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「地形図の広がる火口」 

2016年10月12日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 俳句集団「宇宙(そら)」は、2015年9月29日、津軽の地に誕生した。

 今のネット社会を踏まえ、俳句作りの研鑽、活躍の場は、専ら「俳句ポスト365」への投稿による。

 「俳句ポスト365」は、愛媛県の松山市が運営する俳句の投稿サイトである。その選者は、TBSで木曜日放送のプレバトでお馴染みの、当代超一流の俳人、夏井いつき先生だ。

 日本全国広しと言えども、俳句作りの学びの場として、「俳句ポスト365」→夏井いつき先生→プレバト→「俳句ポスト365」→夏井いつき先生→プレバトといった、言わば循環学校に勝るものはない。

 津軽わさおのこれまでの人生による経験則が、そう言わしめる。だから、俳句集団「宇宙(そら)」は、「俳句ポスト365」への投稿によって、日本全国を視野に入れつつ、挑戦しているつもりである。


  「俳句ポスト365」においては、各回の月曜日から金曜日までのすべてが勉強になる。そのうちでも、とりわけ金曜日発表の天の俳句1句、地の俳句9句及び夏井いつき先生の講評が大変重要だ。その中から、自分の俳句作りとの関連で、何を学ぶか。

  「俳句ポスト365」の第154回 2016年8月18日週の兼題は、「秋薊(あきあざみ)」である。兼題の説明に曰く。

秋薊(秋の季語)「あきあざみ」。キク科の多年草である薊には多くの種類があり、そのうち「山薊」「南部薊」「真薊」など、秋に花をつけるものの総称をいう。単に「薊」と言った場合は春の季語となる。

 津軽わさおは、今回の「秋薊」で、俳句の作り方における「動的状態」及び「時間の経過」について学ぶことができた。


 何事も勉強の意味で、「秋薊」に係る地の俳句8句中の1句及び選者の夏井いつき先生の講評を以下に掲げる。

 地形図の広がる火口秋薊  地選  三島ちとせ

 事前の準備として確認していた「地形図」とそっくりな光景が目の前にある、ささやかな感動を「地形図の広がる火口」と表現したのだろうと読みました。

 「火口」をのぞき込むかのようなアングルも見えてきます。「火口」の風に吹かれているのは「秋薊」。「地形図」の中に鮮やかに存在し始める「秋薊」です。


 以上に関する津軽わさおの勉強したところを以下に掲げる。

 俳句を詠む場合、対象としては、静的状態が多いだろう。が、動的状態や時間の経過を詠み込む手法もあるわけで、むしろその方が効果的な場合がある。

 俳句は、十七音字の世界だから、常に省略と間を意識しなければならない。そこを意識しながら、どう「動的状態」や「時間の経過」を詠み込むか。

 
 掲句の描く世界の場合、まず「地形図」がある。その「地形図」に「広がる火口」がある。そこで、「地形図」に「広がる火口」を現地に見に行くわけだ。

 結果、「火口」がある現地に着く。そこには、「地形図」に「広がる火口」がある。夏井いつき先生がおっしゃるように、事前の準備として確認していた「地形図」とそっくりな光景が目の前にある、ささやかな感動。

 この場合、感動は、「ささやかな」というよりは、山へ行った人のシチュエーションによっては、「大きな」感動と読むこともできる。

 で、「広がる火口」の現地には、「火口」の風に吹かれている「秋薊」がある。

 だから、掲句は、「地形図」→その「地形図」に「広がる火口」→その現地へ→現地には「地形図」どおりの「広がる火口」→「火口」の風に吹かれている「秋薊」、という一連の流れを詠み込んでいる。

 言わば、「動的状態」及び「時間の経過」を詠み込んでいると理解するものである。

 掲句は、「地形図の」「広がる火口」「秋薊」と詠むことで、「動的状態」及び「時間の経過」を見事に表現しているのだ。

 そして、ふと思うのは、掲句の作者は、始めから「省略と間」をテーマとしたのだ。ここが大事なポイントだ、と思う次第である。



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