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北軽井沢 虹の街 爽やかな風

小説その2 

2015年12月11日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


12月4日 http://blogs.yahoo.co.jp/yktsp534/65278189.html の続きを書いてみよう。
 
浅間爽太の移住生活は28年前に遡る。爽太が65歳になる年だった。
「最後は、緑いっぱいの森の中で心豊かに暮らしたい」という妻の希望でやってきた浅間山北麓に位置する別荘地クイーンランドは、東京ドーム70個分という膨大な広さがあった。ここが開発され始めたころ、地元民たちは「いったいこんなところに誰が住む?」とあきれ顔で眺めていたというほどの寒い場所で、しかも湿気の多い森だったという。
縁あってクイーンランド・スズランの街に中古の別荘を見に来た妻は、このうっそうと茂る森の中に立つ物件を一目で気に入り決めてしまったのだ。
周りに立ち並ぶ20m以上はあると思われる木々を見上げながら、爽太はこれから先どうなるのかと一抹の不安を抱いたが、そこは持ち前の楽天家だ、まあどうにかなるだろうと高をくくっていた。建物の前と後ろは道路に接し、南北と西側には建物はないが、東側にあるすでに廃屋化した建物が気になる。しかし、隣近所のない静かな場所だった。
 
九州は福岡県粕屋郡新宮町から1130kmの距離を2日がかりで車を走らせ、到着した6月中旬、ここは新緑真っ盛り。カラマツが混じる広葉樹の大木は新緑の緑が眩しく光り、歓声を上げる妻は、今にも踊りだしそうな雰囲気で、爽太はただ作り笑いをするのが精いっぱいだった。標高1100mを超える高地で、冬の寒い日は氷点下20℃にもなるということは聞いていたが、そのことに関しては氷点下20℃の経験がない二人は、いたって楽観的だった。爽太は、しばらく周りを歩き回ってみた。ところどころに立っている別荘と思われる建物には人の気配はなく、あたりは恐ろしいほど静寂で、時折吹く風が気持ちよく頬をたたく。爽太はこれほどの森の中へ入りこんだ経験がなかったので、目につくものがすべて珍しく、熊出没注意の立て札にも何か珍しいものを見つけた、という感覚しかなかった。そして夜になると、何か獣のようなうめき声がする。何かわからない不気味な感じだ。これではうかうか夜は出歩けないに違いないと、長時間の運転で疲れているが眼が冴えて眠れない。爽太は。これはどうやら前途多難だなと感じ、身震いしながら寝返りをうった。
 
 

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