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青いお空の下で
明日は母の日
2014年05月10日
テーマ:思い出
「ただいまあ!」
私はランドセルを背負ったまま 家の一番奥の部屋に急ぐ。
「おかえり」
そう言って母が布団の中から白く細い腕を出す。
私はいつものように勢いよくその胸に飛び込む。
抱きしめてくれる母からはいつも薬のにおいがした。
だが、私はそのにおいは嫌いではなかった、それは「母の匂い」だったからだ。
=うん?
私はいつもとは違う母の匂いに気づいた、母から甘酸っぱいよい香りがするのだ。
私は思いっきり深呼吸をする。
すると、母が枕元からちり紙を取り出し「ふふふ・・・いい香りでしょ。お母さんの小さい頃は匂い袋して持っていたものよ」と見せてくれた。
今日 母の姉が家のお掃除に来てくれて、庭にさいた金木犀の花を摘んでくれたらしい。
「わたしも欲しい!明日学校へ持って行く!」
私がそうぜがむと
「女の子なのね」とにこにこ笑いながら母がその花をハンカチに包んでくれた。
私は大切に 母の作ってくれた「匂い袋」をポケットにしまいこむ。
=あのね、お母さん 金木犀がほしかったのはね
はじめてお母さんからするそのいい匂いに
ずっと包まれていたかったからだよ
〜〜〜〜
病弱なりに母も頑張ってくれて、今年も母の日にお花を贈ることができます。
あなたの娘でいられることに感謝します。
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お花のプレゼント
小さい頃のお母様のことを
甘酸っぱい金木犀の香りと
ともに覚えていらっしゃる
のですね。
金木犀とても良い香りです。
お母様もお花のプレゼントに
きっと大喜びですよ。
2014/05/10 21:31:56