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あけび書房刊「続・希望の共産党」から小林節弁護士の論説 

2023年12月12日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



あけび書房刊「希望の共産党」と「続・希望の共産党」が書棚にある。世田谷九条の会講演会の講師小林節弁護士が「岸田内閣の安保政策と憲法9条の価値」について講演していたので、「続・希望の共産党」の論説を読み直した。
Blog記事『世田谷九条の会のニュース71号小林節氏の講演「岸田内閣の安保政策と憲法9条の価値」』
講師小林節弁護士は『自衛隊は「平和の敵」ではないことを知ることだ。専守防衛である限り自衛隊は悪くない。繰り返しになるが、平和の敵は自衛隊を悪用して他国の戦争に参加しようとする「愚かな政治」だ。』と強調していた。
参加者の感想文にも「?新聞などで論説は拝読していましたが、今日直にお話しを伺って、ざっくばらんで非常に分りやすいお話しを聞くことが出来ました。自衛隊を敵にまわさないで!!との説、良く解りました。国民を守るために専守防衛のみに徹することですね。」とある。
管理人は『小林節氏は>専守防衛である限り自衛隊は悪くない。<と語られています。「岸田政権の安保政策と憲法9条の価値」をテーマにして、「しんぶん赤旗」又は「雑誌前衛」で、「憲法9条」「自衛隊」「専守防衛」「日米安保条約」「日米地位協定」を日本共産党志位和夫委員長と小林節氏との対談して欲しいですね。』とコメントした。
「続・希望の共産党」から小林節氏の論考を抜粋したい。

