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葵から菊へ
国立競技場は国費10億円を投入。国際コンペ安藤忠雄の責任を問う
2022年12月29日
テーマ:テーマ無し
28日にスポーツ庁は毎年国立競技場の運営費に国費を10億円投入していくことを公表しました。開閉式の屋根と空調設備がないことが収益に大きな要因だと言い訳をしています。
2011年11月新国立競技場国際コンペで「英国の女性建築家ザハ・ハディッド氏」の作品を最優秀賞に選定した建築家安藤忠雄の責任を改めて問いたいと考えます。
【JSC新国立競技場 国際デザイン・コンクール報告書】をご覧いただければ、「開閉式屋根」がある日本人建築家の入選作品があります。
『新国立競技場計画変更案の経緯』
管理人が金沢市にいた2012年11月、『英国の建築家ザハ・ハディド氏による複雑な流線形のデザインを採用 建設費1300億円』が新聞紙上やテレビニュースで見たときはビックリしました。それは新宿区戦争遺跡・遺構の一つ「大番町跨線橋」と新宿区立四谷第六小学校校舎脇に、「二本のスカイブリッジ」となっていたからです。
外苑東通り(都道環状3号線)のJR信濃町駅前の交差点から、慶応大学病院脇を通り、外苑西通り(都道環状4号線)の新宿御苑正門前に出る新宿区道【43ー120号】と接続をする設計図となっています。この区道は幅員9メートル、車道7メートル、歩道は片側に2メートルしかない交通量が激しい通学路です。(現在は、慶応病院敷地と四谷第六小学校敷地をセットバックし、歩道幅員を3メートルに広げています。)「新宿区道路台帳」日清戦争時に、東日本の軍隊を訓練する目的で陸軍青山練兵場がつくられ、甲武鉄道(現JR中央線・総武線)千駄ヶ谷駅から、軍用引き込み線で青山軍用停車場も敷設されました。北側には輜重聯隊兵営と兵器廠弾薬庫が置かれ、練兵場へ三本の跨線橋も敷設されました。明治天皇が逝去したときに、青山練兵場が葬場殿となった後は、現在の明治神宮外苑となりました。兵営と弾薬庫跡に慶応義塾大学が病院をつくりましたので、不要となった二本の跨線橋は撤去されました。中央線と総武線の複々線工事の時に「大番町跨線橋」として敷設されました。現在は老朽化したので歩行者専用道として利用されています。1968年に国鉄が分割民営化された頃、この跨線橋を新宿区の管理橋にしてもらいたいとの要望がありましたが、昭和初期に築造された構造物には、莫大な維持管理費が見積もられたので断ったそうです。【退職した元土木部係長談】ですから現在も、JR東日本の所有物です。本来、JSC(日本スポーツ振興センター)の所有権がある旧国立競技場の土地だけで、新国立競技場計画のデザインコンペをするのが常識です。ところがザハ・ハディド氏は、宗教法人明治神宮、首都高速道路4号線(首都高速道路公団)、JR東日本の線路、新宿区の道路という権原【注】に、関係者の同意もなくデザインをしたアンフェアーなザハ・ハディド氏と、そのデザインを絶賛した建築家安藤忠雄氏らの審査委員の見識が疑われます。パースを見ると高速道路の下にアクセス道路を敷設しているので、この跨線橋は撤去し、新規道路を構築する設計ですが、電車の運行が終了した夜間だけの解体・撤去作業と新設工事の予算と工期は考慮されていないと考えられます。日建設計などが、初期の実施設計段階で「権原問題」に気がついていたのかも知れません。【注】土地、道路の底地権のこと。権限と区別するために“けんばら”と区役所では呼称。あぜ道は“あか道”、水路は“みず道”として市街地に多く見られます。信濃町の創価学会名誉会長池田大作氏自宅前の区道と区道に接している私道を創価学会が通行止めにしてしまいました。底地の権原は財務省でしたので勝手に通行止めにすることは許される行為ではありませんでしたので、管理人は国会議員団と池田大作氏自宅前を調査した結果、誰でもが再び通行できるようになりました。福祉予算を縮小するばかりの国家財政を考えたときに、オリンピックとパラリンピックだけで、国民の倖せを求めることは出来ません。「福一の汚染水」問題もありますので、ここで潔く返上することを決意すべきだろうと、当時は考えました。 「日清戦争時の青山練兵場と付属施設」
2015年7月8日、管理人はJSCに電話をして英国建築家ザハ・ハディド作品の選定経過を確認しました。 @ 2012年11月に安藤忠雄審査委員長が第一次、第二次選考を経て最優秀作品にザハ案を決定しました。 安藤氏は世界に誇る富士山は自然が作り出したものだ。建築物として世界に誇れるものを作りたいと言ってこのザハ案を強く推薦したとJSCの担当者がそっと漏らしくれました。 A 2013年3月にザハ氏が来日する以前に、スカイブリッジの北側部分(首都高速4号線とJR中央線・総武線)に橋を架けて新宿区道43−120号に接する二本のアプローチは中止することを申し入れデザインを修正しました。そしてその修正作品に対して表彰したことになります。ここに国民が理解しにくいカラクリが潜んでいます。 東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会が、2013年1月7日、14項目から成る【立候補ファイル】を国際オリンピック委員会(IOC)本部(ローザンヌ)へ提出した際の【パース写真】は、ブリッジの部分が修正されたものだったことを確認しました。 B 基本設計をする段階で、更に縮小し現在のデザインとなり、2520億円の実施設計で契約、10月着工の強硬姿勢をとっています。 JR中央線・総武線にブリッジを架けている作品は、ザハの作品番号17と作品番号23:黒川・DNA・オリエンタルコンサルタンツ・ナインステップス設計共同企業体のみの2作品だけで、第一次選考の11作品中にはザハ案だけとなっています。 【JSC新国立競技場 国際デザイン・コンクール報告書】作品番号23はJR信濃町駅と千駄ヶ谷駅に直接接したブリッジが架けられていますが、駅舎の改修が前提となる案なので実現性はありません。ブリッジ部分を拡大した図
『招致ファイル問題』
国際オリンピック委員会に提出した「招致ファイル」に添付された「国立競技場パース」には、ザハ案の特徴であった新宿区道に接続する「二本のスカイブリッジ」のデザインパースが何時の間にか消えていたことが分かりました。
「招致ファイル」に添付された「国立競技場パース」
11月から1月まで、「二本のスカイブリッジ」を止めたデザインにするために、英国ザハ設計事務所とどのような国際電話やメールがあったのか「JSC」と「文部科学省」宛てに情報公開請求をしましたが、「文書不存在」で不開示となってしまいました。
(了)
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