や血栓、梗塞などの循環器系の不調を引き起す」と言っています。　　　　　　　　
　しかし、この説の基となっている動物実験で用いられたスパイクタンパク濃度は生体内で得られる濃度の約1万倍ととんでもなく高いものであり、動物実験としてはきわめて不適当なものです（これについては既に拙著「新型コロナの不安に答える」（講談社現代新書）で説明しています：213ページ）。



　また、国際通信社ロイターがこの「スパイクタンパク＝血管毒」説を独自に検証し、やはりこれが誤りであると判定しています（https://www.reuters.com/.../factcheck-vaccine-safe...）。つまり、この説は正しくありません。　



　ただし、少し気になるのは、新型コロナワクチン接種により、極めて稀ではありますが、若い男性に心筋炎の発症が見られることです。
そこで、いろいろと文献を調べてみました。すると、ワクチン接種後発症心筋炎に関して過去約70年間に発表された英語論文についてメタ解析を行っている仕事がありました(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9000914/：表紙を下に示します)。シンガポールの研究グループによるものです。
　それによると、なんと、新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンでは、接種後の心筋炎の発生率には統計的な有意差はなく、どちらにも一定程度の心筋炎が発生していることがわかりました（100万回に30〜50回程度）。
　そしてワクチンの中では天然痘ワクチンで心筋炎の発症率がぐんと高いことがわかりました。そこで、その元の論文を調べてみました（https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25793705/）。アメリカの現役軍人（平均27.8才、男性が88．4％）で調べた結果です。すると、天然痘ワクチン接種後に呼吸困難や胸痛を訴えた事例ではかなりの頻度で心筋炎が発生していました（心電図と血清トロポニンＴ値で確認）。
　以前に行われたインフルエンザワクチン接種の場合と比べると（対象が少し違って、平均29.3才、男性が54.0％）、天然痘ワクチンでは100倍以上心筋炎の発生率が高かったとのことです（ただし、これが調査した集団の性や年齢構成が違ったためなのかは不明：天然痘ワクチン接種の集団のほうに若年男性がずっと多かった）。　


　以上まとめると、ワクチン接種後の心筋炎は、新型コロナワクチンだけで見られるのではなく、他のワクチンでも見られます。つまり、これはmRNAワクチン特有の問題ではありません。そして、新型コロナワクチンとそれ以外のワクチン（天然痘ワクチンは除く）では、心筋炎の発生頻度には大きな差が見られず、ただし、天然痘ワクチンでは心筋炎発生率がかなり高いようです。　


　今後は、なぜ一部のワクチンでワクチン接種後に心筋炎が発生するのか、そしてなぜそれが若い男性に多いのか、について明らかにすることが必要です。繰り返しになりますが、これはmRNAワクチン固有の問題ではありません』。

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