忘れていたはずの昔の恋人を想い出したとき、いい年をした大人がこんなにも動揺してしまうのだろうか…と思いました。私だったら、日本人だから、必死に動揺を隠して他人には悟られずに探します。
そしてそういうことで動揺した妻を頭ごなしに否定せずに、あくまでも冷静に落ち着いて対応しようとする心優しい素晴らしい旦那さま。これも日本人だったらこうはいかないのでは。
ちょっと違和感を感じつつも、若いころの回想シーンと、動揺するハンナの現在とが微妙に入れ変わる構成に引き込まれていきました。
まさに時代に翻弄されてしまった2人。
収容所でのシーンは想像以上にリアルに描かれていて、ドイツ映画らしい作品でした。ドイツ語のほうがリアリティが出ますね。
ラストに近づき、待ち合わせの場所に向かう彼女がバスに乗っているシーンでは、ピアノのBGMが彼女の心のドキドキを表していて良かったです。
ホントは再開した時のお互いの第一声を聞きたかったな。
こんなにドラマチックなことはなくても、普段は思い出さない甘くて苦い思い出は誰にでもあるのではないでしょうか。
|