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『あきらめのよい相談者』 読書日記252 

2023年08月31日 ナビトモブログ記事
テーマ:読書日記


剣持鷹士『あきらめのよい相談者』創元推理文庫

1冊50円という古本市で見つけた本。2005年出版であった。

内容紹介は
開業を夢見る若き弁護士の僕は法律事務所に勤めている。人の数だけドラマがある、ましてや弁護士に持ち込むのだから、というわけでもなかろうが、ともすれば理解に苦しむ依頼にぶつかる。こういう場合に重宝なのが友人のコーキで、彼の端倪すべからざる推理力には高校時代から舌を巻くばかり。あきらめがいいんだか悪いんだか判然としない客のことも、飲みながら話すうちに…!第一回創元推理短編賞受賞。

少し具体的に書くと
妙な相談を持ちかけながら断られるとすんなり帰っていく「あきらめのよい相談者」、事件ではないが、いつも同じ時間に2階に止まっている「規則正しいエレベーター」、離婚裁判で最初から手の内を明らかにしてしまうような「詳しすぎる陳述書」、何度断ってもちょっとずつ角度を変えてしつこく質問する「あきらめの悪い相談者」の4編。

最後の短編はこの「あきらめの悪い相談者」が誰かを殺傷したというラジオニュースから、始まるけれど「一体被害者はどんな人なのか?」という謎を考える。ただ、推理はなされるけれど正解かどうかは示されない。

内容的には「日常の謎」に「安楽椅子探偵」が混じり合ったもので友人のコーキが探偵役を務める。語り手であり、いそ弁のボクこと剣持鷹士が語る事件未満の案件の謎を解き明かす。ところで、このボクの名は著者名でもあり、著者は現役の弁護士である。もっとも続編が無いかと検索して見たがどうやら本職の方が忙しいらしく本作のほかに短編が数編あるだけだそうだ。
(2023年8月16日読了)



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