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今日は南京大虐殺80年記念式典。「笠原十九司名誉教授の論考」 

2017年12月13日 外部ブログ記事
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今日12月13日は、日本軍が南京を攻略した日です。当時国内では提灯行列とバンザイで賑わっていました。
南京市の南京大虐殺祈念館では国家主催の記念式典が行われていることでしょう。

「南京事件研究」の第一人者である都留文化大学名誉教授笠原十九司先生が、雑誌「世界」12月号に「戦争の<前史>と<前夜> 日中戦争という過ちから何を学ぶべきか」という示唆に富む論考を発表されています。
その一部を転載します。


ーー今年は、日中戦争の全面化、そして南京大虐殺事件の発生から八〇年となります。まず、中国との戦争、とりわけ侵略と加害を振り返る意味について、先生はどのようにお考えでしょうか。(聞き手 本誌編集部・熊谷伸一郎)
(略)

深化する中国側の研究と議論
ーー中国側での日中戦争研究の状況や、日中戦争をめぐる記憶・記録の動向をどう見られていますか。
笠原 南京事件を事例にして言うと、日本の遅れを感じざるをえません。今年九月七日に南京で開かれた南京事件八〇周年の国際シンポジウムに参加しましたが、中国の学術研究が着実に広がり、高まっている状況を見て、ため息が出るような思いでした。中国では、当然のことながら歴史修正主義に 対する議論などに労力を使う必要はなく、地道な史実解明が 進められ、『南京大虐殺資料集』という七二巻の資料集などの形で結実しています。
 今年の国際シンポでの報告や議論の瞳目すべき特徴として、そこで語られている主要なテーマが、すでに残虐な史実の掘り起こしといった視覚から過去の不幸をどう乗り越えてい
 くかという切り口に変北していることが挙げられます。
 南京大虐殺記念館に来た中国の人々は「こんな酷いことがあったのか」と恨みを持つ。そのまま何の手立てもしなければ日本人嫌いになることも当然あるわけですが、(南京)が
そういう憎悪を拡大させるような記憶の装置であってはいけ ない、そのような問題意識が共有されています。南京事件と いう人類的な不幸が発生した原因を冷静に分析することによって、再びあのような虐殺事件が繰り返されないような状況をつくる、(南京)は人類の不幸を克服していくための発信地となっていかなければならない、という問題意識です。
 南京市が平和都市宣言を行ない、国際交流などの平和事業に取り組んでいく提案がなされています。これは、広島市と長崎市の取り組みに学んでいるのです。被害をもたらした国、
 広島と長崎でいえばアメリカですが、その国や国民への恨みを定着させるための場所として存在するのではなく、「過ちを繰り返さない」という意識を、国境や国籍を越えて共有し
 ていくための場所としていこうじゃないか、という提案です。
 また、侵略行為、加害行為への非協力をどのように制度的に保障していくか、という議論もなされていました。政府が侵略的な行為を行なうのであれば、それには従わない権利が
国民に存在する、国連もその概念を提唱しているけれども、それを中国でどのように具体化するのか、ということも議論されました。
  日本で一般的にイメージされている光景ーー中国の人々が南京記念館に行き、日本軍の残虐行為が誇張された展示を見て(反日)になるーーとはかなり異なる状況が出てきていま
 す。やはり経済的な豊かさや教育の普及ということもあり、議論のレベルが異なってきていることを実感しています。
  記念館の展示も、このような議論を受けて変化を遂げています。かつては南京事件の残虐性と愛国主義を強調することに力点が置かれていましたが、現在は研究の進展にともなう
学問的成果を積極的に取り入れた展示へと変わり、全体として平和研究やヒューマニズムにもとづく柔軟な姿勢になっていると感じます。(以下略)

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