生命系の進化論

食欲 最後 

2021年04月09日 ナビトモブログ記事
テーマ:生命系の進化論

無礼講だとか言いながらも、提灯持ちにもなれず、ねくらな御機嫌伺いの形となる。提灯持ちは彼等が来るごとに、彼等にも調子よく話しかける。そして、部長の飲酒を助け、健康を守り、明日の会話を作っていく。

宴会は無礼講とは言うものの、誰も酔う事の醜恥を、明日の会話の材料にされたくないので、美味しく食べ、飲む事ができない。そうこうするうちに、幹事の「おひらき」の声が聞こえ、酔いどれ者達の演出が終わり、本番の二次会、三次会へと向かう事となる

僕らは、「“カラオケ”中心の二次会は、遠慮して喫茶店に行こう。久し振りに エリ−ゼか、ズカにしよう。エリ−ゼは純喫茶、ズカはパブ。アルコ−ルが入っていては、ズカしかないな。ズカにいこう。」何処からか、学生達の酔いにまかせた、荒城の月の歌声がきこえる。

歩きながら、いい気持ちなのだろう。私にも経験がある。定期演奏会も無事に終えて、夜遅く4、5人で荒城の月を歌いながら歩いていた時だ。外人までが「私も、入れてください。」 酔った勢いで、“植生の宿、椰子の実、帰れソレントへ、・・・、夜中の2時、3時と時間を忘れ、世界中のカントリーソングを、歌い尽くした事があった。

通り過ぎる人々は、うるさいアホどもと思ったか、懐かしいなと思ったか、それは知らない。この事を皆に語るべきか、僕だけの胸にしまっておくべきか、考えているうちに、ズカについた。

ズカは半地下と2階からなっており、ライトは柔らかくて、隣の席の顔がわかる程度で、それより遠くでは、男と女の判別もできない。しかし、ざわざわした生温かな雰囲気は、人で混雑している事が明白だ。恋人同士が、うっとりしているのだろうか。我々と同類の酔いさましか。あるいは、商談の接待、きな臭い陰謀等の相談・・・。しかし、ズカの薄暗い空間は、人生の喜怒哀楽を、すべて飲込んで、時が流れている。



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