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映画「護られなかった者たちへ」 

2021年09月22日 ナビトモブログ記事
テーマ:映画

中山七里原作による同名小説の映画化。ミステリーとしては本年度超一級の完成度を思わせる作品であった。
東日本大地震。家族を失った者、家を失った者が寄り添う避難所の中で、孤独な女の子と、その子をかばうひとりの青年。その傍で二人を温かい目で見つめる老女。やがて避難所から息抜きを兼ねて、壊れずに残った老女の家で三人で時々過ごす間柄になった。
やがて、女の子は里親に引き取られる。青年は茨城への就職に向かう。
「おかえりなさい」と死ぬ間際に書き残し、老女は孤独なまま餓死する。その後、連続殺人事件が起こる。

震災、孤独、貧困。様々な問題が街に深い傷を残したまま、そして人々は苦しみながら10年の歳月が過ぎたようだった。「護られなかった者たち」の魂の叫びが聞こえるような、そんな映画だった。

刑事・笘篠役の阿部寛、孤独な青年・利根を演じる佐藤健のほか、清原果耶、倍賞美津子の演技は秀逸。
10月1日より全国公開 試写により視聴



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