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北軽井沢 虹の街 爽やかな風
小説その25
2016年05月21日
テーマ:テーマ無し
ここにやってきたときは、20mをこえる大木がにょきにょきと立ち並ぶ森に驚き、その静けさに不気味な感じさえ受けたが、数知れない小鳥たちの囀りに癒され、時には強く吹くこともあるが爽やかな風に頬をたたかれて気持ちよくなった経験は、爽太にとって忘れられない経験となった。そして秋の紅葉と落葉との出会い、初めて経験する冬の厳しさと、その思わぬ長さに悪戦苦闘したこともすべて初めてのことだった。
そして初めての春はあっという間に過ぎ去り、長い梅雨に憂鬱な日々を過ごした。北と南が道路に面している爽太の家には、強い雨が降ると道路から敷地内に雨水が浸入する。玄関の前が水浸しになることが大問題だった。梅雨明けのある日、地元の造園業の人と知り合い、
植木畑にあった枕木を分けてもらうことになった。いろいろ考えた末に枕木で傾斜のあるアプローチを階段にして、道路からの雨を防ぐことを考えたのだ。
薪作りのために買ったチェーンソーを1台お釈迦にするほど枕木は堅かった。やったことのない作業だったが、爽太は毎日少しずつ作り進んだ。徐々に出来上がっていく作業を見守る千恵子は、釘一本打ったことない爽太の働きに驚いている。「こんなことができるなんて、思っても見なかったわ」と出来上がっていくアプローチに感嘆の声を上げる。約10日ほどで完成した枕木のアプローチは、爽太が生まれて初めて作った構築物だ。やればできるという大きな自信ができた爽太は、それから次々と生活するために必要なものを作っていった。
何度もホームセンターへ通うようになった爽太だが、近道の村道を知ってからはそれも楽しみの一つとなった。何よりもその道中の景色が何ともいえないウキウキするような光景が続くのだった。
チェーンソー、斧、丸のこ、金づち、ペンチ、電動ドライバー、水平器、スコップ、脚立等、爽太の道具はどんどん増えていった。洗濯物干場を作ったり、薪ラックはその後10台も作った。調子にのって本棚を作った時は、その形の悪さをブログ仲間に笑われたこともあったが、必要なものを自分で作るという楽しみは経験したことがなかっただけに、爽太を奮い立たせる大きな要因になったのだった。それからは、デッキの塗装や家壁の補修、床下開口部に扉を取り付けることなど、生活するうえで必要なものを片っ端から作っていった。
しかし、薪作り以外の仕事はいつまでもあるわけではない。一通りのことが済むと爽太は手持ちぶたさとなり、「退屈」という字がちらついてくる。そして、再び働きたいという気持ちが強くなっていった。村役場に行けば就職案内のチラシが手に入るというので役場に行きそれを手に入れたが、できるような仕事がなかなか見つからない。
秋も深まり二度目の落ち葉の季節がやってきた。冬が近づくと、仕事探しはますます困難を極めた。あまりにも寒い冬は住民の仕事を奪ってしまう。この近辺には多くの別荘地があり、夏を中心に気候のいい時には、避暑にやってくる別荘族を相手にいろいろな仕事もあるが、冬になるとそれもない。農業の仕事もなくなり、冬はまるで村全体が死んだようになってしまうのだった。標高の高い厳寒の地の宿命ともいえるこの現象は、爽太を焦らせた。
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