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あこがれた人
2014年07月20日
テーマ:青春
20代の時、凄く好きだったミュージシャンがいた。
ステージの彼の姿を見た瞬間、もう一目ぼれ。
それからというもの、私の生活は一変した。
彼の出ているありとあらゆる雑誌の記事を買い、切抜きしてファイルにしたり、ファンクラブにも入った。
ラジオ・テレビ等、ありとあらゆるイベントに行ったりもした。
コンサートでは常にテープで録音して、家に帰って聞いてライブの余韻を思い出す。
毎日、頭の中はそのミュージシャンの事だけで一杯だった。
いわゆる追っかけ。いや、ストーカーといってもいい。
ファンの友人と共に彼の実家の回りまでウロウロする始末。
それでいてファンクラブの集いでは、ものすごい近い距離で会う時など、一言も話せず。
眼も合わせられず。ガチガチだ。
やっとの思いで「がんばってください・・」といってようやく差し出した握手が精一杯。
そう、遠くから見つめているだけで十分幸せだった。
今思うと、私の行動も脳も呆れるくらい異常!?すぎた。
現実の異性ではない。
あくまでもファンとしてその人を崇拝していた。
自分とは別世界の人。
人間視してなかったのかもしれない。
彼の美しい容姿も、歌も笑顔も性格も私にはすべてが輝いて見えた。
だけど、どこかいつも寂しそうな影を感じずにはいられなかった。
予感は的中、9月のある日、突然、その人はあっけなく逝ってしまった。
生きていてくれるだけで良かった。
見つめる事すらできなくなってしまった。
なんて残酷な日々だっただろう。
彼が亡くなった1年間、仕事も辞めて喪に服すように泣いた。
あの1年間は多分、私の一生分の涙が流れでた。
後にも先にもあんなピュアに恋することはできない。
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