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「山彦を山へ返して」   

2016年10月06日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 俳句集団「宇宙(そら)」は、2015年9月29日、津軽の地に誕生した。

 今のネット社会を踏まえ、俳句作りの研鑽、活躍の場は、専ら「俳句ポスト365」への投稿による。

 「俳句ポスト365」は、愛媛県の松山市が運営する俳句の投稿サイトである。その選者は、TBSで木曜日放送のプレバトでお馴染みの、当代超一流の俳人、夏井いつき先生だ。

 日本全国広しと言えども、俳句作りの学びの場として、「俳句ポスト365」→夏井いつき先生→プレバト→「俳句ポスト365」→夏井いつき先生→プレバトといった、言わば循環学校に勝るものはない。

 津軽わさおのこれまでの人生による経験則が、そう言わしめる。だから、俳句集団「宇宙(そら)」は、「俳句ポスト365」への投稿によって、日本全国を視野に入れつつ、挑戦しているつもりである。


  「俳句ポスト365」においては、各回の月曜日から金曜日までのすべてが勉強になる。そのうちでも、とりわけ金曜日発表の天の俳句1句、地の俳句9句及び夏井いつき先生の講評が大変重要だ。その中から、自分の俳句作りとの関連で、何を学ぶか。

  「俳句ポスト365」の第154回 2016年8月18日週の兼題は、「秋薊(あきあざみ)」である。兼題の説明に曰く。

秋薊(秋の季語)「あきあざみ」。キク科の多年草である薊には多くの種類があり、そのうち「山薊」「南部薊」「真薊」など、秋に花をつけるものの総称をいう。単に「薊」と言った場合は春の季語となる。

  津軽わさおは、今回の「秋薊」で、俳句の作り方における「ことばの使い方」について学ぶことができた。


 何事も勉強の意味で、「秋薊」に係る地の俳句8句中の1句及び選者の夏井いつき先生の講評を以下に掲げる。

 山彦を山へ返して秋薊   地選  一走人

  「山彦を山へ返す」とは、ヤッホーの声。山から山へと響き渡っていく声が一句の世界に広がります。

  眼前には「秋薊」が丈高く咲いています。

  「山彦」を受け止める「山」の背後には、美しく青い秋空。いかにも「秋」らしい光景です。


 以上に関する津軽わさおの勉強したところを以下に掲げる。

 何気なしに理解しているつもりの「山彦」について、この際ということで、ネット先生に聞いてみた。

 まず、デジタル大辞泉に曰く。

1 山の谷などで起こる声や音の反響。もと、山の神が声音をまねるのだと信じられていた。こだま。2 山の神。山霊。

 次に、日本大百科全書(ニッポニカ)に曰く。

山や谷間などで音が反射して返ってくること。木霊(こだま)、エコーなどともいう。山あいで大声でよぶと、その声が山肌などで反射して、時間が多少ずれて戻ってくる現象である。音波が空気中を進行するとき固体に当たると、光波と同じような法則に従って反射する。

 次に、フリー百科事典のウィキペディアに曰く。

山彦(やまびこ)は、日本の山の神・精霊・妖怪である。

また、山や谷の斜面に向かって音を発したとき、それが反響して遅れて返って来る現象を、山彦が応えた声、あるいは山彦が引き起こした現象と考え「山彦」と呼ぶ。また、樹木の霊「木霊(木魂)」が応えた声と考え「木霊(こだま)」とも呼ぶ。

 津軽わさおが掲句について感心するのは、「山彦を山へ返して」のうちの「山彦を」「山へ返して」である。

 「山彦」を俳句に詠み込む場合、「山彦や」とか「山彦返る」とかを使うだろうが、「山彦を」「山へ返して」は、思いつかない。だから、「山彦を山へ返して」が新鮮にこだまする。

 私の脳内では、「山彦」は「返る」ものだしかと思い込んでいないが、「山彦」の「返ってきた」ものが更に「返っていく」ことはあるんだよね。

 夏井いつき先生の講評にあるように、「ヤッホーの声。山から山へと響き渡っていく声が一句の世界に広が」る様を掲句の作者は、見事に思い描いている。

 「山彦」について発想するときに、単に「山彦」に留まらず、「山彦を」「山へ返す」にまで発想を展開させ、同時に「山から山へと響き渡っていく声」の世界を映像で観るということ。

 ことばの捉え方とことばの使い方を深く学んだ次第である。



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