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心 どまり

捨てられていた蘭 

2013年06月02日 ナビトモブログ記事
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 一昨日 約一ヶ月ぶりに幼馴染(中学校の同級生)で近所に住む友人T子が、遊びに来ました。
お休み(水曜日)の度に顔を見せてくれるT子ですが、先月は、用事が重なり忙しかったらしく、御無沙汰でした。
一か月ぶりに逢うと、暫くぶりな感は否めません。

 娘曰く、私達二人は言動も雰囲気も良く似ているのだそうです。
確かに誕生日が近いせいでしょうか、思考や感性も同じ様で一緒にいても疲れません。

 二黒土星・天秤座の私達は、争いは好みませんし、感情の起伏も激しくは無く、声を荒げるなどと言う事は殆ど有りません。
ところがその日は、いつも穏やかで、笑みを絶やさないT子の顔に陰りが見られ、心なしか落ち込んでいる様に見え気になりましたが、話す事が有れば、彼女の方から口を開くだろうと思い、問いただす事はしませんでした。

 コーヒーの好みも一緒で、ストレートでもブレンドでも酸味のある『モカ』より『キリマンジャロ』や『ブルー・マウンテン』の方が好きなのです。
最近見つけた、美味しいブレンド豆を手挽きしていると、出窓に飾って置いた『ラディアンスの鉢』を見ながら、彼女が聞いて来ました。

「この花、ちいちゃん(娘の名)からの母の日のプレゼント?
 いい色ね!私もこんな花が欲しいのよねえ〜!」

「去年は、豪華な『蘭』だったわよね!今年は?」

「今年も、とっても豪華な『蘭の花』よ!二人 (息子・娘)ともね!
 蘭は、要らないと言ったのよ!
 結局枯らしてしまうし・・・。
 でも子供達は、「彼女(お嫁さん)や彼(お婿さん)が、
 買って来るから言えない」と言うのよ!
 そんな見栄を張らなくてもいいのにね!」

「幸せじゃないの! 優しいお嫁さんとお婿さんで!」

「そうね・・・!」

 コーヒーを美味しそうに飲んいたT子が、

「じつはね、私、来年定年でしょ!
 仕事を辞めた後、息子が「一緒に住もう!」と言うのよ!
 元気な内は、「一人で大丈夫!」って断ったんだけどね!
 いつかは考え無くちゃならない事よね!
 私は、此処を離れたくないんだけどね・・・。」

 T子の御主人は、五年前に胃癌で亡くなり、子供達も独立し、現在彼女は一人で暮らしています。
娘さんは、近所に住んでいますが、息子さんは仕事の関係上、車で約一時間の場所に家を購入しました。
 T子が、沈んでいた理由が解りましたが、何も言えませんでした。

 最近は子供達に頼らず、気の合う仲間同士で生活を共にする御老人達がいらっしゃる事を、ニュースかワイドショーかは忘れましたが、見聞きした記憶が!
将来的には、その様な生活方式が御一人の方々が救われる選択肢の一つに成るのでしょうが、今の私達には様々な柵(しがらみ)が有り、無理な事の様に思われます。

 突然T子が、窓辺に置いて有る『蘭の鉢』を見ながら

「この『拾ってきた蘭』元気に成ったわね!」

「まあ〜!人聞き悪いわね!
 確かに『拾って来た蘭』だけどね!」

 二年前の丁度この時期でした。
震災後、実家では屋根の傷みが激しく、家を建て替える事に成りました。
後片付けのお手伝いをしていて、出たゴミを集積所に持って行きますと、葉が2〜3枚になり殆ど枯れかかった『蘭』が二鉢、隅の方に捨てられていたのです。
何かの、お祝いにでも贈られたのでしょう!
ラッピングもそのままに、フラワーカードも差されたままでした。

『プリンセス・マサコ』

”捨て犬や捨て猫と、目が合い連れて帰って来てしまった。”
それと良く似た心境でした。
周りに人がいない事を確かめ、少し躊躇しましたが持ち帰る決断を!

