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大脳生理学 

2016年06月16日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 俳人、津軽わさおが俳句作りを始めてから、1年1か月が過ぎ去った。俳句作りは、未知との遭遇の連続である。

 その一つとして、俳句作りは、大脳生理学とも関係する。俳句作りには、当然頭を使うから、動物や人間の行動を支配する大脳の機能を研究する学問である大脳生理学とも関係するわけだ。


 津軽わさおが俳句作りの腕を磨くために頼りにしているのが「俳句ポスト365」である。「俳句ポスト365」とは、松山市が運営する俳句の投稿サイトだ。

 今ふと、初期の段階について、昨年9月の辺りのことを思い出す。

 「俳句ポスト365」の第127回 2015年9月3日週の兼題は、「秋風」である。兼題の説明に曰く。

秋風(秋の季語) 「あきかぜ」。「しゅうふう」とも読む。秋に吹く風のこと。「秋の風」。初秋の頃になると、肌身に冷気をもって吹きすぎるので、この風に心のさびしさを託して読まれることが多い。

 秋風と聞くと、東京オリンピックの開催に係る新国立競技場やエンブレムをめぐる不祥事を考えるにつけ、半世紀前の日本初の東京オリンピックを成功させた先人の偉大さを想ってしまう。

 そこで、二句を投稿したうち、一句は、次に掲げる句である。

 東京五輪先人想う秋の風  津軽わさお

 「俳句ポスト365」では、毎回月曜日に、選者の一人、よしあきくんによる「よしあきベストセレクション」10句が発表される。兼題「秋風」については、掲句が堂々の第3位にランクされている。

 以下に、選者のよしあきくんのコメントを掲げる。何はともあれ、「ベストセレクション」の第3位は、嬉しいし、俳句修業の大いなる励みになるからである。

◯津軽わさお殿、ご先祖さまは何をお思いでござりましょうか。叶いますれば、心地よき五輪となりまするように。

 
 次に、本題に入る。この回における天の句とこれに関する選者の夏井いつき先生の講評が大変示唆に富み、重要である。以下に掲げる。

 秋風や死者に優しき晴れ三日  きらら☆れい

 今週の兼題「秋風」を上五か下五に置いて、残りの十二音で季語を含まないフレーズを作れば、ひとまず俳句にしてくれるという懐の深い季語です。が、和歌の時代からの伝統的な情趣もあり、本当の意味では使いこなすのが難しい季語でもあります。

 (ブログ主の中略)悩んだ末にこの句を推そうと決めたのは、季語「秋風」が内包する淋しさ、愁いとともに秋という季節の晴れやかな空気も一緒に表現している点を評価してのことです。
 
 まずは「秋風や」と詠嘆したあとに出てくる語順が実に巧いですね。

 中七いきなり「死者」とくれば、蕭条たる「秋風」の寂しさが一気に詠まれるのだと、読者の脳は先走ります。(私たちの脳がスゴイのは、単語一つが目に入ったとたん、想念はすでに次のイメージをコンマ何秒の速さで推測してしまうことです。)

 ところがどっこい、この句の眼目は、次に連なる言葉の選択。「(死者に)優しき」とは?と思った瞬間、さらに出現するのが「晴れ」という一単語です。

 「死者に優しき晴れ」という意味が脳内で成立したとたん、読み手の心には悲しいまでに晴れ渡った秋空がパンと広がります。

 「秋風」の中に佇む作者は、今日の空を見上げます。

 訃報が届いたその日から「三日」目は、お葬式の当日でしょうか。「死者」を労るように悼むように続く三日間の「晴れ」を、作者は天の優しさ配慮に違いないと受け止めます。

 上五「秋風や」の詠嘆は、死して風となった故人を想うこころであり、頭上に広がる美しい秋空の青に象徴される悲しみでもあります。



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