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<心に成功の炎を>80 

2018年07月09日 ナビトモブログ記事
テーマ:中村天風<心に成功の炎を>

 体の中にあってはいけない食べ物のかすを 大便・小便で出す排泄作用。それから だんだん年とともに成長期がくりゃ成長期 成長期がとまれば今度は その生命を保ってる保生期があって 保生期が過ぎりゃ 今度は更年期がくるというふうに 生命がだんだん年限とともに移り行くときに その生命の中で働いているいろいろな働きをこの自律神経はもっている。内臓の各器官の働きも全てこの自律神経。
 あなた方はそうやって 自分の内臓の中に 寝た間も休まず働いてくれている不思議な活動を意識してないでしょう。のどもと三寸過ぎれば暑さ忘れるたとえのとおり グッと飲み込んじゃってから しりの穴から出すまでというのは 全然あなた方 腹でも痛いとか 食いすぎでもしたとき以外には そりゃもう感じないもの。それともあれかい さっき食べたウナギがおれの胃から小腸へ移ったとか いま 十二指腸へを通ってるとか 意識しますか。
 一椀の水 一杯の飯を食った場合でも のどもと三寸過ぎちまえば もうあとは自律神経がすべての仕事を受け持ってくれる。神経の仕事というものを考えてみると まあ本当に どういう知恵でこれができたのかと思うくらい不思議だぜ。
 わかったことでも あなた方はありがたいことでを忘れちまう。当たり前と思って 少しもそれを感謝してないかもしれないけれども たとえば食べ物を食べる 第一食べたいという気持ちが 最初にでたときに あなた方 それをありがたいと思わない? 病気して食欲がなくなったときに きっとそう考えると思うなあ。
 私は今まで どんな病気の時でも 食い物を食いたくないっていうことはなかったけれど。あるそうですなあ 何を食わせようとしても食わない病人が それは医者が一番よく知ってるわ。
 <何か食べたいものない?>
 <何にも食べたくない>
 <食べずにいたらいけないよ。食べなさいよ。何か食べない?>
 <いいや 食べない>
 そういう人を考えたとき 何でも食べられる人間は幸福だとは思わないかい?
 あなた方は<冗談いっちゃいけない。食いたいと思うからこそ苦労してんだ ほんとにもう。せめて 何にも食いたくなくなったら さぞよかろう>なんて思ってる人があったら 罰当たりだぜ。
 食べたいなあという気分が出ると まだ何も食わないうちに 不思議なるかな 口の中には 食べ物がきたら直ちに溶かしてしまおうとする特別の粘液が出てきてるんだ。唾と称するもの。それで口の中へ入れると 直ちにアンニャモンニャ 上と下の歯でもって これを細かく砕きだす。すると 多々ますます舌根から唾液の分泌が旺盛になる。だから あの唾が出なかったら あとから水で流しこむとかしないと 飲みこめませんぜ。それだけ考えても ありがたいと思わないかいな。これも自律神経のおかげだがな。
 胃の中に飲み込んじまった。すると直ちに この飲み込んだものをどろどろした麦芽糖状態にするために 今度 胃はひとりでに働いてるんだ。あなた方が動かしていないだろ。自律神経がみんなやってるんだ。
 それから膵臓 脾臓 肝臓から 消化液が分泌され 十二指腸という細いところを ドロドロしたもので流して通して それで小腸へ送って 小腸から大腸へ送るときに 血となり 肉となり 骨になるものをみんな吸いとる。
 それで 吸いとるだけ吸いとって 吸いとれない 養分にならないものは どんどんこれを小腸へ送って 直腸へ送ると 直腸にはパーキングする場所がないから そのかすがたまっちまうと 今度は自律神経のほうから中枢神経のほうへ<おい もう満員だよ。出してくれないか>すると トイレに行きたくなる気分を感じる。あれは自律神経のほうから ああいう気分を感じせしめられるから感じるのよ。ひとりでに感じるように感じるでしょう。
 だから考えてみると ありがたいもんだね この自律神経というのは。しかも 大脳の監督は受けてない。監督を受けてないから 生きてる限り 夜寝てる間でも働いてる。

―続くー



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