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大温室 3
2014年02月26日
テーマ:仕事
朝、温室の幾つもある入口のガラス越しに中を覗いて回った。東棟500坪の端っこの方に並べられた鉢の、マンゴーらしい木はみんな枯れていた。残り約400坪は、空っぽの白い台が並んでいるだけだった。
北東棟400坪は、中央の台に赤い実をつけて茂っていた苺も、葉っぱが黄色くなっていた。
北棟300坪は、台の上に箱類がいっぱい乗っていて、ただの倉庫だった。事務所の横の50坪足らずの1棟も納屋代わり。(この1棟だけでも貸して貰えたらなあ)と、いつも思っていた。春頃に一度イチゴ屋さんに、「使こうてはらへんのやったら、これ貸して貰えませんか?」と訊いてみたことがある。
イチゴ屋さんは少し考えて、「ここの借り主は別におりまして、私は任されてるだけなんですよ」と言った。そうか。こんなに大きな温室、借り賃も何十万とするだろうな。あれこれ相当お金をかけて失敗ばかりしていたのでは、なんにもせずに家で寝ていた方がマシだ。任されているということは、収益が有ろうと無かろうと彼はお給料を貰っているのだと納得した。
4、5日、イチゴ屋さんは来ていないようだ。
庭へ出る度に、シャッターの閉まった事務所の前でうろうろしている人を見かけた。マンゴーの予約をしていた人達だろう。イチゴ屋は夫婦喧嘩でもしたのか? もし無給でハウスを任されていただけだったとしら、夫婦喧嘩をしても夫婦別れをしても不思議はない。
10数人いたトマト屋さんでも人手不足で行き詰まったのだから。
秋、イチゴ屋さんは苗作りを始めなかった。
スーパーに苺が出回り始めても、温室はガランとしたままだった。
トマト屋さんの後と同じように、また2、3年空き温室で放っておくのだろうか。もったいない。こんな大きなものでなく50坪か100坪ぐらいのを幾つも建てておいたら、大勢の人が借りてそれぞれに使えたのに、役所管理というのは昔から採算の取れることをした試しがない。
-----続く----
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