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吾喰楽家の食卓

中席のサプライズ 

2018年07月14日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

お施餓鬼の日は、生家に泊まった。
翌日の昨日は、国立演芸場七月中席である。
トリの柳家小さん(6)は、テレビでお馴染みだった先代小さんの長男だ。
団体客が入っているのは知っていたが、今回の顔ぶれで、ほぼ満席なのを不思議に思っていた。
その訳は、国立演芸場へ着いて分かった。
中学高学年と思しき男子生徒が、一階ロビーに大勢居た。

生徒より少し遅れて、場内へ入って驚いた。
四列目から最後列まで生徒で埋まっていたから、その数、二百四十人に近いはずだ。
女子生徒の甲高い声がないから、ざわざわしてはいるが、案外、うるさくなかった。
開演五分前のベルが鳴らず、開演中の注意事項の場内放送もないまま、いきなり幕が上がった。
中央に置かれた太鼓の脇に前座、上手側に座ったお囃子の姐さん、下手側に進行役の柳家緑君(二ツ目)の三人が並んでいたので、再度、驚いた。
前座の持ち時間を利用した、サブライズ(お囃子教室)ということは、直ぐに分かった。

緑君による、メンバー紹介から始まった。
そして、のび太君に風貌が似た、桃月庵ひしもちが、太鼓を披露した。
開場の合図となる一番太鼓は「ドンドンドンと来い」、終演時の追い出し(打出し)は「出てけ出てけ出てけ」と聞こえるように叩く。
次に、お囃子の金山はるが、出囃子を披露した。
緑君が募ったリクエストで、柳家花緑、柳家喬太郎、桂歌丸の三人の出囃子だ。
日頃、御簾ごしに三味線を弾いているから、名前は知っているが、顔を知らない、はる姐さんを見られたは、この日一番の収穫だった。

最初から分かっていたが、廓噺や泥棒が登場する噺は、絶対に高座へ上げない。
云うまでもなく、中学生に配慮してのことだ。
今回の演題は、『初天神』、『時そば』、『反対車』、『船徳』、『まんじゅう怖い』、『茶の湯』と、お馴染みの滑稽噺が揃った。
出演者で印象に残ったのは、中入りを勤めた柳家小はんである。
大きなはっきりとした声で、ゆっくりした独特の調子で口演したのは、補聴器の愛用者には嬉しい。
初めて見る噺家が会えるのも、落語が飽きない理由の一つだろう。

   *****

写真
7月13日(金)の国立演芸場一階ロビーと日程表



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