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高輪築堤保存問題番外編「日清戦争と鉄道の歴史」 

2021年04月03日 外部ブログ記事
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当時、日本と清国の国際情勢は険悪な状態にあった。そのため軍部は、青山練兵場に軍用停車場を設け、甲武鉄道線と連絡して、西は広島、北は青森までの軍隊の直通輸送計画をたてていた。

甲武鉄道は明治22年5月22日に、新宿―八王子線を神田区三崎町まで複線延長させる市街線の仮免許状下付を出願した。これは、市内の軍隊輸送を迅速円滑化したいという陸軍の要望がきっかけになっていた。陸軍はすでに、新宿と小石川の陸軍砲兵工廠(水戸徳川家上屋敷跡である。現在は東京ドーム、文京区シビックセンター等となっている)との間に鉄道を敷設することを日本鉄道会社に諭示したという経緯があった。 同年7月13日に仮免許を得ると、すぐに測量にかかった。当初は現在の靖国通りルートを計画したが、陸軍から青山御所地下にトンネルを掘ることを許すからと千駄ヶ谷へのルート変更を強要された。曲折のすえ、現在の中央線の位置に落ちつき、明治26年3月1日、市街線新宿―四谷―飯田町間建設の免許状が下付され、7月から着工の運びとなった。
一方、甲武鉄道会社は軍部の要請で、軍用停車場と軍用線の建設工事を委託され、工期を1ヶ月半と要求されたが、全力をあげてこれに当たった。その結果、市街線開通直前の9月17日に工事を完成させ、6日後から軍隊輸送を行った。この間、8月1日には日清戦争が勃発していたのである。
「東京の戦争遺跡を歩く会」説明パネル(東京砲兵工廠と飯田町駅)

「東京の戦争遺跡を歩く会」説明パネル(四谷御所トンネルと青山軍用停車場)



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四ッ谷トンネルに付けられた兜レリーフ。右が飯田町駅方面、左が新宿駅方面(現在、鉄道博物館が所蔵している。)

甲武鉄道市ヶ谷駅から四ツ谷駅方面に向かう列車。正面の市ヶ谷台には陸軍士官学校が見える。

JR総武線下り線「旧御所トンネル」。東京メトロ丸ノ内線四ツ谷駅荻窪行き1番線プラットホーム最先端が旧御所トンネルが良く見える。

青山軍用停車場から将兵が乗車する写真。(出典は不明)


日本鉄道会社は、軍部の要請を受け、同会社線品川駅―目黒駅間の大崎駅から分岐して東海道線品川駅―大森駅間の大井町駅に接続する軍事専用短絡線(品川西南線)を起工し、8月下旬に完成させた。「埼京線」と「湘南ライン」は、大崎駅から分岐したそのポイント線路を利用しているのである。(「東京の戦争遺跡を歩く会」説明パネル)

「頭端式ホーム」であった横浜駅では、軍用列車を効率よく広島方面に走らせるために、新たに通過式ホームの神奈川駅を設置した。
海軍の軍港・横須賀港までの横須賀線も敷設された。東海道線大船駅から分岐し逗子駅を経由したのは、敵艦隊からの艦砲射撃を避けるためであった。(「東京の戦争遺跡を歩く会」説明パネル)

広島駅から宇品駅までの短絡線も敷設され、宇品港から朝鮮半島と中国大陸に向けて将兵、軍馬、兵器、食料、衣類が輸送された。(旧陸軍被服支廠の煉瓦建物の保存運動がある。)


「赤帽」(ポーター)の由来
現在、「赤帽」と言えば「軽トラック運送店」のことであるが、『ウィキペディアWikipedia)』「ポーター(鉄道)」には下記の通り書かれているが、中国に旅行したときは哈爾浜駅や大連駅で良く利用したものである。

2006(平成18)年岡山駅で赤帽が廃止、日本の鉄道から赤帽が消えた。
2012(平成24)年ヤマト運輸が東京駅でポーターサービスを開始。日本の鉄道にポーターが復活した【東京駅丸の内北口・外国人向け窓口のクロークサービス】
山陽線の運轉に依って外征の我が将兵、諸材料、糧食、弾藥・・・・・・を速かに乗船せしめ得ることゝなつたが、廣島から字品間の鐵道は、山根少佐ー武亮ーの指揮によつて陸軍省が敷設し、こゝに陸上に於ける運輸は直ちに完成し、臨戦の準備整つたのである。                     今も鐵道には旅客の手荷物の搬送人として赤帽がゐるのですが、この赤帽も其の時代の好き記念で、廣島驛が開通し、軈(やが)て普通の旅客を取扱ふやうになつた時、旅客の手荷物を搬送する者が制限なしに停車場に出入りしては、軍機上からも考慮せねぼならぬと云ふので、その數を指定し、且つ目印の爲に赤帽を被らしめることゝしたのです」 と山陽鐵道の運輸課長(事務取扱)であり、廣島驛の開通と共に、會社代表の軍事擔當人属員ともなつた西野恵之助氏は、その頃のことを沁々と語つてゐた。(原文のママ)


(了)
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