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平成の虚無僧一路の日記
偽書 『虚鐸伝記国字解』
2018年11月16日
テーマ:テーマ無し
『虚鐸伝記国字解』というのは、普化宗と虚無僧の由緒について書かれた書。江戸時代の後半に刊行されたもの。「虚鐸」とは「尺八」のこと。中国・唐の時代に「普化」という風変わりな禅僧がいて、鐸を振り、「明頭来明頭打、暗頭来暗頭打」と唱えて市中を托鉢していた。張伯という者が普化を慕って入門を請うたが、許されず、普化は鐸を振りながら去っていってしまった。それで張伯は普化の鐸の音を模して笛を吹くことにした。それで、その笛を「虚鐸」という。その張伯から16代目の「張参」の時、日本から「覚心」という僧が留学してき、「張参」から「普化宗」と「虚鐸」を学び、「宝伏・国佐・理正・憎怒」の四名の居士を連れて帰朝した。覚心は、帰朝後、紀州由良の興国寺の開祖となり、没後、「法燈国師」と諡された。覚心の高弟「寄竹」は、京都白河に「虚霊山明暗寺」の祖となり、また覚心と共に来朝した「宝伏」の門人「金先(斬詮)」は下総小金の「一月寺」の祖となった。南北朝の時代、南朝の忠臣「楠正勝」は「虚風」から尺八を習い、「虚無」と号して、天蓋を被り東国に落ち延び、筑波山に籠もって「古通寺」を開いた。それで「正勝」が「虚無僧の始まり」となった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・虚無僧尺八愛好家には根強く信奉されているストーリーだが、どう考えてもデタラメ。めちゃくちゃな内容。まず「普化禅師」は「鐸」を振っていたのであって、尺八は吹けなかった。「張伯」は、笛吹きであって「普化」に入門を断られたのであるから「普化宗」の僧ではない。それから16代も続いたことになっているが、中国に「普化宗」などは存在しなかった。それなのに、虚無僧たちは「法燈国師覚心」を「普化宗」の開祖と勝手に祭り上げた。「法燈国師覚心」の正式な史料では「普化」のことも「尺八」のことも全く書かれていない。それで「法燈国師覚心」は、中国から4人の尺八吹きを連れてきただけで、本人は尺八は吹かなかったと修正する話も伝承されている。京都明暗寺の開祖とされる「虚竹」については、中国から連れてこられた四居士の一人とする説と、居士から「普化禅と尺八」を習った日本人とする説がある。いずれも辻褄を合わせるための修正だが、年代など全く無視した内容で、ますます辻褄が合わなくなっている。明治になって「中塚竹禅」氏が、由良の興国寺で資料を調査したところ、覚心の日記・書簡等に、「普化宗」や「尺八」の事は一言も記されていないし、宝伏等四名の居士も「寄竹(虚竹)」のことも全く確認できなかった。「由良の興国寺」は、戦後「臨済宗大本山妙心寺派」の末寺に置かれ、住職は「妙心寺」から派遣?されており、寺を訪れても「虚無僧とは関係ありません」と冷たい。虚無僧側の全くの“片思い”なのである。『虚鐸伝記国字解』は『虚鐸伝記』と言う漢文の書籍があって、それを和文に書き改め解説した書という意味だが、その原本が存在しない。「楠正勝」は正史では実在が疑われている。「正勝」が尺八を吹いたという史料も他には見当たらない。というわけで『虚鐸伝記国字解』は「全くの偽書であるから、信用出来ない」と言うのが、今日の定説である。しかし、しかしである。「火の無いところに煙は立たず」。なぜ「普化禅師」が虚無僧の教義上の宗祖となり、その日本開山に紀州由良「興国寺」の開山「法燈国師覚心」が選ばれたのか、という謎に私は大変関心があり、虚無僧研究会の会誌『一音成仏』でも縷々述べてきた。今年、いよいよ集大成してみたい。
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