A自衛隊に対する評価を定めるべきである?@「自衛隊アレルギー」? 先の統一地方選の際に共産党の街頭演説を聞いていたら、ある政令指定都市議員候補者は唐突に「自衛隊は市民を守りません。基地を守ります」と叫んだのには驚かされた。そこには自衛隊に対する「敵意」が感じられた。? まず、国政と地方自治の役割分担をここで確認しておく。? 外交、防衛、貿易、通貨管理、司法などは国の専管事項である。それに対して、医療、福祉、教育、農林水産などは、国が法律と予算で一律に基準を定め、その上で、各地方の実情実力に応じて自治体が具体的に対応する仕組みになっている。だから、「防衛」は本来、地方自治の論点ではない。(もちろん、国家としての必要から来る負担(米軍基地)をーつの自治体に過剰に押し付けている沖縄においては、防衛は「地方自治の本旨」に関する大問題であるが、これは例外である。? にもかかわらず、上述の候補者は、街宣カーの上に上げられて、咄嗟に、言いやすい(つまり言い慣れた)ことを言うかのように、「自衛隊批判」を始めた。? 自衛隊が軍隊であるか否か? 合憲であるか否か?の問題を今は留保するとして、自衛隊の仕事は、日本に外敵が侵入してきた場合にその敵軍を迎え撃って撃退することにある。だから、「基地を守る」というのはそもそも的外れであるが、実際には自衛隊は私たち一般国民の「ガードマン」ではない。諸国の法制を見ても、「軍隊」は、「外敵と戦う」ために存在しており、非常時の国民の保護は地方自治体の責任である。? ただし、大日本帝国の時代に、日本国民は不幸な体験をさせられてしまった。当時の軍隊は憲法上、天皇の軍隊で国民の軍隊ではなかった。だから、敗戦直前の危機的な状況の中で、天皇の軍隊が国民を犠牲にして自らを守った事例が多発したようである。その結果、今でも、沖縄戦の体馴者たちのように理屈抜きの「軍隊アレルギー」を持つ人も多く、それが、日本国憲法下での防衛論議や自衛隊論議を複雑にしているきらいがある。? しかし、私たちが警戒すべきは、「自衛隊」そのものではなく、その自衛隊を、憲法の制約を超えて悪用しようとする政治勢力であることは、忘れないでほしい。?A「自衛隊活用論」は何だったのか?? 数年前に都内の集会で志位委員長の講演を聞いて、私は、納得し、安心した。「自衛隊活用である」それは、大要、次のものであった。? ア、自衛隊も日米安保条約も憲法9条の本来の意味に反するものであり、それらを将来は解消すべきだという目標を持つことは私たちの良心の自由(憲法19条)である。? イ、しかし、それを今すぐ実行できるとは思わない。だから、現状で有事になれば存在する自衛隊等を活用してこの国の独立と国民の生命と財産を守る。? ウ、しかし、将来、国際情勢がそれを許し、かつ、主権者国民の過半数がそれを許せば、自衛隊と日米安保の解消を行う。? これは、理想を忘れず現実を直視した筋の通った見解であると私は思う。? ところが、ウクライナ戦争が勃発した途端に、共産党は、吹っ切れたか開き直ったかのように、「9条に基づいた平和外交」一本槍の主張に転じた。? これが、世界史の現実とも現在の世論とも合わないことは明白だと、私は思う。今、世界は、ロシアによる国際法違反の侵略戦争という現実を目撃しており、同時に、やむを得ず武器を取って「専守防衛」で自国の存続と残った国民の生命と財産を辛うじて守っているウクライナの現実を日々見せられている。そのような状況の中で、ロシアと中国と北朝鮮という隣国からの脅威を前にして、自分たちは日米安保(米軍)と自衛隊によって守られて存続している安全地帯にいて、国際社会において当事者能力が認められているとは言い難い日本の国民が、「武器はだめだ― 平和外交だ―」と叫んで、なんの説得力があるのだろうか。私は、効果は「無い」と思う。?B9条の法意? ここで、この後の議論を混乱させないために、憲法9条の意味を確認しておきたい。? 1項は、「国際紛争を解決する手段として」の戦争を放棄している。これは、パリ不戦条約(1928 年)以来の国際法の確立された用語上の慣行として、「侵略戦争」のみを放棄して」るという意味で、つまり、ここでは自衛戦争はできることになる。しかし、2項が、「陸海空軍その他の戦力」の不保持と「交戦権」の否認を決めている。つまり、日本は、国家として国際法上の「戦争」を行う条件としての「軍隊」の類と「交戦権」のいずれも持たないと世界に向かって誓ったわけである。これでは、侵略戦争に襲われた際に「自衛戦争」をすることもできないことになる。これは、日本ほどの大国が、「何があっても戦争はしない(できない)」と自らの手を縛ったわけで、画期的なことである。もちろん、これを「半人前」の国家にされた「押しつけ憲法」だと怒る人もいる。それがいわゆる「自主憲法制定派」の基本思想(怨念)日本国憲法が、第二次世界大戦の敗戦国としての日本の世界に対する「詫び証文」である以上、それは仕方のないことであった。と同時に、それが非現実的なものであったとしても、人類の一員としては、理想主義的な正しい挑戦ではあった。? しかし、現実には、1945年に北海道占領を目指したソビエト連邦(現ロシァ)が北方4島まで進軍して来てアメリカに押しとどめられていた。また、49年に中国内戦を共産軍が制した。さらに、51年に朝鮮戦争も始まった。そこで、現実に他国軍が日本国内に攻め入った場合に他国の軍隊に対抗し得るわが国の「軍事力」の必要性が課題になった。? しかし、憲法により、国際法上の戦争の担い手としての「軍隊」の保持は禁じられている。そこで、行政権(憲法65条)の一環としての警察の手に余る危険を除去するための実力組織(警察予備隊)としての「自衛隊」が創設された。もちろん、自衛隊は、警察である以上、「国内」でしか活動はできず、海外(他国領域)で軍事活動をしたら、国際法上は海賊か山賊(つまり、犯罪者)になってしまう。だから、「海外派兵は憲法違反」なのである。?C「非武装・平和外交」で国の独立は守られるのか?? 最近、「世界には20か国以上も軍隊を持たない国があるが、その中のーつも侵略されていないではないか―」などと、無責任なことを公言している憲法学者?がいる。しかし、これは極めて重要な点であるので、私は憲法学者として反論しておきたい。確かに現在の地球上で、20以上の国が「軍隊」を持ってはいない。だが、その多くは日本の自衛隊のような警察部隊を持っている。コスタリカ、パナマ、ドミニカ、グレナダ等である。また、他国軍に国防を託している国もある。リヒテンシュタイン、アイスランド、アンドラ、モナコ、サモア等である。しかも、全て、日本と地勢的位地が違い、日本のように歴史的な恨みを買ってもいない。? だから、現在、世界の中で、日本を含めて、「非武装」で国の独立を守っている国は、事実として、一つも存在しない。?D「専守防衛能力の維持+外交努力」で国は守られるものだ? 世界の現実を見れば、各国の独立は防衛能力の維持と日々の外交努力によって守られている。? 世界史の中で、アメリカ、ロシア、中国といった大国は、平然と国際法を破り、侵略戦争を行っても自ら責任を取ってはいない。だから、今、自公政権が問答無用で推し進めている自衛隊を米軍の二軍化する政策は、いつか日本がアメリカの侵略戦争に自動的に参戦させられてしまう危険性を孕んでいる。それでは、日本は、国際法と憲法に違反してしまう。それ以上に、それは私たちの多数の意思に反してしまうし、何よりも私たちの利益に反する。これを止めさリるために、立憲野党は連帯して、その不当性、違法性、危険性を主権者国民に知らしめるべきである。 (にもかかわらず、街頭で、「戦争をする国にしてはいけない―」と騒いでいる人々を見ても、何かピンと来ない気がする。そこでは、それが「なぜか?」と「ではどうすべきか?」が語られていないので、大衆の心には届かないのではないか。
(了)                                                   

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