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<心に成功の炎を>20 

2018年04月30日 ナビトモブログ記事
テーマ:中村天風<心に成功の炎を>

 この間も 北原西望君(彫刻家・長崎平和記念像製作者)が 私が大理石に獅子を彫ったのを見て
 <これ 先生がこしらえたんですか?>
 <うん>
 <私もずいぶん彫刻やってるけど 大理石はまだ手にかけたことないんですが よくやりましたねえ>というから
 <だって おまえ 動かねえものをこういう形に作るぐらいのことはできらあな。動いてる獅子をとっつかまえて これを凍らせちまうとか何とかはできないかもしれないけれども>
 とは言ったものの そういうふうなことができるようになったのも 結局この毎晩の自分の心を誘導する暗示の効果だもん。
 とにかく だれでもが一角の人間になれるようにできてる自分を もったいない。しんじゃっちゃあ 身もふたもないんだぜ。生きてる間にこの方法をおやんなさいよ。
 
 それから 昼間 人生に生きてる際にも できるだけ明るく朗らかに いききとして 勇ましく 心得を変な状態にしない心がけを実行しなさいよ。
 <腹が立つから腹が立つんだ 心配があるから心配するんだ>じゃいけないんですよ。できるだけ明るく朗らかに いきいきとして勇ましくという精神態度が重要なんです。
 それには 何べん言ってもけっして言い足りないというほど感じられるが 人間が人生に生きる場合に使う言葉を 選択しなきゃだめなんですよ。一言 一言に注意してもいいくらい いくら注意しても あなた方はヒョイと気づかずに消極的なことを言ってますぜ。
 とにかく 習いは性でありますから 人と口をきくときでも <まいった><へこたれた><助けてくれ><堪忍してくれ><困っちゃった>なんてことは言わないこと。
 あくまでも自分の心というものを颯爽 溌剌たる状態にしておくためには 今言ったような消極的な否定的な言葉はだんぜん用いないこと。
 このごろよく変な言葉がはやってるね。不得手なことや嫌いなことを<おれは弱いんだよ>と言いますね。<おれはあれだ 酒に弱いんだよ>とか<女に弱いんだよ>とか あるいは<おれは競輪に弱いんだよ><おれは競馬に弱いよ>という。ああいう言葉を はやり言葉だからといって すぐまねをしちゃだめなのよ。
 何かそれをどうしても言いあらわしたかったならば <おれは強くないんだよ> これでいいじゃなねえか。<弱い>より<強くねえ>ほうが<強い>という言葉があるだけでも 自分の気持の中に響きがくるんで <物言えば唇寒し秋の風><丸い卵も切よじゃ四角><ものも言いよじゃ角が立つ>だろ。
 あなた方が たとえまじめな話でなく 冗談話をしてるときでも 私と話をしてるとなんとなく気分が浮き立つように積極的になるというのは 私の言葉が どんなことがあっても 否定がなく 悲観がなく 消極がないからなんだ。
どんな場合があっても 聞いてて あなた方があなた方の心を暗くするようなことを 私の口からはけっして言いませんよ。それは 私はあなた方の心に 魂に 毒薬を飲ませたくないからですよ
 どんなひどい病でも 私が診たときには
 <先生 いかがでしょう>
 <大丈夫。安心してな。おれが治してやるからな。自分で自分の病のことは考えない。すべて病は先生にお任せする。いいかい>
 今まさに死のうとしている人間でも そうした言葉でもって どれだけ多くの人がよみがえってるかわからないんだぜ。
 ところが あなた方となると 医者と共謀して病人を殺しちゃうね。医者がだめだというと <ああ そうですか>もうだめだという気持でその病人に接触するから 箸の上げ下ろしもだめだというようなことで <何か死ぬ前に言い残しておくことないか。郵便貯金を隠してないか。みんな言い残しておいてよ>なんてね。
 実際 言葉はどこまでも気をつけなきゃいけない。言葉ばかりは どんなに気をつけても 気をつけすぎて困るということはないんだから。あなた方は 言わなくていいことをずいぶん言ってる場合がありますよ。
 ちょいと何かしてるときでも <ああ あれやったらやり損なっちまうな>と思うようなときは <だめだめ そんなことしたらだめよ>と すぐ言うのね。そのとき 同じことでも 言い方があるだろ。<それも方法かもしれないけどね。こうやってごらん。おれが教えるから そうやったほうがいいかもしれないけどね>と こう言ってごらんなさい。<だめだめだめ>なんていうよりもいいじゃないか このほうが わずかなことだけれども 元気がでるね。だから 心がけるべきことは言葉なんであります。
 
 それと同時に必要なのは態度。これがまた非常に重要なんです。

―続くー



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