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見る事、見られる事の感情の流れ「燃ゆる女の肖像」 

2022年10月15日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


「燃ゆる女の肖像」 2019年 フランス 原題:Portrait de la jeune fille en feu セリーヌ・シアマ監督の「燃ゆる女の肖像」を見たので、今回はそのことについて書きます。ネタバレ含んで書いているので、内容を知らずに今後見る予定の方はパスしてください。18世紀末のフランス。プロの画家である女性マリアンヌが、島に住む伯爵夫人から娘の貴族との縁談の為に肖像画を描いてほしいと頼まれる。マリアンヌは、夫人の屋敷に住み込みで絵の創作に打ち込んでいく。マリアンヌは、娘のエロイーズが絵を描かれることを拒絶するなら、絵を描いていることを隠しながら伯爵夫人の友人を装い記憶だけで描こうとする。海辺に散歩にいっしょにでかけてエロイーズを見ながら、心のなかでとなえる。『髪を上げ耳の軟骨の形を観察すべきだ。温かい色合い、透明感、中央の穴は力強い。その肌の色は昼でも頬に比べ控えめだ』キャンバスにそのエロイーズを観察した記憶をやきつけていく様子が興味を引いた。画家のマリアンヌは、絵を描くときの表情に緊張感があり、画面に独特の張り詰めた空気感を感じさせる。そしてまた、描かれるエロイーズも目力があり、画家の視線を跳ね返すような圧迫感を持つ。描くマリアンヌも相当のエネルギーが必要だ。そのような二人の緊張感の緩和剤になっていたのが、使用人の若い女性。エロイーズとの初対面の様子を「どうでした?」と聞かれたマリアンヌが「私の前を歩くし浜辺では一人を好む」「一度も笑わないの」と、彼女に同意を求めた想いを言うと「お互いさまでは?」と返され、あ互いに見合った状態で微笑んでしまう。絵を描く上でのモデルを見る事、見られる事、描くこと、描かれることの緊張感からお互いへの愛情に変わり、笑顔に変わる。絵を描く場面の変化の様子が二人の言葉以上の感情を表現していた。また、三人で夜の浜辺に行き、女性ばかりが集まっている「焚き木の会」に参加する。突然スキャットが始まる。じつに綺麗な声で奇妙な味わいが残り幻想的でもあった。奇妙なお祭りのような会が何を意味するかわからないけど、映画「ミッドサマー」を想いだしてしまった。その後、マリアンヌとエロイーズは洞窟で初めてキスを交わし、二人の友情は愛へと変わる。二人はそのまま一夜を共にした。絵を完成させることは、マリアンヌとエロイーズの友情を超えた愛の別れを意味する。マリアンヌは、エロイーズが他の男のものになることを恐れ、この絵を消したいと言い出し、二人は口論になる。ラストは結婚した後のエロイーズをマリアンヌは偶然に音楽会でみつける。オーケストラが二人の思い出の曲であるヴィヴァルディの「四季」の「夏」を奏で始める。エロイーズは、マリアンヌの方にあえて視線を向けずにステージの方へ向けた視線を変えない。 エロイーズの涙の表情と笑顔に変化するその表情のアップが続く。この行為は、物語の途中に出てくるギリシャ神話に登場するオルフェウスの物語の、「絶対に振り返って愛しい人の姿を確認してはいけない」に繋がるのか・・・・・・・・。と、ここまで書くと没頭して映画を見続けたように読んだひとは、思ってしまうかもしれないが、映画の物語の流れが静かすぎて芸術的すぎて、少々疲れてしまい、ぼくはくじけて2回に分けて鑑賞した。最後のエロイーズの顔のアップの時間、少々長すぎると感じたけれど、映画の画面,画面がとても綺麗で心に残る作品となった。 

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