 厳しい夏の日差しを避け木陰の涼しい場所に置き、水遣りを欠かしませんでした。
夏が終わる頃には、バルブの隣から『葉芽』が・・・。

 今年は、花を見せてくれませんでしたが、来年こそは、是非見せて欲しいものです。

「家の蘭も花が終わったら、手なご(茨城弁で手入れする・世話をするの意味)」お願いね!」

 帰り際、T子の顔に笑顔が少し戻った様に見えました。
 



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ありがとうございます。

良香さん

みのりさん こんにちは!

ありがとうございます。

子供の頃から、捨て猫や捨て犬を見るとそのままにしておけずついつい拾って来てしまいました。
似たような心境でした。
実家では家族全員動物好きで、ミニ動物園状態でした。
犬・猫・山羊・アヒル・金鶏・白鼠等々 尚且つ池には鯉や金魚まで・・・トホホ!

コメントをありがとうございます。

2013/06/04 18:08:54

来年こそ!

良香さん

koyampi58さん こんにちは!

 いつもkoyampi58さんのブログを感心しながら、拝読させて頂いております。

私の近所でも、廃屋同然のお宅が数件有ります。
諸事情からでしょうが、淋しい事です。

『遠い親戚より近くの他人』少し意味合いは違いますが、近い物が有ります。
住み慣れた土地を離れるのは、強い決断が必要ですね!

『蘭の手なご』は、検索したり庭師さんに聞いたりして、植え替え等しておりますが、我流です。

来年こそ、花を見せて欲しいものです。

コメントをありがとうございます。

2013/06/04 17:17:33

いつもありがとうございます。

良香さん

じいやんさん こんにちは!

彼女とは、もう40年以上の付き合いです。
離れる事に成るのは、とても辛く淋しいですが、どの様な決断であれ、彼女の背中を押して上げようと思っております。

コメントありがとうございます。

2013/06/04 17:03:23

お陰様で!

良香さん

mickeyさん こんにちは!

私も似たような状況でした。
義母名義の土地を贈与されたので、小道を挟んではいるものの同じ敷地内のようでした。
義兄夫婦には子供がいない為、私達が協力出来ればと決心したのですが、色々な事が有りました。
お陰様で、現在も仲良く暮らしております。

コメントありがとうございます。

2013/06/04 16:55:35

来年に期待!

良香さん

チワワさん こんにちは!

私の友人の中にも、物事をはっきり言う人が数人います。
『親しき仲にも礼儀有り』で、友人や家族でも言葉は選び、気を付けたいものです。

蘭の花は、来年に期待します。

コメントありがとうございます。

2013/06/04 16:44:17

蘭大切に育てているんですね!

みのりさん

捨てられていた蘭を

大切に育てているんですね

すごいです。〜〜♪

2013/06/04 12:14:21

良い人に救われて幸せ

koyampi58さん

良香さん、おはようございます。

我が家の周りも、高齢世帯ばかりになり、
櫛の歯が欠けるように廃屋となる家も。

いくら子供の所でも、住み慣れた地域から、
離れる決心はなかなかつきませんね。

これまでとは違った生活スタイルが必要かも
しれません。

救われた蘭、良香さんのもとに来て、元気に
育っていて幸せそうです。

2013/06/03 09:46:58

お試し

じいやんさん

仲のいい友達はうらやましいです。
出来るだけ今の関係が維持できればOKでしょうね。
蘭と一緒で命ある限り・・・
少し離れてもOK!

2013/06/03 07:21:52

私も。。。

さん

T子さんと同じ立場ですが、同居はお互い気を使うから大変ですね。

かと言って、もう少し年を重ねて体が動かなくなったときからの同居も考えものです。

私は結婚当初から同じ敷地に義父母が住んでいたのでお互いの大変さを身にしみて感じています。今思えば大家族で楽しいこともいっぱいありましたが。

娘さんの近くのほうがいいような気もしますが、親子関係もいろいろですからね。

2013/06/02 20:09:35

友達

さん

一緒にいて疲れない友達がいて羨ましいです。
私はそういう人はいません。
ズバズバいう友達がいましたが
親友にはなれませんでした。

蘭の花、綺麗に咲いて欲しいですね(^_-)

2013/06/02 19:15:10

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