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たかが一人、されど一人
読後感「北方領土交渉秘録―失われた五度の機会」東郷和彦 著
2011年05月12日
テーマ:テーマ無し
元役人の回想録としては出色で、読みごたえもある。表現に文学的センスを感じるし文章的にも優れ、読み物としても面白い。ハードカバーの初版は2007年5月だから出版以来4年経過している。外交官としては名門の出ながら、悪名高い鈴木宗男議員や外務省のラスプーチンと言われた佐藤優氏と一蓮托生で検察に睨まれ、暫しヨーロッパへの亡命を余儀なくされた後に帰国。最初に出版したのが本書らしい。学生時代から外交官を目指し、23歳で入省以来一貫して当時のソ連からロシア関係畑を歩き、役人生活の全てを対ロシア外交に捧げた人生と言っても過言ではなかろう。最終的にある種の政争と絡んだ何処の役所にも存在するつまらぬ派閥争い見たいものに巻き込まれたのは可哀そうだし、本人も極めて残念であった筈だ。同様の意味で実際に監獄に落ちる羽目になった鈴木、佐藤両氏はもっと不幸かもしれない。むしろこの本を読むと、最も不幸なのは我々日本国民かもしれないとさえ思えてくる。これまでよく理解できていなかったのだが、北方領土交渉には2島先行返還論と4島一括返還論と国論を二分する対立があり、著者たちのグループは一般的に前者とされてやや売国的に扱われていたらしい。小生はそもそも戦争で取られたものに是非もあるまいし、事の善悪を論じても始まらないだろう。ましてや交渉事で「はいそうですか」と返ってくる筈は100%無かろうと、北方領土問題に対する関心はゼロだった。しかし本書を読み終わって、もう少し真面目に考えなくてはと反省もした。著者はこう述べている。「国家の大本は領土と国民である。北朝鮮に依るに日本人拉致に対する国民的関心は、国民に対する国家の責任の問題を提起している。同様に北方領土問題は、領土に対する国家の責任をどのように果たしていくかという問題であった。」著者は35年に亘る役人生活の大部分を、その国家を背負って領土問題に一貫して取り組んできたことが伝わってくる。領土問題と言った重い国家の責任を最終的に果たす事が出来るのは政治家しかいないし、官僚の掌で政治家が踊らされるのは良くないかもしれない。しかし、領土問題がくるくる変わる総理や大臣の思いつきで出来る仕事で無い事も確かだ。従って、著者のように何十年も領土問題に取り組んできた官僚が、大臣以上に鈴木宗男氏を頼った事は当たり前と言えば当たり前。一時は大臣でさえ鈴木氏を頼らざるを得なかったのも事実だろう。どこでどのような力が働いたのかは分からないが、これを罪人に貶めて牢屋にぶち込んでしまうのも恐ろしい事かもしれない。エピローグからもう一つ引用しておきたい。「特にオピニオンリーダーや、世論の形成に影響力を持つマスコミの中で、領土問題を自分の問題として真剣に考えてきた方々は、この問題に関心を持つ持つ日本人が如何に少ないか、よくご承知だと思う。」要するに歴史も交渉の難しさを知らずして、右翼のアジが如き正論ぶった論陣を張るのではなく、冷静な議論を求めて本書は締めくくられている。九仞の功を小泉内閣の川口外相が「4島一括以外はあり得ない」と声高に宣言した事で一簣に虧いた、と言いたかったに違いない。
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