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葵から菊へ
日本共産党地方議員の三つの任務
2023年07月05日
テーマ:テーマ無し
あけび書房刊「希望の共産党」に、内田樹(うちだたつる)氏が「比較共産党史から見る日本共産党」を寄稿している。
次のような記述がある。
『日本における共産党の現実的な影響力についての質間にはこう答えた。? 日本共産党はマルクス主義政党だが、選挙で共産党に投票する人たちの多くはその綱領的立場に同調しているというよりは、党の議員たちが総じて倫理的に清潔であり、知性的であり、地域活動に熱心であるといった点を評価しているのだと思う。』?
1971年4月、新宿区議会議員に初当選して間もなく「ビル建設の日影」問題で相談が寄せられた。以後、全く見知らぬ住民から「ビル・マンション建設」問題の相談がひっきりなしで寄せられたが、自民党や公明党とは違って「団体・企業献金」を受け取らない日本共産党の議員だからとの信頼があったと考えている。内田樹氏は「倫理的に清潔であり、地域活動に熱心」だと評価されている。
1070年8月、日本共産党第一回地方議員全国研究集会で不破哲三書記局長(当時)は、「自治体活動と人民的議会主義」として「三つの任務」を掲げたが、翌年、初当選した管理人は実践してきたと自負している。
『 大会の決議は、第十六項「国会と自治体、選挙闘争での前進」 の項の冒頭の部分で、われわれの議会活動の三つの任務についてつぎのような定式化をおこなっています。? 「国会はたんに政治の実態を人民の前にあきらかにするだけでなく、国民のための改良の実現をはじめ、国民の要求を国政に反映させる闘争の舞台として重要な役割をはたす。さらに、今日の日本の政治制度のもとでは、国会の多数の獲得を基礎にして、民主的政府を合法的に樹立できる可能性がある」。? ここであげられている三つの任務は、直接には国会についてのべられたものですが、基本的な点において、地方議会での活動にも共通するものであります。まず第一の 「政治の実態を人民の前にあきらかにする」 ということは、いまの自民党の政治、反動政治の実態を議会での質問や討論、そこに提出されてくるかれらの諸政策への批判を通じてあきらかにするとともに、人民の利益をほんとうにまもりその要求を実現する道が、自民党政治、反動政治を打倒して新しい民主的な政治をうちたてる方向にあることをあきらかにすることであります。またここで解明すべき「政治の実態」のなかには、さまざまな中間政党の政策の性格や限界にたいする批判も当然ふくまれているということを忘れてはなりません。? これは、いうまでもなく革命ーー社会の根本的な変革を追求する党としては重要な任務であります。 しかし、このことだけに終わったならば、われわれは、わが党の議会活動にあたえられている任務の半分もはたさないことになります。? 大会決議は、同時に、第二の任務として 「国民のための改良の実現をはじめ、国民の要求を国政に反映させる」任務をあげ、この闘争の舞台としての役割に、国会とそこでの活動の重要な問題があることを指摘しています。つまり、中央でも地方でも、人民の切実な利益をまもり、反動政策に反対するとともに、人民の要求に合致した一定の民主的改良を実現する闘争に、わが党の議会活動のきわめて重要な任務があります。? さらにつづいて、国会の多数を基礎にして新しい民主的な政府を樹立する可能性を追求することが、第三の任務として指摘されていますが、これを地方政治の問題に翻訳するならば、それは自治体の首長を民主勢力でしめることとともに、民主的な統一戦線が地方議会の多数派となり、それによって自民党の反動政治のもとでそれぞれの地方で民主的な地方政治を樹立する可能性を追求するという任務であります。? 議会活動の三つの任務についてのこの定式化は、革命と改良の関係についての原則的な見地を、議会闘争の分野に適用したものであります。われわれが議会でさまざまな活動をやる場合、つねにこの三つの任務にてらして正しく活動をすすめてゆかなければなりません。以前から科学的社会主義の議会活動の方針について、「宣伝・扇動の演壇」とか「暴露の演壇」とかいうことがよくいわれます。これは科学的社会主義の立場からみた議会活動のーつの側面、いまあげた三つの任務のなかの第一の側面だけをとりだしたものであって、これだけをわれわれが議会活動の主要な任務だと考え、要するに相手を暴露すればいい、他の党を暴露すればいい、そういう一面的な、安易な態度で議会活動にのぞむならば、これは重大な誤りをおかすことになります。これは党大会の決定がきびしくいましめているところであります。? われわれは議会でどんな活動をやる場合でも、この三つの任務、とくに第一の任務と第二の任務の両面から、なにが問題かを十分に考えて活動する必要があります。たとえば、行政当局にたいする議会での質問についても、ある場合には、自民党の「政治の実態の解明」、つまり、当局が住民にかくしている真実を、議員の質問権を行使して、議会での討論を通じて追求し、そこで明白にされた材料をもとにして、広範な住民のあいだに実際におこなわれている政治の実態を知らせ、民主的な政治をめざしての政治的自覚をたかめる、こういうことをおもな目的とした質間もあります。それからまた、ある場合には、たとえ相手が自民党の施政者であってもそこに人民の切実な一定の要求を、質問という形を通じてつきつけ、かれらの政治に反映させる、とりいれさせる、こういう目的をもった質間もあります。もちろん、多くの場合には、この二つの目的は、有機的に結びついていますが、われわれは、質間という問題一つ考える場合でも、ただ漫然と質間するのではなく、そういう角度からいったいなにを目的にしてこの問題をとりあげるのか、そのことを明確にし、その効果を正しくあげられるように、目的にかなった準備や工夫を十分におこなわなければなりません。こうして、全体として、この三つの角度から、議会活動が効果的にすすめられるように努力する必要があります。そういう点で、大会決定の、議会活動の任務についてのこの規定を、活動の基本点として正確にすえてもらいたいと思います。 』
1998年4月、日本共産党全国地方議員会議が「パシフィコ横浜国立大ホール」で開催され、不破哲三幹部会委員長(当時)が、同じく「地方議員の三つの任務」について報告した。
管理人は、翌年4月に7期28年で新宿区議を引退した。
参考blog記事
日本戦後史論 内田樹×白井聡 「岸ファィルは安倍晋三がいる限り、日本では資料は公開されない」
(了)
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