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雑感日記

カワサキ単車の昔話  13     増販と資金繰り 

2023年08月21日 外部ブログ記事
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★二輪業界の増販競争が一番激しかったのは、 昭和50年代のホンダとヤマハの増販競争・HY戦争と言われた時代かなと思うが、 50ccのモペットの台数増販競争は熾烈を極めたものだった。 これはホンダのロードパルの発売あたりからスタートし、 それに対抗してヤマハも頑張ったので、 市場は乱売合戦がすさまじかったのを想い出す。    これは日本の50t市場の乱売合戦だったので、 50tのモペットを持たないカワサキは横から眺めていたのだが、 それがアメリカ市場にまで飛び火して、大変なことになったのである。★1980年頃だったと思うが、アメリカでも安売り競争が始まって、 KMCは年間100億円の赤字が2年も続き、 銀行借り入れ金が300億円にもなって 当時のアメリカの金利が18%の時代だったから、 その金利だけでも50億円近くになり大変なことになったのである。 当時の川重本社は造船が絶頂期だったから、事業部の赤字ならそんなに大したことではなかったのだが、 子会社のKMCが100億円もの赤字を出すと、連結決算で川重本体の利益が相殺されてしまうので、 大変なことになり、川重財務本部が乗り出して、300億円もの単位での対策を行った時期がある。 これは資金対策の問題なので、当時の事業部におられた技術屋さんなどは、 全く知らない事実でこれを知ってる人は限られた極く少数の人だけなのである。 事業本部の赤字ではなく、子会社KMCの赤字だから、販売会社の赤字をどうしたら止められるのかは、 販売会社経営のノウハウなので、当時は販社の経営などやった経験者は川重籍の人達にはいなくて、大変だったのである。★この事態を総責任者として対応されていたのは、当時の川重の副社長の山田熙明さんで、 山田さんから突然呼び出されて「このKMCの期間損益の赤字は止まると思うかか?」と仰るので、 「直ぐ止まると思います」と答えたら、「それならお前がやれ」と販社から企画に呼び戻されたのである。 販売と言うのは規模の大小はあるが、小さな小売店から大商店まで、 ちゃんとやると「赤字などにはなったりはしない」のである。 それが赤字になってしまうのは、実力以上に売ろうとして、 大量に仕入れたりするので、その資金負担などで赤字になってしまうのである。 事業部のほうも沢山生産し沢山販社に売ると事業部の利益は上がるので、 資金繰りとか営業外損益の理解のない人たちは、 つい『大量生産・大量販売』の方向に走ってしまって、 それが販社の実力以上の台数だと、販社の破綻に繋がってしまうのである。★「沢山売ると沢山儲かる」それはそうなのだが、 それが実力内かどうかが問題なのである。 カワサキの単車の創成期には、全国には自前の代理店があって、 代理店が販売店に卸していたのだが、 その時代の代理店は、実力以上に売り過ぎて、資金が回らなくなり、 メーカーの資金援助を受けて、結局はみんなメーカーに取られてしまったのが、日本の販売網の歴史なのである。  当時、私は若かったが東北6県の代理店担当だったから、 メーカーの増販要請に応じたメーカーに協力的な代理店から順番に、資金が破綻していったのを目の前で見ていたのだが、 これはカワサキだけではなくて、ホンダ・ヤマハ・スズキも同様で、 日本の二輪の販売網は今のようなメーカー直轄の販売網になったのである。★ カワサキの場合は、特に当時は、販売が解る人など殆どいないというか、 第1線の販売はメイハツ・メグロの出身者が担当していて、 川重籍では極端に言うと『私だけ』と言ってもいいほど少なかったのである。 カワサキの場合は他社に先駆けて『中大型スポーツ車』の 250A1    500マッハV     Z1 などスポーツ車が海外市場で好評で、     在庫など溜まるよりも『数不足』の状態だったから 当初は海外のどの市場も問題なく、カワサキの二輪事業は成長の一途を辿ったのである。 ★ それが1980年代になって、 初めて海外販社の「在庫過多」と言う初めての事態に直面して、 営業外損益が大幅な赤字になり、 その対応が解らずに、大変なことになってしまったのである。 私は企画に戻って、世界の販社の経営再建にあったのだが、 半年で、世界の全販社が黒字転換し健全経営に戻ったのである。 これは何も私の力で戻ったのではなくて、 当時川重財務本部が300億円もの対策資金を用意してくれたので、 この資金を全販社の営業外損益対策=資金対策に充てて、 実力通りの適正販売量に戻しただけのことなのだが、 そんな具体的な対策が打てたのは、 若いころに東北6県の代理店の資金対策を直接見て知っていたからなのである。 要は、そんなに欲張って、実力以上の増販などしなければ、 販売と言うか販売会社は常に儲かって黒字なのである。  

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