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<心に成功の炎を>87 

2018年07月17日 ナビトモブログ記事
テーマ:中村天風<心に成功の炎を>

 <訓言三> およそ人生の一切の事件は ほとんどそのすべてが自己の心の力で解決される。

 第一 いま言ったような考え方が至当だと私が言い張りたいのは そう考えてはじめて人間がこの世に生きていくうえで 自分というものを本当に研ぎあげる一番根底に必要な「自信力」というものがつくられるからだ。「自信力」とは自らを信ずる力のこと。
 そこで この「自信力」に関して ヨーガのウパニシアッドの経典の中に教えられているので それを私が日本語に翻訳して あなた方の参考に供したい。ヨーガの哲学ではこう言ってる。
 「およそ人間世界の出来事というものは 清純なる水のようなもので 本当からいうと 味もにおいも色も絶対ないんだ。けれども その味もなく 色もなく においもないものが 人間の心の中に宿っている自信力の強さ弱さで その出来事は なんといろんな味がついてくる においがついてくる 色がついてくる」
 わかりやすくいえば その味 色 においというのは 人間の「自信力」の強さ弱さでその出来事が 喜びともなれば また悲しみともなるということなんだ。だから 非常に優雅なものともなれば また非常に小憎らしいものともなるというようなふうに さまざまの変化ができてくる。
 そしてそのできた いろいろなにおいや味がついたものが 運命の瓶の中から人の世界の中にスーッと流れだしてくるんだよと教えてる。
 どうだい? 味わってみるとずいぶんおもしろいだろう。おもしろいというより むしろ非常に考えなきゃならない尊い消息じゃなかろうか。
 だから この言葉の意味を もっと深く考えてごらん。そうすると 人間の世界のすべての悲しいことも 喜ばしいことも 自分の心が作っているんだってことにすぐ思い当たるだろ。その心ってやつが「自信力」があるとないとでもって 右と左に歴然として分けられてしまうということを考えたら よりいっそう我々は平素の教えとじいっと引き比べながら現在どうだろうと考えなきゃいけない。
 だからね それを考えようとするときに こうするんだ。何かの出来事なり事情で 万が一意気が沮喪したとか あるいはまた ばかに元気がなくなっちゃったというようなことを感じたとき たとえば 自分が将来やりたいことを人に相談したら蹴られたり また自分の思ったことが思うようにできなかったときなんかには 普通の人間だったらだれでも 失望や落胆があるね そういうときに 今までと違った思い方をすることが秘訣の第一だな。
 その秘訣とは何だというと 一番先にその出来事なり事情を解決する手段や方法を考えないことなんだよ。どうだい?
 あなた方はたいてい 何とかして自分の現在の失望 落胆したことを取り戻そうと その出来事なり事情を解決するほうへ手段をめぐらすことが先決問題だと思うだろう。それが間違いなんだよ。
 一番必要なことは もしもこの出来事に対して息を消沈し 意気地をなくしてしまえば 自分の人生は ちょうど流れの中に漂う藁くずのような人生となって 人間の生命の内部光明が消えてしまうということをしんから思わなきゃいけないんだ。
 失望や落胆をしている気持ちのほうを顧みようとしないで 失望 落胆をさせられた出来事や事情を解決しようとするほうを先にするから いつでも物になりゃしない。
 つまり順序の誤りがあるからだめなんだ。いいかい ここのところをしっかり心得ておくんだよ。
 天風哲学は厳かにこう教える。およそ人生の一切の事件は ほとんどそのすべてが自己の心の中で解決される。心の力こそ生命の内部光明である。この光明こそは いかなる場合があっても 不滅不断の常世のともしびとして 我が命の中に輝かしていかなきゃならないのが 人間として自己に対する責任であるということを忘れちゃいけない

―続くー



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