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<心に成功の炎を>63 

2018年06月19日 ナビトモブログ記事
テーマ:中村天風<心に成功の炎を>

 今昭和42年当時) 週刊誌でもってしばしばあなた方が目にとめられるあの新しい3万5千円のヨットね。あのアメリカのヨットを日本で販売しようとする人が 私のところへ来て
 <先生 こういう話があるんですがね やりましょうか やりますまいか>というからね
 <おれが仕事すんじゃねえぞ。おまえが仕事するんだ。おまえ 自分のする仕事を人に聞かなきゃわからないようならやめろ>
 <いえ ただ この仕事が果たして日本で成功するか しないかということを先生の霊感に求めるんです>というから
 <それはおまえのやり方ひとつだ>
 <どういうふうにやりましょう>
 <まず第一番に 金儲けするというつもりになるな>
 <商売人が金儲けするつもりにならなきゃ どうするんです?>
 <損をしないつもりでやれ>
 <あ そうか>
 <金儲けをするつもりになるな 損をしないつもりでやれという意味は 最初2、3年は 日本の財力の乏しい青年たちに ヨットの楽しみを安価で与えてやるという気持ちで この商品を提供しろということだ> 
 <わかりました じゃあ結局 儲けようと思わなくていいわけだ>
 <そうだ。
 <ところが 先生 まあ打ち明けた話が 先方じゃ この製品に対する権利料としてヨット一隻につき5千円くれればいいって言うんです。ヨットの売値が35350円なんです。そこから権利料の5000円を引くと 3万なにがしか儲かるんですがね>
 <その儲けね 少なくとも6割から7割 エージェントにやれ>
 <はあ>
 <はあじゃないよ。たとえば エージェントにやる金を少なくしたって 広告料が入るだろ 広告料が。それを エージェントにうんと儲けさせてやりゃ エージャントが自分のほうで広告するがな。売れなきゃ困るから>
 <ああ なるほど>
 そうしたら まあほんとうに 驚くほどの売れ行きだもんね。そうしたら 気違いのようになって喜んで 私のところに来て
 <先生 儲けるなって言うけど ガンガン儲かる>っていうから
 <儲かるのを何も銀行預金しなくたっていいじゃねえか。今年 来年と2年は儲けるな>
 <だって それだけの金が余ります>
 <ドンドン ドンドン それをエージャントにやっちまえ。もともとおまえの金じゃない。世間から集まってきた金だ>
 そうしたら <それじゃあそうします>といったら またドンドンドンドン金が入ってくるという。そして
 <金が入ってきて困っちゃったから 先生の会館に寄付します>っていうんだ。
 <そんなものいらない。おまえなんかから もらわなくたっていい。ま とにかく1,2年はそういうふうにやっていけ>
 いま驚くほどの金が入ってきている。どこまで一体この金が伸びるか。そうしたらまた さらにいろいろのことを考えてやろうと思ってますが。
 自分で言いながら 自分で不思議に思ってる。こうしたら儲かるだろうかと ああやったら損はしないだろうなんて思いやしないもん。ただ 自分の頭から泉が湧くがごとく 袋の中のものを取り出すように出てくる考えを言っているだけなんだ。それが 心理にちゃんと順応している。
 こればかりじゃないよ 病もっている人の前に座れば すぐ <あ この人 腎臓をわずらっているな>とか あるいは 糖尿病とか 心臓だとか 脈なんかとらずにすぐわかる。
 私の家庭なんてのは しょっちゅうそれでもって生活してますから あんまり言葉を使いません。電話が リリリーンと鳴る。<お 柳井さんから電話だぜ>。そう感じるままを言えばいい。そうすると 家族が<ああ 柳井さん>といって 柳井さんと話してる。それを私の家庭じゃ不思議だと思いません。ところが あなた方が私の家庭に来ると 不思議に思いますね。
 ただね この頃は少なくなったけれども最初のうち <先生 あれですか 先生が何かをパッと当てるときには 当てるときの気持ち どんな気持ちですか>とか<相手が何も言わないのに 相手の気持ちがフワッとわかるときの気持ちはどういう気持ちですか>と聞く人がある。この気持ちは説明できませんよ。 言論を持って人を導くことを自分の尊い仕事としている私でも これは全然できません。それはあなた方だってできないよ。経験したものでしか知らない感覚なり あるいは感情というものを そのままそっくり伝えることが断じてできないということと同じだ。
 
 私がはじめてインドでライスカレーをごちそうになった時の話。

―続くー



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