つれづれに

北海道の旅 

2016年11月23日 ナビトモブログ記事
テーマ:旅日記 

第15日 日勝峠〜苫小牧  

昨夜到着時は暗くて分からなかったが、大きな峠の展望台の駐車場に車を止めていたらしい。
日勝峠(にっしょうとうげ)の表示板がある。まだ朝は4時前なのにもう明るい。最後の朝ごはんの写真を撮っておこうと、食材をテーブルに並べた。 残りのメロンも早く食べないとと思い、ナイフを探したが見当たらない。結局メロンは写真を撮っただけで食べられなかった。
日が昇る気配がしたので、日の出の写真を一枚と思い、よく見える場所に移動すると、残念ながら日の出は終わっていた。10分ほどの遅れだ。ところがだ。眼下に広がる光景に息をのんだ。広い十勝平野は全面真っ白な雲海で覆われて、まるで海のようだ。その白く濃い雲が近くの山まで寄ってきて、ちょうど昔の、山を描いた水墨画そっくりなのだ。
これはこの上なくラッキーだ。昨日の朝は納沙布岬の日の出に挑戦したが、濃霧に阻まれてろくな写真が取れずにくさっていたのだが、その代わりのこの見事な景色。私は別に趣味や仕事で写真を撮っているのではないが、こんな景色はめったに見られない。北海道旅行の最終日の朝、天は素晴らしいプレゼントをくれた。シャッターを切りまくったのは言うまでもない。今日の予定では苫小牧出港のフェリーまでに相当時間が余る。
そこの駐車場で言葉を交わした、駐車場トイレの管理人の勧めで、襟裳岬に行ってみることにした。東の襟裳方向へ車を走らせたものの、行けども行けども着きそうにないので、ついにあきらめた。あまりに時間をかけて、変わり映えのしない襟裳岬の写真を撮りに行くのはやめた。ちょうどUターンした道の駅に新しい風呂があったので、ひと風呂浴びることにした。大きな露天風呂で真っ青な太平洋を眺める幸せなひと時。知らない人と旅の話に夢中になっていたら、あっという間に肌が赤みを帯びてきた。それほど7月の日差しは強烈だ。この風呂も温泉で、肌がぬるぬるだが気持がいい。値段も430円と今までにない安さだ。北海道は本当に行く先々が温泉だらけだ。この旅行から帰っていろいろ聞くと、温泉の数では北海道よりも東北がもっとすごいらしい。
とにかく冬の極寒がなければ、物価が安く温泉三昧の老後をこの地で過ごすのも有りだ。現に多くの人がそれを実践しているが、冬の寒さや雪と戦うすべを身につけた者だけに許されるのだろう。
風呂に浸かりながら1人の客が私にこう言った。「あなた、襟裳行きをやめて正解だったよ。」
その客は襟裳岬へ行ってきたらしいが、森進一の歌にある通り、襟裳にはこれといって何も見る物はなく、特に岬に一つしかない食堂の食事の値段は、ひどく高かったとのこと。関係ない話だが、私は森進一の歌はあまり好きではない。
明るいうちに苫小牧港近くのパーキングに車を止めて、残りの食材で夕食を食べた。昨日食べそこねたメロンを切った。食べ切れないほどの材料があって、トマトとニシンの缶詰は残してしまった。満腹だ。
毎日車の運転以外ろくな運動をしない割に太らないのは、食事の量を加減しているせいだろう。作戦勝ちだ。
フェリー乗船2時間前に苫小牧のターミナル到着。いいタイミングだ。夜11時半に出港。明後日は敦賀に入港する。
 ※写真 @十勝平野を包む雲海
     A旅行最後の朝食



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