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たかが一人、されど一人
官僚の悲哀
2017年06月17日
テーマ:テーマ無し
安倍政権のみが満足して通常国会の幕が下りた。これでも政権支持率が下がらなかったら、日本人はお人よしを通り越して馬鹿になってしまったと思わざるを得ない。文科省では官僚の反乱に火が付いたようだが、他の官庁でもまともな人材であれば、この政権の横暴をこれ以上許すべきでないと思うだろう。昨日も書いたが、国会議員は院外では不逮捕特権を持ち、閣僚ともなれば護衛が付いてテロからもがっちり守られている。官僚はそうはいかない。立法府なんて偉そうにしているが政治家なんて法律については疎いので、立法については1から10まで官僚頼みにならざるを得ない。国会での質問に対する答えも全て官僚が用意して、政治家はそれを棒読みするか、今国会の法務大臣のように答弁そのものを代わってやるかだ。最近は国会もテレビ中継が入るのでお馴染みの光景が蘇るだろう。そして挙句の果てに何が起きるか?政治家に責任が及びそうになると、その責任を官僚に負わせてしまうことになる。先ず思い出すのは内閣府で安倍昭恵夫人付きとなった谷冴子さんだ。森友学園事件の肝心要のところで、罪を全て引っ被らされてしまった。彼女が独断で財務省室長と接触できよう筈がないのは誰もが分かっている。けれど夫人側が指示した覚えがなく、財務省側が問い合わせに丁寧に対応するのはよくあること、と言ってしまえばそれ以上の追及が不可能となる。最近で言えば内閣府の国家戦略特区担当の藤島審議官なんか相当ヤバいことになるだろう。幸か不幸か政権が国会を手際よく閉じたので、加計学園問題がどこまで尾を引くか分からない。野党が本気で追い詰めれば、総理のご意向が無いにも拘らず藤島氏が勝手にその印籠を振りかざしたとしなければ決着がつかぬだろう。野党が彼をどんなに追求しようと、萩生田副官房長官からの指示がありましたとは言わないだろう。担当大臣もその意味では悪賢く先手を打って「副官房長官ではなく私が指示した。」なんて見え透いたことを言い始めている。大臣は政治家だから、総理に恩を売れば見返りがあると期待もするだろう。しかし官僚はそうはいかない、谷さんのように一時は思いがけないポストにありつくかもしれぬが、官僚の人事は政治家の思惑とは異なる次元で左右され、それが生涯にわたる。胸の中に苦い思い出を抱え生涯を過ごすことが、果たして本人のためとなるかだ。少なくとも前文科事務次官前川氏のようにすっきりした気分になれないことだけは確かだろう。
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