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世田谷九条の会のニュース71号小林節氏の講演「岸田内閣の安保政策と憲法9条の価値」 

2023年12月06日 外部ブログ記事
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世田谷九条の会のニュース71号が配達されました。以下小林節氏の講演を転載します。
>11月18日(土)の午後、梅丘パークホールで開かれ、65名の方が参加し、小林さんの舌鋒鋭いお話しに聞き入りました。講演会にはお忙しい中、落合衆議院議員、中里区議会議員も参加されました。ご講演をお受けいただいた小林節さん、参加された皆さまに事務局を代表してあつくお礼申し上げます。<


18?周年のつどい一小林節さんが講演? 「岸田政権の安保政策と憲法9条の価値」?
 11 月18 日(土)、世田谷・九条の会18 周年のつどいが梅丘パークホールで開かれた。連日区内・区外でさまざまな取り組みが行われている中、この日も区内で集会や宣伝が重なるという困難な事情があったが、65人の方が参加された。随所で笑いを誘うウイットに富んだお話しをされた小林節先生と、参加された皆さんに、事務局として心から感謝申し上げる。以下、事務局の責任で小林さんの講演をまとめてみた。? 小林さんは、最初に自身が「改憲論から護憲論に変ったと評されている」件について、「私は、日本国憲法は一貫して良いものだと思っている、活かすためにはどうモデルチェンジしたらいいか」という「立憲的改憲」を追究してきたのであって、自民党のいう明治憲法的なものに戻そうという改憲論とは異なる、この点誤解を解きたいと述べた。護憲の立場に立つ人は憲法を大事にするあまり、触らせないと同時に自分も触らないという傾向があるが、使いこなす、活かすことを考えて行って欲しいと力説する。自民党の人とも話を続けてきたが、自民党の憲法改悪、憲法を無視した憲法破壊と意見が合わなくなり、これを妨害しようという立場に変った。?岸田政権にはもう憲法改正する政治的力がない。だが例えば石破氏に変ったら、彼は覚悟した改憲論者だから真正面から9 条を変えようとしてくるからかなり手強いだろう。この点は注意しなければならない。さらに護憲派の人に気を付けて欲しいことは自衛隊を敵視しないこと。?今、世界中で「いかれた」戦争が起こっているが、非難すべきはこれを悪用している政治家であって軍隊ではない。軍隊は道具だということを理解すべきだ。?
 事務局では、当日配布された小林さんのレジュメとは別に、ロシアのウクライナ侵攻がすでに1年9ケ月近く、またパレスチナ・ハマスのイスラェルへのミサイル攻撃に端を発したイスラェルのガザ地区への空爆、地上侵攻で日々多くの民間人が犠牲になっているという差し迫った事態に、私たちができることは何か、サジェスチョンをいただきたいという思惑から、あらかじめ何人かの方に質間事項をお聞きし、中から3点を挙げ、講演の中に組み入れていただければありがたいとお伝えした。それは、以下のようなことだった。?
@ 国際法(とくに戦時国際法】例えば戦争犯罪法)違反とされる民間人を巻き込んだ戦争が続いています。国際刑事裁判所が有罪との判断を下しても、その国を出ない限り罰せられたり、規制されたりすることなく、犯罪行為を繰り返していることに心が痛みます。どうしたらこうした国際ルールは守られるのでしょうか。素朴な疑問ですが、見解をお聞かせください。?A 岸田政権の安保政策は三文書や膨大な防衛予算の増額報道で目に見えますが、右派野党(国民、維新、参政など)の安保政策はあまり聞こえてきません。どういうものなのでしょうか。B ウクライナに続き、パレスチナでも悲惨で野蛮な殺りくが連日続いています。高齢である私は、ユニセフやUNHCR、 また国境なき医師団などへの力ンパ、web 上での署名などはできるかぎりやっていますが、今ひとつ貢献できていないことを歯がゆく思っています。今私たちにできることは何なのか、日本政府が為すべきことは何なのか、ご指摘いただければ幸いです。?
