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人生日々挑戦
「楽天社員が楽天市場の価格偽装を主導したのか」
2014年03月20日
テーマ:暮らし
2013年は、10月22日の阪急阪神ホテルズの食品偽装発覚以降、日本全国各地のホテルやデパートなどで、続々と食品偽装が発覚した。
連日のように、次々と明らかになる食品偽装発覚の連鎖。羊頭狗肉の本家・中国から食品偽装の本家・日本と揶揄されかねない状況が続く中、昨年11月7日、楽天市場における価格偽装が発覚した。
昨年11月7日付けの毎日新聞の配信ニュースは、次のように伝えた。
? 楽天は7日、不適切表示が約20店舗の商品約1000点に上る可能性があることを明らかにした。この20店舗は閉鎖した。
? 問題があったのは今月3日夜から7日未明まで開催していた優勝記念セール。星野仙一監督の背番号77にちなんだ「77%引き」などが売りのセールで、対象商品は店舗が事前に楽天側に申請する仕組みになっていた。ところが、一部の店舗が独自判断でセールを実施し、大幅な値引きをしているように見せかけて販売していたという。
? 三木谷浩史会長兼社長は「正式な日本一セールは厳正なる審査を経て実施していた。便乗して勝手にセールをやっている店舗があったので調査をしている最中。結果が出たら正式にコメントする」と述べた。
価格偽装の手口は、元値をつり上げて割引したように見せかけるものだ。
実際の事例としては、他の通販サイトで9,800円で売られているスルメイカ10枚が、通常価格1万7,310円と表示され、これを77%オフで3,980円として販売された。つまり、通常価格9,800円を1.8倍の1万7,310円に水増ししているわけだ。
三木谷浩史社長は、価格偽装について、「便乗して勝手にセールをやっている店舗があった」と説明したが、後日、公式セールに参加していたと楽天が説明を修正した店舗が出てきた。
昨年11月12日、ITmediaの配信ニュースは、次のように伝えている。
? 不当表示が疑われるのは、同社の公式セールに参加申請せず、便乗して“勝手セール”を行った20店舗・約1000商品としていたが、調査の結果、17店舗で1045商品に修正。
? 該当店舗は1カ月のサービス停止としたほか、該当商品を購入したユーザーには、商品の返品を前提として、全額を現金かポイントで補償する。17店舗の名称などは公表しない。「1カ月の停止処分は重い。われわれは警察ではないし、そこまでの権利はないと思っている」と三木谷社長は話す。
? 一方で、ネットで話題になった、「通常価格1万2000円、77%オフで2600円」の抹茶シュークリームなど3商品・3店舗については、楽天側の価格チェックを受けた上で、公式セールに参加した商品だった、と説明を修正。店舗が独自に行う“勝手セール”品であり、楽天の価格チェックを受けていないとしていた従来の説明は、「確認ミス」(高橋理人常務)であり、「ミスリーディングだった」(三木谷社長)と謝罪した。
以上を振り返ると、要するに、昨年11月3日夜から7日未明まで開催していた楽天日本一優勝記念セールで、17店舗で1,045商品について、価格偽装が行われて販売された。
17店舗で1,045商品の価格偽装は、ほとんどが楽天の公式セールに参加申請せず、便乗して“勝手セール”を行ったものだが、「通常価格1万2000円、77%オフで2600円」の抹茶シュークリーム、「通常1万1125円の大根5キロを77%オフで2540円」の大根、「定価1万7310円のスルメイカ10枚セットを77%オフで3980円」のスルメイカの3商品・3店舗については、楽天側の価格チェックを受けた上で、公式セールに参加した商品だった。
これらによると、昨年11月3日から7日までの楽天日本一優勝記念セールという特定セールで、14店舗で1,042商品について、便乗して“勝手セール”を行った不届き者がいた。3商品・3店舗の価格偽装は、楽天側の価格チェックを受けた上で、公式セールに参加した商品だった。ということになる。
楽天のスタンスは、17店舗で1,045商品の価格偽装は、ほとんどが不届き者がやったこととの位置づけだが、3商品・3店舗の価格偽装は、楽天側の価格チェックを受けた上で、公式セールに参加した商品だった点が引っかかる。
楽天側の価格チェックを受けた上での公式セール参加商品の元値が、「通常価格1万2000円の抹茶シュークリーム」、「通常1万1125円の大根5キロ」、「定価1万7310円のスルメイカ10枚セット」というのは、ミスなんてものではない。
楽天側の価格チェックが、3商品・3店舗についてとは言え、常識外れであり、価格を故意にセットしたと言わざるを得ないものである。
3月20日、とんでもないニュースが日本列島を駆け巡った。
ネットで、3月20日付けの日刊スポーツの配信ニュースは、「楽天社員が偽装指示 77%オフ不当セール」と題し、次のように伝える。
? 楽天の複数の社員がインターネット仮想商店街「楽天市場」の出店店舗に、元値をつり上げて割引したように見せかける不当な二重価格表示を指示していたことが19日、出店業者らへの取材で分かった。
? こうした表示は昨年のプロ野球日本一セールで発覚したが、社員の関与は明らかになっていなかった。消費者に誤解を与える表示を楽天側が主導し、社員の1人は「客には分からないから」と指南していたという。
これが事実なら、昨年11月3日から7日までの楽天日本一優勝記念セールで、17店舗で1,045商品について、価格偽装が行われて販売された事件のすべては、楽天の複数社員が主導していたという疑惑が出てきかねない。
そして、疑惑は、更に拡大する。
3月20日付けの日刊スポーツの配信ニュースは続ける。
? 生鮮食品店を楽天市場に出店する店長によると、11年に「ECコンサルタント」と呼ばれる楽天の店舗担当社員から「定価を倍にして50%オフ商品をつくるように」と指示を受けたという。店長が「これ以上割引できる商品はありません」と断ると、「今のままでいい。定価を倍額にすればいい」と言われ、客に半額と思わせる手法を聞いて驚いた。「みんなやってます」と説得され、従った。
これは何を意味するか。これが事実なら、楽天市場では、楽天日本一優勝記念セールという特定セールだけでなく、恒常的に、元値を倍額につり上げて50%オフ商品をつくるというインチキが行われていた疑惑が出てくる。
元値を倍額につり上げて50%オフ商品をつくるというがごときインチキをしても、どうせ「客は分からない」とせせら笑いながら楽天社員が主導していたとしたら、そら恐ろしい。
楽天は、昨年11月の楽天日本一優勝記念セールでの17店舗で1,045商品に係る価格偽装についてだけでなく、その他の価格偽装についても、その事実関係や楽天社員の関与を徹底解明しなければならない。
楽天日本一優勝記念セールでの17店舗で1,045商品に係る価格偽装については、その当時、1か月の楽天市場サービス停止処分にし、17店舗の名称などは公表しなかった。その時、三木谷社長は、「1カ月の停止処分は重い。われわれは警察ではないし、そこまでの権利はないと思っている」と語った。
しかし、先ほど指摘した疑惑について徹底解明しなければならないのは、楽天市場を運営する楽天の「義務」だ。
その結果、一連の疑惑に関し、楽天社員がクロとなった場合は、楽天がクロということになる。そうなれば、トカゲのしっぽ切りで済ませるなんてできない。
「1か月の楽天市場サービス停止処分」に相当するような打撃どころか、「楽天市場」の閉鎖に追い込まれることだってあるかもしれない。
仮に、どうせネットの世界だからと、どうせ「客は分からない」と、高をくくっていると、しっぺ返しは大きいものになるだろう。
いずれにしても、決して消費者を甘く見てはならないよ。
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