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「風邪の馬鹿」 

2016年12月19日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 最近、俳句作りがとみに盛んになってきているという話を聞く。それは、俳人、津軽わさおとしても、嬉しい限りである。

 そんな中、全国の俳句作りのサイトで最も熱気に包まれているのは、「俳句ポスト365」であろう。「俳句ポスト365」は、愛媛県の松山市が運営する俳句の投稿サイトだ。

 「俳句ポスト365」では、入選が「天、地、人、並」に分かれる。入選の「天、地、人、並」の内訳は、各回、天の俳句1句、地の俳句9句のほか、大体、人選の俳句200句、並選の俳句300句だ。

 人選と並選の入選句といえども、全体3,000句程度のたった17%にすぎない。

 天・地の俳句になると、全体3,000句の中で10句だ。これは、至難中の至難である。津軽を拠点とする俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による天・地の俳句への挑戦は、これまで30回を数えるが、前々々々回、26回目にして初めて、天・地の俳句のうちの天の俳句に入ることができた。


 直近の「俳句ポスト365」の第158回 2016年10月20日週の兼題は、「風邪」である。兼題の説明に曰く。

風邪(冬の季語)寒風にさらされたり、寝冷えをしたことがきっかけで引く風邪や、ウイルスによる流行性感冒などがある。くしゃみ、鼻水、咳、のどの痛み、熱などの諸症状を伴い、重症化することもある。

 兼題「風邪」に係る天選1句と地選の12句を以下に掲げる。
 

 風邪喰うて我百貫の無用者   天選  93kgのプッコラ    

 風邪の熱吸うて重たき夜着の花   地選  とおと    

 市民の風邪蔓延る市民窓口課   地選  めいおう星   
  

 風邪引きのるつぼの中や薬待つ  地選   あすなろ

 喉彦の奥は真っ暗風邪宿る   地選   いもがらぼくと
    
 赤黒き風邪の臭ひの沈む部屋  地選   クズウジュンイチ        

 風邪の子にむつかしい物たのまれぬ 地選  くらげを     

 風邪の儘三日過ぎたるソウルかな   地選  三重丸
 

 風邪の子の寝付くや北の大陸も   地選  Y音絵
     
 立ち位置と風邪こじらせて金曜日    地選  ぐわ         

 四谷「蜜」のママ風邪声の早じまい   地選  ララ点子
     
 外国で人が死んだ、風邪が辛い   地選  光
     
 味しないメロン食して風邪の馬鹿   地選  渡邉康之
         
 そして、以下に掲げるのは、俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による人選3句、並選1句である。これは、俳句集団結成後1年3か月の初心者集団としては、健闘である。

 ルゴール液の綿球苦し風邪薬    人選  津軽わさお  

 風邪の神を祀る米沢検察庁    人選   篠田ピンク

 風邪薬出る山小屋の薬箱    人選  野々原ラピ

 風邪ひくも馬券のカスはひきもせで     並選  津軽まつ 

 
 以上のように、天・地の俳句と並選の俳句を並べてみると、違いがある。
 
 どこが違うのか。天・地の俳句は、着眼点が独特であるし、表現の仕方がいい。それによって、読者が感じるなるほど感と味わいが深い。

 だから、いい俳句を作るポイントは、できるだけ独特な着眼点で、できるだけいい表現で、できるだけ読者のなるほど感と味わいを深めることにある。

 「俳句ポスト365」の選者にして、今をときめく俳人、夏井いつき先生のお使いになる表現をお借りすれば、天・地の俳句は、「発想のオリジナリティと描写のリアリティ」に優れ、「上質な詩になっている」、ということであろう。

 で、今回の天・地の俳句における創作上の特徴を挙げれば、天・地の俳句13句とも、おしなべて「季語との距離間」がとても近いことである。



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