 小林さんは、これらの質問が最近良く聞かれる質間だということで、これに答える形で講演の口火を切った。第一の「戦時国際法」は、戦争と人権の問題。「国際法」とは国と国の付き合い方を規律する条約・協定や慣習に過ぎず、「世界政府」が無い以上、これに反する行為(戦争犯罪)があっても国内法と異なり、厳格に取り締まることはできないと限界を指摘した(なお、ICCがプーチンに下したのは「有罪」ではなく、「逮捕状」)。戦時国際法は、よく「国際人道法」とも呼ばれるが、兵士よりも民間人の死者の方が多くなった第一次大戦が転機となり、戦争に巻き込まれる民間人を守るための法として広がった概念であるが、これも慣習の域を出ない。? 第二の与党寄り野党の安保政策だが、それぞれ「これだ」と信念をもった政策があるわけでない。大衆受けする、右でも左でもない「中間的なところ」を掲げ、政治をビジネスとする人たちだ。だがそれだけに、注意を払う必要がある。自民党は米軍に追随して世界の軍事大国として兵隊と武器とお金をもってアメリカに付き合おうとしている。国民には、それも不安だが、ロシア、北朝鮮、中国の軍事力に対しても不安がある。日本は、経済的、地理的にも、また、かつてアジア諸国に侵略した歴史を持っているから、軍事的攻撃を受けてもおかしくないという位置にあるためだ。安保三文書の改定で打ち出した「自衛隊の米軍の二軍化」でもいいと思ってしまう。だから「9条を神棚に上げて拝んで」いるだけではだめだ。選挙になると、両者に不安を抱く政治的に中間的な層は、自民党は嫌だとしても、それに近い維新や国民民主などに票を入れてしまう。? 第三の点は現実を見て欲しい。寄付対象は国連機関のものであっても慈善団体であり、それ以上のものではない。大事なことは慈善団体の応援だけでなく、非人道的な行為をする国々に対してはっきりモノを言える政府を作り、(外交上の)緊張関係を作ることだと話をつなげる。? 「戦争法」の時にはあらためてしみじみ勉強した。9条はなかなか良いものだと思う。憲法9条は1項で、国連憲章では認められている自衛の戦争も放棄し、2項で戦争担当部門は置かず、交戦権を放棄するとした。戦争を放棄したということは海外派兵をしないということ。今の自衛隊は憲法65条の行政権のもとで作られた専守防衛の第二警察だ。よく考えたら日本ほどの国で、「こちらから喧嘩をしかけません」と言っているのは世界にひとつもない、これはすごいこと。だから好戦的でない感じ良い国という信用があった。それで戦後復興ができた。自民党右派は最近のいわば戦国乱世の中で、一人前の国家にしたいと言い、集団的自衛権という交戦権を認める安保法制を成立させた。これは明らかに憲法違反だ。? 幸いなことに憲法は一字一句変っていない。だから政権交代すれば、法律も取り消せば良いし、予算の執行停止も組み替えもできる。憲法改正をさせない政権交代こそがカギだ。国会で多数派となり、政権交代するために肝心なことは、自衛隊は「平和の敵」ではないことを知ることだ。専守防衛である限り自衛隊は悪くない。繰り返しになるが、平和の敵は自衛隊を悪用して他国の戦争に参加しようとする「愚かな政治」だ。? 岸田内閣は改憲できない。なぜならまだ条文もできていない。憲法の三原則は守ると言っているがこれがまったくの嘘。2012年の自民党改憲案はこれが本心だが、明治憲法に戻ってしまっている。平和主義についていえば、「交戦権」を認めて軍国主義に戻ってしまっている。草案102条では、「国民は憲法尊重義務」、権力者(公務員)は「憲法擁護義務」(管理する)を規定している。これでは国民主権ではなく、権力者主権だ。「人権尊重」については、国旗を「日の丸」、国歌を「君が代」と定めている。尊重義務に従って国民は起立斉唱を求められ、それに背けば、公務員たる教員に「非国民」呼ばわりされることになる。これは人権尊重ではない。(仮に改憲が発議されて)公開討論が始まったら、私も弁護士仲間もたたかう。論破できる。九条の会の人も、こうしたことを自民党の会合などに行って質問したり、論争を仕掛けたりするおしゃれないたずらをしてほしい。?
 2018 年に安倍内閣が出した「改憲4項目」は馬鹿話。憲法に「自衛隊」と言う文字を入れるだけと言うが、たとえ入れても機能として海外派兵はできない(だから集団的自衛権は違憲)。?「緊急事態条項」に相当する非常事態に対応するための法律は、感染症対策基本法、災害対策基本法、国民保護法等々ですでに整備されている。なぜそれを憲法に書こうとしているのか、世界の前例でいうならナチスの全権委譲法に繋がるものだ。選挙区の話も、国会議員は人の代表であって、川や橋、畑の代表ではない。教育の充実も憲法に書かなくてもできることだ。こうした点は、護憲派が公開論争で論争を避けない限り、中間派世論(多数派)を啓発できるはずだと念を押す。?
 講演を通して強調された点は、無党派層が広がっている今、護憲派は候補者の好き嫌いで判断するのではなく、割り切って小選挙区では野党共闘で勝てそうな候補者に一本化し、比例区でそれぞれの政党が力を尽くして中間層を啓発し、多数派になるということだった。
 質疑では9つほど質問が出された。そのひとつとして、政権交代が実現したとき、米国が妨害するのではないかというのがあった。小林さんが、「米国との付き合い方には気を付けなくてはいけない。裏取引はダメ、メディアを連れて行って、オープンに正論を交わすことが大切。」と回答されたことが印象的だった。?
【参加者の感想文から】?〇 直接お話しを聞く機会を得られ、とてもありがたかった。自衛隊と9条の関係を整理してお話しされ、その点がわかりやすく、説明に得心した。?〇 自民党改憲案の問題の指摘など、大変明快で分りやすく参考になった。政権交代を目指さなければと改めて感じた。?〇 経験によるわかりやすいお話しでした。?〇 新聞などで論説は拝読していましたが、今日直にお話しを伺って、ざっくばらんで非常に分りやすいお話しを聞くことが出来ました。自衛隊を敵にまわさないで!!との説、良く解りました。国民を守るために専守防衛のみに徹することですね。〇 ふだんまじめに考えたことがなかったので、よい機会になりました。?〇 流石憲法学者。いちから戦争は出来ないと規定している。?〇 分りやすい話で良かった。政権交代をすれば良いとのこと、ぜひ実現させたいと思った。少し気持ちが良くなった。?
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小林節氏は>専守防衛である限り自衛隊は悪くない。<と語られています。「岸田政権の安保政策と憲法9条の価値」をテーマにして、「しんぶん赤旗」又は「雑誌前衛」で、「憲法9条」「自衛隊」「専守防衛」「日米安保条約」「日米地位協定」を日本共産党志位和夫委員長と小林節氏との対談して欲しいですね。
(了)
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