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スタップ疑惑・「世界三大不正の一つ」
2014年08月14日
テーマ:暮らし
何の競技でも、オリンピックで金銀銅のいずれかのメダルを獲るのは、極めて難しい。ゆえに、メダル獲得選手は、一躍ヒーローになり、歴史に永遠に名を刻む。
地球上に生きる大部分の人々は、オリンピックでメダル獲得などという栄誉には無縁で、歴史に名を刻むことはない。
しかし、これまた大部分の人々は、悪いことで歴史に名を刻むこともない。ヒーローにはなれなくても、一生懸命に生き、社会に対するマイナスの影響を与えないようにする。これが善良な人々の生き方だ。
こうした生き方を前提とするのが教育の原点である。
2014年2月にスタップ疑惑が持ち上がってから、一連の騒動がもう6か月も続いている。
そのせいで、残念極まりないことに、日本の科学に対する世界中からの信用は、失墜してしまっている。日本の科学界は、世界中の物笑いになっていることだろう。
たった一つのスタップ疑惑とそれをめぐる騒動が日本の科学に対する評価を貶めているだろうことは、科学者でなくても、容易に想像がつく。
そんな折、2014年6月13日、産経新聞の配信ニュースは、次のように伝えた。
? 「ずさん」。STAP(スタップ)細胞の論文不正問題で、理化学研究所の改革委員会は12日、そんな厳しい言葉で突き放し、小保方晴子研究ユニットリーダーが所属する発生・再生科学総合研究センターを批判した。
? 改革委の岸輝雄委員長(74)は会見冒頭、STAP論文の不正問題について欧州の友人から「世界の三大不正の一つとして認識されてきた」と言われたことを紹介。
問題が、2000年代に起きた米ベル研究所での高温超電導研究に関する論文捏造や、ソウル大教授の胚性幹細胞(ES細胞)研究に関する捏造と並ぶ科学界の不正事件と受け止められていると切り出した。
? 会見で「ずさん」という単語が何度も飛び出し、岸委員長はセンターについて「ここまでのことが起きたときは解体して出直すことが要求される」と提言。
? ほかの委員からも厳しい意見が上がった。竹岡八重子委員は「国民の信頼があってこそ、研究に国費を投じることが許されることを、もう一度理解してもらいたい」。理研に対する社会の厳しい目が今も続いていることを念押しした。
この配信ニュースが伝えていることは、極めて重要で、由々しき内容である。
とりわけ、スタップ論文不正が「世界の三大不正の一つとして認識されてきた」という点だ。
プラス面では、一つのオリンピック大会で一つの種目でメダルを獲ることだけでも凄いことなのに、その逆のマイナス面ではあるが、「世界三大不正の一つ」ときたのだ。
スタップ論文不正がいかにたちが悪いものであるか。それを如実に示して余りある。
しかも、例えば、マスコミが「世界三大不正の一つ」とあげつらうのではなく、日本の科学界の権威が指摘しているのだ。我々、国民にも分かりやすい指摘であり、聞いて改めて、唖然である。
世界の科学界でスタップ論文不正が「世界の三大不正の一つ」と認識されているのであれば、これから世界に向けて科学論文を発信していく場合、なかなか大変だ。JAPANの文字が目に付いただけで、色眼鏡で見られかねない。困ったものだ。
こうした状況下、スタップ細胞が「あります、あります」なのか「ありません、ありません」なのか、スタップ疑惑と一連の騒動によって世間を騒がせてきたことの終末処理として、明らかにしなければならない。
しかし、それは、あくまでも終末処理としてであるから、これに小保方氏を参加させる場合、スタップ論文に関わる新たな疑惑について小保方氏本人の口から対外的に説明させなければならない。なのに、理研は、なんら、小保方氏本人の口から対外的に説明させることもなく、安易に参加させてしまっている。
これだけでなく、理研の倫理観欠如を示す事例には事欠かない。
「世界三大不正」のスタップ論文不正。倫理観欠如の理研。こういうダブルマイナスであれば、やっぱり、スタップ細胞は、「あります、あります」ではなく、「ありません、ありません」だろう。
だって、「あります、あります」なら、「世界三大不正」をやらかす必要がない。
しかし、それにしても、「世界三大不正」をやらかした小保方氏は、きちんと教育を受けたと言えるのだろうか。
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