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たゆたえど、沈まず
友達のガン
2014年10月02日
テーマ:テーマ無し
我が友が膵臓癌になってがんセンターに入院したので不安な気持ちで過ごしているだろうと一日置きぐらいに顔を出している。67歳だがバリバリの現役で思わぬ宣告だったに違いない。まるで突然雷に打たれたみたいだったと言う。
多少の気休めと参考になればと思い私の状態を話した。「調子が悪いと聞いてはいたがそこまで悪かったのか」というから「癌なら末期ってとこだね」笑って答えた。
女房は「まぁ本人にとっても私にとっても、私達夫婦にとっても旦那が病気になって良かったと思うわ、本人は多少きついけど.男なんだからNさんも頑張って!今回のことは絶対に良いことなんだから良いことと思えるようにね」
多分彼はあっけらかんとした私たち夫婦を見て危機感一杯の自分たち夫婦との違いに愕然としたと思う。
危機感のまるでない夫婦としか見えないであろう。しかし、エネルギーを注入できたと思う。我々にできることはそれぐらいしかない。女房は面識が殆ど無かったが二人で漫才をやるためにあえて連れていった。彼女はそれを察し、彼に会って一瞬に見抜き頑張ってくれた。女房に感謝である。
彼は手術を決断するのに相当悩んだに違いない。悩んで迷っている頃にお前ならどうすると聞かれたら即座に俺なら切らないと答えたであろう。
彼は今、神様から人生の宿題を与えられていると思う。順風満帆だった人生で彼は突然雷に打たれたようなものだったと言ったが、何で自分だけがこんな目にと思っているに違いない、突然の災難に遭ったように思っているに違いない。だが実はそうではないのだ。彼はなるべくしてその難病になったのだ。
最新設備の病院で最先端医学に頼りきっていてはダメなのだ。自分が何も変わらなければ病気になった意味がない。
生きる意味を問い直す絶好のチャンスを与えられたのだ。いいタイミングであったはずだ。神様から与えられた宿題は正面から取り組んで解かねばならない。神様は回答不可能な宿題は決っしてお出しにならない。難題だと当人には思えても解ける実力は必ず持っている。誰も助けられない、自分で解かねばならないのだ。
そうしないと次から次へと神様は宿題を出される。本人が気付くまで宿題を出される。
病気が治るかどうかは最終的には当人が治す気があるかどうかにかかっているのだ。
治そうという決意の強さが勝負なのだ。
Nさんはそれに気付くかなぁと女房がポツリと言った。
大丈夫‼︎
彼はサムライだから、タダじゃ起き上がらない、楽しみな男だよおれの友達だから。
明日の9時に運命の手術が始まる。先ほどお礼の電話が入ったので最後のエネルギーを送った。
大丈夫!彼ならだいじょうぶ!! そう祈りながら・・・。
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