木漏れ日の中で

不意の別れ 

2010年08月22日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



こんなこと、本当にあっていいの?
まだ信じられない。
さっき、夜の十時頃、妹との長電話の途中に又キャッチが入った。
「じゃあ、今度はもう切るね。またキャッチが入ったから」
と言ってキャッチをとると、聞きなれない男性の声。
その声の主は友人Nさんのご主人だった。
どうしたんだろう・・・ ふと胸騒ぎがしたが、Nさんとは昨夜電話で話したばかり。
「入院できるようになった」とうれしそうな声だった。


若い頃から精神的な病気を持っている彼女だが、ご主人に大切に庇護されながら、周りからみたら幸せそうに暮らしていた。
そんな彼女が三週間ほど前に急に訪ねてきて、ぽつりぽつりと悩みを打ち明け始めた。
あんなにやさしく面倒みてくれていたご主人のことが、大嫌いになってしまったと言うのだ。
そして、「一緒にいたくないから入院したい」とも・・・
でも、「入院するほどでもないと言われて入院できないの」と落胆していたのだが、きのうの電話で「やっと入院できるようになった」とうれしそうだったのだ。


そんな彼女が今朝起きたら亡くなっていたとのご主人からの知らせだ。
「えっ、どうしてですか?」
と驚いて聞き返す私に、ご主人は「原因はよくわからないのです」と言われる。
今日が通夜で明日がお葬式とのこと。
葬儀場は家から車で10分ぐらいのところだ。
私は居ても立ってもいられず、葬儀場に駆けつけた。
きれいに飾られた祭壇の前で、Nさんは一人ぼっちで眠っていた。
家族が寝られるように寝具の用意をしている和室には、長男夫婦が二人きりで寛いでいた。
ご主人は家に帰ったらしい。長女のりえちゃんは?
どうしてお母さんの傍にいてあげないの?
一人ぼっちのNさんの姿をみただけで涙が溢れた。
「私がしばらく傍にいるからね」
きれいにお化粧されて安らかに微笑んでいるNさんは、まだ起こしたら笑いながら起きて来そうな感じだった。


ここ数年ほとんど会うこともなく、電話も時たま調子の悪いときにかかるぐらいになっていたNさんが、不意に訪ねてきた三週間前の日のことを思い出しながら、Nさんはお別れにきてくれたんだなと感じた。そして、昨日の電話も・・・
寿命の終わりが近づき始めると、不思議なことが起きると前に聞いたことがある。
Nさんはまさか自分の命の最後がこんなに間近に迫っているとは、思ってもいなかっただろう。
でも、無意識の内に歩けないない足で杖をつき、タクシーに乗りわざわざ何年ぶりかに会いにきてくれた。
Nさん、ありがとうね。来てくれて・・・

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